【TIF2022】日向坂46が熱く華麗なパフォーマンスで締めた大トリの大役、意外なセトリにファンも大興奮!

 そのパフォーマンスはまさに、世界最大のアイドルフェスにおける「大トリ」にふさわしい出来栄えだったのではないだろうか。

 8月5日から3日間にかけて開催された「TOKYO IDOL FESTIVAL 2022」(TIF2022)最終日の8月7日、メインステージであるHOT STAGEの最終出演者となったのは、日向坂46だった。

 今回は「ってか」「恋した魚は空を飛ぶ」「ゴーフルと君」「真夜中の懺悔大会」「君しか勝たん」そして「NOWAR in the future 2020」の計6曲を披露。TIF2022のラストを飾るのにふさわしい圧巻のステージを披露した。

 オーバーチュアが流れると観客は一斉に立ち上がり、推しメンカラーのペンライトを力いっぱい振り回す。ステージの大型スクリーンにはメンバーの紹介映像が流れ、本日欠席した小坂菜緒と宮田愛萌を含む全21人のメンバーが順番に映し出されると、会場からはまるでメンバーの名前を呼ぶコールが聞こえてくるような熱気だ。

ライブは金村美玖センターの6thシングル「ってか」で始まった。

 映像が終わると、涼しげなシースルーのカラフルな衣装に身を包んだメンバーたちが登場。金村美玖がセンターを務める、芯の強い女性の気持ちを表現した歌詞が印象的な「ってか」でライブは最高のスタートを切った。その激しさにもかかわらず美しくシンクロするダンスに観客は釘付け。間奏にはセンターの金村がキレのあるソロダンスを完璧にやり遂げたところに、いま最も勢いのあるグループとの定評を見せつけた。

 MCタイムは「TIFのみなさん、楽しんでますかー?」というリーダー佐々木久美の問いかけでスタート。久美は「アイドルになったばっかりの時は(会場の)2階から観てたよね〜」と新人時代の思い出を振り返り、今回のTIF2022でついに大トリへとたどり着いたことへの感謝を口にした。最後は「短い時間ですが楽しんでいきましょう!」と、力強い声でMCを締めていた。

欠席した小坂菜緒と宮田愛萌を除く全19名がMCで横一列に並んだ。

 ここから期別の楽曲タイムに突入。多くのメンバーがハケる意外な光景にファンは興奮と困惑が入り交じった反応を見せていたようだ。

 まずは2期生による「恋した魚は空を飛ぶ」を披露。癖になるリズムとメロディー、そして歌詞で観る者を圧倒し、客席との一体感を演出する。いつもの可愛らしい姿とは異なる、何かが憑依したようなカッコよいパフォーマンス。そのギャップに心を掴まれた観客も多かったに違いないだろう。

 続いては、恋心とフランス菓子のゴーフルを絡めた歌詞を、キュートなメロディで歌い上げる3期生楽曲の「ゴーフルと君」。ここでは上村ひなのがパフォーマンスの中心となって観客を魅了しつつ、他の3期生たちもそれぞれの個性を発揮。ファンの心を奪う愛らしい表情や、軽快で女の子らしいダンスが必見のステージとなっていた。

 そして最後は1期生楽曲の「真夜中の懺悔大会」。センターは柔らかいオーラが溢れる潮紗理菜が務めた。

2期生楽曲の「恋した魚は空を飛ぶ」では金村美玖、河田陽菜、富田鈴花、濱岸ひより、松田好花の5人でパフォーマンスした。

3期生楽曲の「ゴーフルと君」。左から森本茉莉、上村ひなの、山口陽世、髙橋未来虹。

女子らしい雰囲気が満載の「真夜中の懺悔大会」では会場に多幸感が充満していた。

 ここで再びMCとなり、トークを振られた富田鈴花は「みなさん、熱くなってきましたか?」と、会場の暑さや観客の熱気について言及。期生別楽曲に驚くファンの反応にも触れていた。シングル7作中、5作でセンターを務める小坂が不在だったなか、その穴を感じさせないセットリストには、日向坂46がグループとして積み上げてきた実績の厚みが表れていたのではないだろうか。

 さらには3月に行われた東京ドーム公演のDVD・ブルーレイの発売、9月から11月に兵庫・愛知・神奈川・東京で開催されるツアーを告知してうえで、「踊る準備はできてますかー? まだまだ楽しんでいきましょう!」と久美が元気いっぱいに呼びかけ。加藤史帆がセンターを務める「君しか勝たん」でラストスパートを駆ける。

圧倒的な存在感でTIF2022を支配した日向坂46。その様子はまさに「君しか勝たん」だ!

 相手を愛しく思う気持ちを描いた歌詞に合わせたメンバーの表現力と、サビで指をクロスさせるダンスが目を惹く楽曲。サビのクラップでは会場全体が一つとなり、ラストの盛り上がりへと助走をつける。

 そして最後は齊藤京子がセンターを務め、ライブでも最大級の盛り上がりを見せる人気曲の「No WAR in the future 2020」でフィニッシュ。

 横や斜めにメンバーが整列する複雑なフォーメーションをまるで簡単そうに見せつつ完璧にこなし、絶対的なチームワークを見せつけた。メンバーの弾ける笑顔や全力ダンスに、観客のほうも応援にさらなる熱が入る。メンバーの動きを振りコピし、会場の熱気は単独ライブと同様の最高潮に。トップアイドルの実力が会場全体に伝わった場面だったのではないだろうか。

「No WAR in the future 2020」では魚の群れのように集まっては広がるを繰り返す複雑なフォーメンションで魅せてくれた。

 楽曲披露後には久美が「最強に熱い思い出が作れました! みなさん、日向坂46のライブにも遊びに来てくださったら嬉しいです。今日は本当にありがとうございました!」と感謝の気持ちを伝え、お馴染みの挨拶でステージを終えた。

 最後まで笑顔でファンサービスしつつ、順番にステージ袖へとハケていくメンバーたち。最後になった髙橋未来虹が客席に向けて深々と頭を下げる姿には、ファンも心を打たれていたことだろう。

 日向坂メンバーたちの全力でハッピーオーラあふれるステージは、すべての観客の心を揺り動かしたに違いない。世界最大のアイドルフェスで大トリを飾るににふさわしい、その場にいるすべての人を笑顔にするステージは、アイドルファンにとって最高に熱い夏の思い出になったことだろう。

(取材:長谷部乃杏、撮影:Issey Nakanishi)