東京・秋葉原を拠点に活動するAKB48が12月8日、劇場公演19周年の記念日に合わせてリニューアルオープン。新劇場お披露目のオープニングセレモニーを開催した。
セレモニーにはAKB48から4代目総監督の倉野尾成美と小栗有以、佐藤綺星、八木愛月が出席。さらにスペシャルゲストとして、初代総監督を務めたレジェンドOGの高橋みなみが登壇した。
セレモニーの冒頭では倉野尾が「やっと私たちの劇場が戻ってきたという嬉しい気持ちでいっぱいですし、新しくなった劇場とともに、私たちもここ成長していきたいです!」と強い決意を口にした。
この日一番のイベントとなるテープカットは初代総監督の高橋と現総監督の倉野尾、そしてエースとしてグループを牽引する小栗が担当だ。
倉野尾の掛け声で3人がテープをカットするも、緊張からなのか小栗はなかなか切ることができない様子。焦っている姿を見た倉野尾がすかさずフォローに入り、無事に大一番をやり終えた。そんな連携の良さには、チーム8の初期から苦楽を共にした同期の絆が垣間見えていたようだ。
続く質疑応答では、関係者向けに公開されたゲネプロにて倉野尾が「東京ドーム」を目標にしたいと宣言したことが話題に。倉野尾によると、メンバー内でAKB48のこれからを話し合った際に「まだ東京ドームを目標に掲げていい段階ではない」と、大きな目標を挙げることに躊躇っていたことを明かした。
その一方で今回の決意表明について心境を聞かれると、「軽々しく言っていい言葉じゃないなと思っていたんですが」と前置きしつつ、「新公演の準備をする期間で、本当に目指したいし目指すべきだなという気持ちが芽生えて、自分の口から言うことで始まるんじゃないかなと思いました」ときっぱり。新劇場で上演される新公演への準備期間を経ての変化を実感させた。
その言葉を受けて初代総監督の高橋は、「夢を掲げて言葉にするっていうのがどれだけ大変なことかは、私もその監督時代に経験させていただいて、誰かがスタートを切らないと走り出すことは難しいと思ってます」と自身の経験を交えながら、倉野尾の決意を歓迎。
続けて、劇場公演は秋元康先生からの手紙だと思っていると説明しつつ、「今回、その歌詞を受け止めて自分たちの曲として、ここから始まるんだと思ったときに『東京ドームに行きたい』と思えたのは素晴らしいことだと思うので是非叶えてほしい」と、熱いエールを送った。
そんな高橋は、初めて新劇場を見た感想を聞かれると「もう面影がゼロというか『こんなに変わるの?』っていうくらい想像を超えてきた」との驚きを吐露。さらに「お金がかかってるなって、すごい感じました(笑)」と大人ならではの視点も感じさせていた。
新劇場で一番テンションが上がったポイントについて問われると、倉野尾は「一番使う楽屋がすごく綺麗になって」と、裏側の様子を説明。以前からメンバーが希望していた全員分の鏡がある仕様になったと明かしつつ「これで誰かと誰かが揉めることがなくなる平和な楽屋になりそうです(笑)」と笑いを誘った。
その説明に関して以前は平和ではなかったのかと問われると、後輩が先輩に遠慮する場面があったと返答。さらりと質問をかわす姿には、彼女が4代目の総監督に選ばれた理由が垣間見られたのではないだろうか。
この楽屋の変化に関しては、他のメンバーからも好意的な意見が続出しているようだ。18期研究生の久保姫菜乃と成田香姫奈はSHOWROOMの公式配信にて「鏡がついて光が明るくなったり、楽屋時代も広くなった気がして快適です!」と、満足気に語っていた。
二人の同期でセレモニーに参加した八木は、ステージの花道について「柵がなくなったことで私たちをより近くで感じられるんじゃないかなと思います!」とのポイントをあげていた。この花道、実は下手(ステージ向かって左側)のほうが少し長くなっており、席選びの際に押さえておきたいポイントになりそうだ。
今回の新劇場オープン、そして新公演で注目したいポイントには、衣装もあげられるだろう。
新公演にて最多センター数を誇る小栗はおすすめ衣装として、『まだ見たことのない景色へ』で着用している、クロッカスという花をモチーフにした衣装をあげた。このクロッカスは衣装制作を長年務めている茅野しのぶ氏が新曲のコンセプトに合わせて花選びからこだわったもの。どんな寒いところでも力強く咲く花としてクロッカスをモチーフに選んだという。
新劇場内にはかつての名場面を想起させる衣装も展示されており、前田敦子のフライングゲット(2011年紅白歌合戦)や、高橋みなみのチームA 1st Stage「PARTYが始まるよ」は、古参ファンには感涙もの。近年は大衣装展のイベントが賑わいを見せるなど衣装への注目度も高まっており、それゆえ新公演でお披露目される衣装にも大きな関心が寄せられそうだ。
質疑応答の最後には高橋に対して、先日結婚を発表した横山由依についての質問だ。髙橋によると、発表の前々日ぐらいに「電話していいですか」とのLINEがあり、悪い予感を抱きながら電話をしてみたら「すごいにこやかに『結婚するんです』って報告をくれて、すごい可愛いなと思いました!」と和やかな関係性を見せていた。
現役メンバーを代表してコメントを求められた八木は、在籍期間が被っていないこともあって焦った様子。すると高橋がすぐさま「横山は今日、誕生日だよ!」とフォローを入れ、八木も「ゆいさん、お誕生日とご結婚おめでとうございます!」となんとかコメントを振り絞っていた。
(取材:遠藤葵/撮影:カゲ)