【舞いあがれ!】恋に敗れた秋月史子がブラウスで示した「次の恋に踏み出す」覚悟とは

 彼女はもう、次への一歩を踏み出し始めたようだ。

 2月17日放送のNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」第96回では、ヒロインの岩倉舞(福原遥)がついに幼馴染の梅津貴司(赤楚衛二)に告白。やっと理想の相手と結ばれるなか、結果的に二人のキューピットとなった秋月史子(八木莉可子)が貴司への恋をあきらめた姿を見せていた。

 短歌愛好家の史子は、長山短歌賞を受賞した貴司の短歌に感動。経営する古書店のデラシネを探し出し、押しかけ弟子も同然にデラシネに居ついていた。貴司が幼馴染の舞と仲良しであることに気付くと、2月13日放送の第92回では舞に対して「先生のそばにおること悪く思わんといてくださいね」と宣言。貴司を支えるのは自分の役目だと、けん制していたのである。

 だが史子は、貴司が1首だけ相聞歌(恋の歌)を詠んでいたと気づくことに。「君が行く新たな道を照らすように千億の星に頼んでおいた」という短歌の相手が舞ではないか、との疑念を持つようになっていた。

「今回、史子は舞の自宅を訪問。舞の部屋に足を踏み入れた史子は、貴司が舞に贈った絵はがきを見つけました。その絵はがきには前述の短歌が書かれており、貴司が舞のことを思って詠んだ歌であることを思い知ることとなったのです」(女性誌ライター)

 果たして史子はどんな思いで舞の自宅を訪れたのか。史子が絵はがきを手にした時、嫉妬のあまり破り捨てるのではと警戒した視聴者もいたことだろう。

 だが彼女はすでに、貴司の気持ちが自分ではなく、舞に向いていることに気づいていた。それを確認するために舞の自宅を訪れたなか、史子の覚悟がしっかりと画面には映し出されていたというのである。

「史子はいつもブラウスにロングスカートという清楚な服装をしており、今回は襟にフリルの付いた可愛らしいブラウスを着用。袖もパフスリーブ(提灯袖)で可愛らしい装いになっていました。実は彼女がそういった装飾の付いたブラウスを身に着けるのは、初登場の第89回から8回目となる今回が初めてのことだったのです」(前出・女性誌ライター)

 これまでの史子は襟が帯のようになったバンドカラーや、少しだけ立ち上がったスタンドカラーのブラウスを着用。長い首をキレイに見せつつも、清楚感を漂わせていたものだ。

 袖も第93回までは長袖のボタンをきっちりと留め、第94回からは季節感を反映して半袖にはなっていたものの、装飾のないストレートな形状となっていた。

 それが今回は突如、フリル付きの襟とすぼまった袖が可愛らしいブラウスへと変わることに。これまでは梅津先生を信奉する一番弟子としてカッチリとした服装に徹していたものが、いきなり女を出すようになったのである。

貴司への告白では透け感のあるブラウスを着ていた。トップ画像ともに©NHK

「実は前日の第95回にも少しだけ服装の変化が垣間見えていました。この回では貴司に対して『先生の灯になりたいです』と史子らしい言葉で告白。この時、胸元の布地に透け感のあるブラウスを着ていたのです。彼女なりに精一杯、女を出した形ですが、貴司からは『ゴメン』と断られることに。これで貴司への恋心をあきらめた史子は、次の恋に向けておしゃれをするようになったのでしょう」(前出・女性誌ライター)

 舞を訪問する際に着ていた可愛らしいブラウスは、貴司のことを振り切って、次の恋に踏み出すための決意を込めた新たな鎧だったのではないだろうか。回を追うごとにファンが増えていった史子。彼女にはぜひ歌人として成功し、女としての幸せもつかんでほしいと視聴者も願っていることだろう。