元AKB48の真楪伶(まちゃりん)が活躍の場を広げている。5月2日~6日には舞台「グリザイア:ファントムトリガー THE STAGE」にて全9ステージを完走。2.5次元の舞台に初挑戦を果たした。
6月18日発売の女性誌「GIANNA」では、ファッション企画の「Make Me Glow」に6人目のモデルとして登場することが決定。発売記念イベントにも出演するという。
2月20日にAKB48を卒業した時には自身のXに「卒業は終わりではなく、新しい始まりです」と綴っていた彼女。その言葉にふさわしい活動を見せていると言えるだろう。
同日には馬嘉伶から、自ら考えた真楪伶に改名。楪(ゆずりは)の字には「木世木」、すなわち「キセキ」が含まれており、これから芸能界で数々の奇跡を実現していく姿勢の表れだ。
asageiMUSEでは卒業を控えた時期の馬嘉伶(当時)にインタビュー。これから真楪伶がさらなる高みに挑むこの時期に、あらためて当時の想いを振り返りたい。※記事内ではお名前を「真楪伶」に統一しています。
真楪伶(まちゃりん):1996年12月21日、台湾・高雄市生まれ。本名&旧芸名は馬嘉伶。2015年に開催されたAKB48台湾オーディションに合格し、同年12月にお披露目。翌年2月にチームBに所属。2018年、51stシングル「ジャーバージャ」の表題曲選抜メンバーに初選出。2023年11月に卒業を発表。今年2月20日に卒業公演を行い、AKB48としての活動を終了。同日に真楪伶に改名した。
――あらためて卒業を発表したときのお気持ちを訊きたいのですが、笑顔で発表したのが印象的でした。
真楪伶 それはずっと前からの目標でした。自分はすごくAKB48に憧れていて、でもAKB48だけじゃなくて芸能界で活動を頑張りたいとずっと思っていて。でもAKB48を離れたらやっぱり不安ですし、自分の力でこれから芸能できるのかなという不安がずっとあったので、なかなか決断できなかったんです。だから「笑顔で発表したい。笑顔で発表できるような自分にならないと発表しない」と決めて、最近になって「今だ」と思って決断しました。
――その「今だ」と思えた時期はいつごろですか?
真楪伶 最初に考え始めたのは2022年の12月ごろですが、その時はまだ勇気がなくて。そして2023年、舞台7作品に出演させていただいたり、想定外のところでは元々興味のあったデザインの分野でキャラクターを自分で考えて、グッズやLINEスタンプを出したりと意外な方向に新しい道ができて、自分の世界はAKB48だけじゃないんだ、と。いろいろなやりたいことができて、2023年の秋ごろに「あ、今だ」って気持ちになりました。
――最初から同期が一人もいないなか、心折れずに続けることができた理由はなんでしょうか。
真楪伶 台湾のオーディションで自分一人だけ選ばれると思わなかったですし、すごいプレッシャー感じてて。でもどんな辛いことがあっても、選ばれたのは一人だけだから、絶対ここで負けちゃいけないと思っていました。オーディションを一緒に頑張ってきたライバルも、選ばれた時にみんな喜んでくれて、その後もすごい応援してくれて。だから自分だけではなく、このオーディションで選ばれなかった子たちの分まで頑張るという思いで、負けちゃいけないっていう気持ちはずっとありましたね。
――台湾にいたころ、日本で芸能人になっている将来を想像できましたか。
真楪伶 中学生の時はAKB48が大好きで入りたかったんですが、入る方法もなかったですし、一生夢のままで終わると思っていました。でも「絶対に日本の芸能界で頑張りたい」と決めていたので、AKB台湾オーディションがなくても自分で履歴書とか送っていたと思います。
――舞台に出演したり、ファッションが好きだったり、落語にも挑戦したりとAKB48以外の活動にも積極的です。その「新しいことをやりたい」という気持ちはどこから生まれてくるんでしょうか。
真楪伶 学生のころAKB48が大好きだったほかに、日本のドラマにもハマってて。ファッション業界にも憧れていて、モデルだったりデザインもしたいなって思っていました。今後、AKB48を卒業しても芸能界で頑張りたいと思っていて、いろいろチャレンジしたいので、これからも頑張りたいと思っています。
――とくに力を入れたいジャンルはありますか。
真楪伶 卒業を決めたとき、8年間の活動でダンスと歌以外に何が一番楽しかったかと振り返ってみたら「AKBINGO!」でした。「AKBINGO!」は自分にとってすごい大きな居場所で、自分の糧になっていると思っているので、バラエティ番組にもっと出たいです。
――また「おったまげー!」が聞けるかも。
真楪伶 知ってくださっていたんですか? ありがとうございます!
