【カムカムエヴリバディ】アニー・ヒラカワは安子の友人?三つ指と回転焼きに潜む過去とは

 その所作に、隠し切れない過去が示されていたのかもしれない。

 3月30日放送のNHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」第105話では、ハリウッド映画「サムライベースボール」のオーディションに大部屋俳優の伴虚無蔵(松重豊)がついに参加することになった経緯が描かれた。

 同映画でキャスティングディレクターを務める日系アメリカ人のアニー・ヒラカワ(森山良子)は、時代劇映画「棗黍之丞」シリーズを全部見ているという時代劇ファン。日本には映画の仕事で来日する以前には来たことがないと語っていたが、その彼女が意外な仕草を見せたという。

「洋画への出演を頑なに断る虚無蔵に、ヒロインの大月ひなた(川栄李奈)らは懸命の説得。するとアニーはやおら正座し、虚無蔵に向かって三つ指をついて頭を下げました。日本人なら誰でもその仕草の持つ意味を理解できますが、イス生活のアメリカ人はそもそも正座すること自体が肉体的に苦痛ですし、三つ指となるとなおさら。それが自然に出たということは、アニーが相当に日本文化に精通していることを意味しているはずです」(テレビ誌ライター)

 礼を尽くしたアニーを意気に感じたのか、虚無蔵は監督らの前で殺陣を披露することに。その内容はかつて、映画「妖術七変化!隠れ里の決闘」の敵役オーディションにて展開された、桃山剣之介相手の太刀捌きと同じものだったのである。

 その後アニーは、ひなたが差し入れた回転焼きを口にする場面が。ここでアニーは回転焼きを二つに割り、つぶあんの小豆をつまみ上げてはその味を確認するかのように口に含むという、ちょっと変わった食べ方をしていた。

 本作の視聴者には、アニーが実は安子ではないかと怪しんでいる人も少なくない。ひなたの祖母である安子(上白石萌音)は、昭和26年に進駐軍将校と共に渡米して以来、日本の家族とは音信不通に。それがハリウッド関係者として帰国を果たし、偶然にも孫のひなたと再会したという形だ。

ひなたが差し入れた回転焼きを思わせぶりに食べるアニー。このシーンに何かしらの意味を感じる視聴者も少なくない。トップ画像ともに©NHK

 それに加え、娘のるい(深津絵里)が作った回転焼きを食べることで、自分が幼少時のるいに伝えたあんこの味を思い出すという筋書きが期待されている。だが一方でこのシーンこそ、アニーが安子自身ではないことを示しているとの見方もあるという。

「アニーが安子の友人ではないかと見る視聴者も少なくありません。戦後、安子のように米軍兵と結婚して渡米した『日本人花嫁』は5万人近くもいるそうで、アニーと安子は同じ境遇という可能性もありそうです。二人が近しい関係であったなら、アニーは安子が作ったあんこを口にしたことがありそうなもの。そうであればアニーにとってのあんこは、安子の実家である『御菓子司 たちばな』の味ということになります。それゆえ、安子の娘・るいが焼いた回転焼きを食べることで、アニーは安子のことを思い出すというワケです」(前出・テレビ誌ライター)

 安子と同様に結婚前のアニーが日本で暮らしていたのであれば、正座や三つ指といった所作が自然に出るのも納得できるところ。いまだ安否の分からない安子だが、残り7回となった放送の中で、アニーの口から安子の“戦後”が語られるのかもしれない。