こうやってアイドルは成長していくものだと、ファンも感心していたことだろう。
11月21日深夜放送の「新・乃木坂スター誕生!」(日本テレビ系)では、MCのオズワルド伊藤が乃木坂5期生の成長を熱を込めて賞賛する場面があった。
この回では大事MANブラザーズの立川俊之がゲスト出演し、往年の大ヒット曲「それが大事」などをメンバーと共に熱唱。歌唱後には「全然違う世代の知らない曲とか覚えるだけでも大変でしょ?」と感心だ。
するとオズワルド伊藤も「毎回思うんだけど、どんどんどんどん成長していくんだろうね」と同調。さらには「ホントにビックリするくらい違います、最初のころと!」と声を張って強調し、普段のクールな芸風との違いに「なんで俺こんな熱く語ってるのか分かんないですけど」と照れ隠ししていた。
「そんな自分に驚いていた伊藤ですが、視聴者も同じことを思っていたはず。なにしろ毎週のように昭和や平成の古い歌を覚えては、振り付けもこなしているのですから大したものです。視聴者にとっては『若かりしころの名曲』が多く、楽曲への思い入れも強いもの。一方でメンバーにとっては生まれる前の曲であり、当時の世相など知るよしもありません。その状況で昭和世代の視聴者も納得させる歌唱には、彼女たちの成長ぶりをまざまざと感じますね」(アイドル誌ライター)
そんなメンバーの成長ぶりは、舞台裏の様子からも垣間見ることができたという。番組では毎回、Huluにて「新・乃木坂スター誕生!5期生の挑戦」と題した動画を配信。今回の舞台裏は「#31」として配信されていた。
今回の歌唱メンバーにカメラが密着するなか、ソロで「1986年のマリリン」(本田美奈子)を歌った井上和は、ひとつのテーマを持って本番に挑んでいたようだ。
「Hulu動画には、井上が歌唱指導スタッフから課題を与えられる場面がありました。『ロングトーンの処理、これを考えて』との指摘に続けて、『少しビブラートとか覚えてもいいかもしれない』と提案されていたのです」(前出・アイドル誌ライター)
デビュー9カ月の新人アイドルとしては十分に及第点の歌唱力を持つ井上だが、ソロ歌唱で人の心を動かすにはさらなる高みを目指す必要がある。それこそ「新・乃木坂スター誕生!」は歌唱力の向上も大きな目的とする番組であり、ここで歌う曲には各メンバーにとって達成すべき課題が詰まっていると言えるだろう。
指導スタッフは井上に「この曲を使って、この先のテクニックをいま教えてる。それを身につけていくといいと思う」と提案。果たして井上はどの程度、ビブラートを出すことができたのか。
「今回のソロ歌唱ではサビの『じれたあなたのそのハート 釘づけ』が注目ポイント。最後の『くーちづーけ~~』というロングトーンにどれだけビブラートを掛けられるのかが勝負です。今回の井上は正直なところ、さほどのビブラートは出せなかったものの、安定した音程でロングトーンを最後まで歌い切りました。同じ音程、同じ声量でロングトーンを出し続けるのはけっこう難しく、彼女にとっては良き課題曲となったのではないでしょうか」(音楽ライター)
ファンとしてはソロ歌唱中の表情や振り付けに目を奪われるところだが、歌唱そのものにもより注目していきたいと思えたのではないだろうか。どうやら「新・乃木坂スター誕生!」は、Huluの配信とセットで楽しむのが吉のようだ。