そうなったら<恋愛要素>どころの話では済まなくなるのは確実だろう。
3月14日に最終回を迎える月9ドラマの「ミステリと言う勿れ」(フジテレビ系)が好調だ。同名の人気マンガを原作に、菅田将暉の主演で映像化。練りに練った深い仕掛けが施されている原作の魅力をそのまま活かすことにより、原作を知らない視聴者も魅了している。
視聴率はすべての回で二桁越えを果たしており、最終回では第一話で記録した13.6%の更新に期待が高まるところ。本ドラマは民放公式テレビポータル「Tver」での配信回数が民放ドラマで歴代最多を記録しているほか、テレビ局や広告主が重視している個人視聴率も高く、フジテレビ局内での評価も相当高いという。
「3月10日付の日刊ゲンダイでは、早くもシーズン2の制作が決定したと報道。さらには映画化の話も持ち上がっているとのことで、原作ファンに加えて主人公の久能整を演じる菅田のファンも喜んでいるようです」(テレビ誌ライター)
ここまで放送されたドラマの内容は、原作マンガでは1巻丸ごとと2巻の前半、4巻の中編以降と5巻丸ごと、そして7巻丸ごととなっている。最終回では6巻の前半が使われるようだが、すでに10巻まで既刊のため、まだ半分以上のエピソードが残っている状況だ。
そのためシーズン2や映画化ではどの巻が使われるのかに、原作ファンの興味は高まっている。ところがそんな期待に冷や水を浴びせかねない恐れが浮上しているというのである。
日刊ゲンダイの記事によると、映画化の際には<原作にはないオリジナル作品になる可能性が高そう>とのこと。しかし「ミステリと言う勿れ」では30年近い実績を誇る原作者・田村由美氏の描く精緻なストーリーが最大の魅力ゆえ、オリジナル作品などとんでもないという声が噴出しているのである。
「それに加えて、今回のドラマ化では原作だと一キャラに過ぎない新米刑事の風呂光聖子(伊藤沙莉)が主人公の久能に恋心を抱いています。このように原作にはない恋愛要素がこれでもかというほどにブチ込まれており、これがフジテレビ主導のオリジナル映画となったら、久能と風呂光のダブル主人公的な作品になる可能性すらありえるのです。そうなったらもはや、その映画は『ミステリと言う勿れ』とは呼べない代物になりかねず、原作ファンとしては《それだけはやめてくれ!》と絶叫したくなるのも無理はないでしょう」(前出・テレビ誌ライター)
風呂光刑事を伊藤沙莉が演じること自体には、評価の声も多い本作。せめて風呂光が活躍してもいいから、恋愛要素だけは勘弁してほしいという視聴者の声に、フジテレビは耳を傾けてほしいところだろう。