――ファッションについても「F i.n.t」のアンバサダーが決まった時は話題になりました。
真楪伶 ファンの方の反響がすごかったんです。女の子のファンで「お揃い買ったよ」って言ってくださった方もいますし、ファンの方だけではなく周りのメンバーだったり、舞台の共演者の子だったり。やっぱりF i.n.tさんは女の子の憧れのブランドなので、いろんな反響いただいて。それまでメンバーに「すごいね」って言われたことがあんまりなくて、今までの私の活動のなかでも本当にトップクラスに入るくらい嬉しいです。
――「F i.n.t」を着ている人を見ると反応してしまいそう。
真楪伶 あります! 見かけるたびに「それF i.n.tですよね?」って言いたくなっちゃうんですけど、いつも我慢してます(笑)。あとメンバーが着ていたら「F i.n.tですよね!」ってめっちゃ言ってます。お話会や生誕イベントにお揃いの服で行くよって言ってくださるファンの方もいました。
――卒業の発表後、ファンの反響はどうでしたか。
真楪伶 寂しいって言ってくださる方がもちろんいるんですけれども、「これからが楽しみだよ」って言ってくれる方のほうが多いです。私、すごい笑顔で卒業を発表したので、ファンの方も笑顔で「これからも応援するよ」って言ってくださるのがすごい心強いです。ファンの方がずっと応援してくれているという感じがするので、これからの活動を頑張りたいと思っています。
――卒業を決めた時には誰に最初に報告しましたか。
真楪伶 一番はゆかるんさん(佐々木優佳里)かもしれないです。ゆかるんさんとはすごく仲良くて、はっきり覚えてないんですけど「ちょっと考えてます」みたいなことを言ったような気がします。
――思い出のある曲や好きな曲を教えてください。
真楪伶 2018年に秋元先生が書き下ろしてくださった「友達ができた」です。その曲では「まちゃりんと仲間たち。」という名義を付けてくださって、メンバーも自分で選んでいいよって言ってくださったので、期の近いドラフト二期生の仲良くしているメンバーなどを選びました。レコーディング前日の夜に歌詞を送っていただいたんですが、歌詞を読んだ瞬間に涙が止まらなくて。秋元先生が私のことを考えて書き下ろしてくださったって感じがすごいして、私にとって一番好きですし大切な曲です。
――卒業後はモデルや舞台など活躍の場は広がりますが、どんな肩書きで呼ばれたいですか。
真楪伶 …タレント(笑)。女優業もモデルもデザイナーも頑張りたいですし、本当に幅広くいろんなところで活躍したいので、タレントですかね。
――芸能界全体で「この人みたいになりたい、目標だ」という方はいますか。
真楪伶 各ジャンルそれぞれにいますけど、個人的には松井玲奈さんにすごい憧れています。昔からずっと憧れのアイドルだと思ってて、今の女優業もすごくてドラマも観ていて「憧れのアイドルと好きな女優さん」だったんですけど、2年くらい前に玲奈さんの書いた小説を読んで、すごい感動したんです。自分の考え方だったり思うことを形にして一つの作品を創っているじゃないですか。それはすごい難しいことだと思いますし、素敵なことだなって思って。私も文章はそんなに得意ではないですけど、ファッションだったりデザインだったり、自分も発信できる人になりたいなって思ってます。
――松井玲奈さんは2015年8月にアイドルを卒業しています。
真楪伶 私がAKB48に加入したのは2015年の12月なので、まだお会いしたことがないんです。これから会うチャンスがあるのかな。会えるようにがんばります!
――最後に、これまでは「AKB48の馬嘉伶」と自己紹介していましたが、今後はご自身のことをどう紹介していきますか。
真楪伶 えー、ただの真楪伶です。どうしよう(笑)。『真っ直ぐの「真」に「木・世・木(キセキ)」って書いて「楪(ちゃ)」と読んで、にんべんの伶で「真楪伶」です』。ぜひ「真楪伶」という名前を憶えてください!
(取材:渋谷のぞみ、森山結衣/撮影:Issey Nakanishi)