家族の一大事に立ち会えないなんて…。視聴者もびっくりしていたようだ。
9月21日放送のNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」第119回では、砂川智(前田公輝)がついに比嘉歌子(上白石萌歌)にプロポーズ。歌子が受け入れたことで、家族や近所の人たちが喜びを爆発させるシーンがハイライトとなった。
ところが、そんな幸せいっぱいの場面に立ち会えなかった家族がいたというのだから驚きではないか。
ヒロインの青柳暢子(黒島結菜)は夫の和彦(宮沢氷魚)と息子の健彦(三田一颯)を伴い、昭和59年(1984年)のゴールデンウィークに故郷の沖縄・やんばる地方に里帰り。その3日目に暢子が料理の腕を活かし、家族や近所の人を招いての食事会を盛大に催していた。
「食事会には安室のおばあ(あめくみちこ)や共同売店責任者の前田善一(山路和弘)らも参加。さらには視聴者も初めて見るような近所の人たちも集まっていました。ところがそこに、比嘉家の親戚である賢吉(石丸謙二郎)と、暢子の姪にあたる小学生の石川晴海がいなかったのです」(テレビ誌ライター)
晴海の不在については9月19日放送の第116回にて、母親で暢子の姉・良子(川口春奈)が「この連休は、臨海学校」と説明していた。しかしゴールデンウィーク中に臨海学校に行くというのもおかしな話。しかも小学校の臨海学校は長くても2泊3日なのに、3日目の夜に催された食事会に晴海が参加していなかったのも不思議な話だ。
「晴海は成長に応じて3人の子役が演じ分けており、3歳時は三井絢月、5歳時は鈴木咲、そして6歳時は佐藤風和が担当。佐藤の実年齢は10歳(撮影時には9歳)の小4ですから、小5の役も演じられそうです。それが今回の食事会に参加していなかったのは、なんとも謎めいていますね」(前出・テレビ誌ライター)
ただ子役は大人の役者よりも体調が変わりやすく、このご時世では濃厚接触者になって撮影に参加できなかったといった理由も考えられる。本来なら食事会のシーンに出演するはずだったのであれば、なんとも気の毒な話だろう。
その晴海よりさらに謎だったのが、賢吉の不在だ。賢吉は亡き父親・賢三(大森南朋)の叔父であり、良子・暢子・歌子の三姉妹にとっては大叔父にあたる人物。血縁者の少ない比嘉家にとっては貴重な、血の繋がった親戚でもある。
しかも賢吉は比嘉家にとって、借金の保証人になってくれるなど、生活を支えてくれた大恩人だった。それにも関わらず、暢子と和彦の結婚式に呼ばれていなかったうえ、帰省中の暢子らが賢吉を訪ねていくような場面も一切、描かれていないのである。
「年齢的にはすでに亡くなっている可能性もありますが、それなら晴海の臨海学校と同じように、ほんの一言二言でいいからそれに触れるべき。たとえば良子が『賢吉おじさんは具合が悪いみたい』と言うだけでも良かったはずです。しかし作中では理由が語られないどころか、まるで最初から賢吉など存在しなかったかのような扱いなのですから驚かされましたね」(前出・テレビ誌ライター)
恩人をないがしろにするのは、いかにも暢子らしい振る舞い。ひいてはそんな脚本や演出を平気で世に出してしまう制作陣の責任だと言えるだろう。家族愛がやたらと強調される比嘉家だが、もしかしたら血の通った付き合いをするのは二親等までだと決めているのかもしれない。