「ブギウギ」ヒロインに趣里が決定、高畑充希から7年半ぶりの共通点とは

 2023年下期のNHK連続テレビ小説「ブギウギ」にて10月17日、ヒロイン役のオーディションにて女優の趣里が選ばれたことがNHKから発表された。趣里は「見てくださる方々の心が、『ブギウギ』するような朝ドラを届けられるよう全身全霊で頑張りたい」との抱負を語っている。

 本作は戦後に「ブギの女王」として一世を風靡した笠置シヅ子さんをモデルにした作品で、ヒロイン役には演技力と共に歌唱力も求められることから、オーディションには歌唱審査もあったという。

 趣里は母親が元キャンディーズの伊藤蘭ということもあり、歌声にも期待が高まるところ。2015年の初主演映画「東京の日」ではかぐや姫やイルカで知られる楽曲「なごり雪」を歌うシーンもあり、共演者からは「上手い」「DNA?」などとその歌声を評価されていたようだ。

「本作のヒロインを巡っては伊藤沙莉や古川琴音を有力視する声が高かったもの。とくに古川は8月11日に放送されたドラマ『アイドル』(NHK)にて昭和初期~終戦時に活躍した劇場のトップアイドルを好演し、その出来栄えが高く評価されていたことから、これが事実上のオーディションと評する声もあったほどです」(テレビ誌ライター)

 一方で趣里を巡っては伊藤蘭と水谷豊の一人娘というサラブレッドぶりが常に注目されがち。ただ本人は舞台や映画で10年以上にわたって着実に実績を積んできており、二世だからという批判は的外れというものだろう。

雑誌撮影のオフショットという1枚。すでに「ブギウギ」っぽい? トップ画像ともに「趣里とマネージャー」公式アカウント(@shuri.and.mg.official)より。

 ひとつ意外なのは、放送開始時で33歳という年齢だ。2000年以降の朝ドラではそもそもの年齢設定が高かった「芋たこなんきん」の藤山直美(47歳)や、老齢期までを演じた「カムカムエヴリバディ」の深津絵里(48歳)を例外とすれば、ほとんどのヒロインは20代の女優が担当。30代は「まんぷく」の安藤サクラ(32歳)と「スカーレット」の戸田恵梨香(31歳)だけで、趣里はその二人をさらに上回ることになる。

 もっとも趣里の活動では舞台や映画が多く、テレビドラマ出演が少なかったこともあって、たとえ33歳と言えどもフレッシュさは十分。年齢面で視聴者が不自然さを抱くようなことはないはずだ。

 一方でドラマ出演の少なさという点では、2016年上期の「とと姉ちゃん」でヒロインを演じた高畑充希以来7年半ぶりという共通点を持っているという。

「高畑と趣里に共通するのは、朝ドラヒロインを演じるより前に、地上波の連続ドラマで主演やヒロインを務めた経験がないことです。趣里は2011年に『3年B組金八先生ファイナル直前同窓会スペシャル』(TBS系)でドラマデビューしており、出演ドラマは40作品超にも上りますが、連ドラの主演は2017年の『過ちスクランブル』(フジテレビTWO)と、現在放送中の『サワコ 〜それは、果てなき復讐』(BS-TBS)のみで、いずれもCS/BS放送になります。もちろん地上波連ドラ主演の経験がないからといって演技面に不安があるようなことはなく、それは高畑がすでに『とと姉ちゃん』で証明済みです」(前出・テレビ誌ライター)

 ただでさえ注目度が大きい朝ドラヒロインに加え、二世俳優という肩書きさえもつきまとう趣里。だが彼女が1年半後に「ブギウギ」を完走した暁には、そういった外野の声は払しょくされているのかもしれない。