【ちむどんどん】なんでも分け与えてしまう母・優子の優しさに視聴者から賛否両論!

 この優しさも、いずれ回収される伏線なのだろうか。そんな疑問を抱いた視聴者もいたようだ。

 4月12日放送のNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」第2回では、比嘉家の母親・優子(仲間由紀恵)のお人よし過ぎる一面が垣間見える様子が描かれた。

 親戚と共に家業のサトウキビ作りに精を出す賢三(大森南朋)と優子の夫婦。背丈よりも高いデージ(サトウキビ)を手に持った鎌で刈り出す大変な作業だ。その昼休み、大叔父の賢吉夫婦と共に一息ついていると、砂川豆腐店の小さな兄妹が通りかかった。

 すると優子は「はい、食べて!」と自分の食べていたおにぎりを差し出すことに。その姿に賢吉は「お人よしもいい加減にせ! 食わずに働けるか」と叱るのであった。

「砂川家は父親が亡くなり、祖父を頼ってやんばる地域に来たものの、その祖父も亡くなってしまったのだとか。普段から砂川豆腐店のゆし豆腐を買っている優子は、子どもたちに自分の昼飯を差し出したのでした。おにぎりが紫色だったのは、かさを増やすために紫芋と一緒に炊きこんだ芋ご飯だったからでしょう。それでも砂川家の子どもたちにとってはご馳走だったのです」(沖縄マニアのライター)

 ここで賢吉は「お前たちも借金抱えて4人の子ども育ててるんだから」と賢三と優子を叱責。比嘉家もまた窮乏状態にあることが示されたのだった。

賢三と優子の夫婦、そして4人の子どもたち。比嘉家は貧しいながらも幸せな生活を送っているようだが…。©NHK

 それでもなんとか家族全員が食べられているからなのか、困っている人を何とかしてあげたいという気持ちが抑えられない優子。その日の夕飯には善吉からおすそ分けしてもらったというご馳走が出たのだが…。

「この日のおかずはミーバイの煮つけ、お刺身は沖縄らしい青い魚として知られるイラブチャーと、赤身はカツオでしょうか。豪勢なおかずに子供たちは大喜びし、煮つけはきょうだいで取り合いになっていました。ところが思いつめたような表情の優子は『これ、砂川さんの家に…』と切り出し、『智の家はいま、お母さんが病気でとっても困っているよね』と説得。するとヒロインの暢子(稲垣来泉)も『行こう! 冷めないうちに』と立ち上がり、おかずのすべてを砂川家に持っていったのです」(前出・ライター)

 この優子の行動には視聴者から賛否両論が噴出。優子の気持ちには理解を示しつつも、おかず全部を他家にあげてしまう姿勢には、自分たちの子どもをないがしろにしているとの批判も少なくなかったのである。

 一方でこのエピソードを巡っては、人気長編マンガ「ガラスの仮面」にて、「若草物語」の舞台を演じた場面を連想する人も続出。同じようにご馳走をよその家にあげてしまうというもので、若草物語の四姉妹がちむどんどんでは四人きょうだいになっているということだろうか。

「ともあれ、煮つけはあげるけど刺身はきょうだいに分け与えるとか、上手く配分することができなかったのかという疑問の声は絶えません。それに対して、そんな母・優子の想いがいずれ、物語の重要な伏線として回収されると考察する向きもあり、本作序盤の大きなカギになるシーンとの読みもあるようです」(テレビ誌ライター)

 その後の場面で優子の口からは、実家が那覇であることが示された。物語の舞台である昭和39年当時、名護より北の道路はほとんど舗装されておらず、やんばる地域から見た那覇は相当遠いところにある都会といった感じだったようだ。

 また、作中ではまだ示されていないものの、公式サイトの人物紹介では優子が定食屋の娘だったことも明かされている。

「おそらく子供のころの優子は食べることに困らない生活を送っていたはず。それがいまは借金を背負いながら子供4人を育て、日々の厳しい農作業に耐えるなか、互助の精神が大きくなったのかもしれません。そんな優子の優しさが、娘の暢子にも受け継がれていくのではないでしょうか」(前出・テレビ誌ライター)

 果たして優子の優しさは今後、吉と出るのか凶と出るのか。比嘉家のみんなが幸せになってほしいと視聴者は願うばかりだろう。