【インタビュー】個性派ガールズユニット「Girls be bad」が結成秘話を公開!プロフィールの小出しは「戦略です」

Girls be bad

 松隈ケンタが初の総合プロデュースを手掛けるガールズユニットの「Girls be bad」(GBB)が絶好調だ。

 昨年8月にデビューしたばかりのGirls be badはメンバーを集めるにあたり、松隈が地元の福岡にて自らの足でスカウトし、オーディションを経て集まった“博多から世界へ”飛び立つユニット。楽曲面ではいかにも松隈らしい、ドライブ感のあるアグレッシブなサウンドを持ち味としている。

 その一方で、公式YouTubeチャンネルでは可愛らしさと面白さにあふれたバラエティ力を発揮しており、ライブのMCでもメンバーのお茶目な面が全開に。「令和のパフィーを目指す」との触れ込みも納得の活動ぶりを見せている。

 ライブではパンクロックやメタル調、ムーディなど多様なジャンルの楽曲を疾走感と共に披露しつつ、シャボン玉やモデルガンといった小道具を使った多彩な演出も。時にはメタルバンド風衣装に扮して「X」のカバーを披露するなど、個性的なライブも見どころだ。

 ツアーの追加公演がソールドアウトし、MVの総再生数が250万回を超えるなど、注目度も急上昇中のGBB。その一方でメンバーのプロフィールが誕生日も含めてほとんど明かされていないなど、まだまだミステリアスな部分は多い。

 本サイトでは、東京での追加公演を控えたメンバー4人に直撃インタビュー。初めて明かされるエピソードや人柄を知れば、さらにGBBに首ったけになること間違いなしだ。

【Girls be bad プロフィール】
「博多から世界へ!」をコンセプトに、世界を目指す“スーパーウルトラめんたいポップグループ”として活動。メンバーは元気娘担当「あやか」、クール担当「蝶」、マシュマロ担当「まりか」、リーダー担当「りんか」の4人。所属レーベルは「BAD KNee」。オーディションを経て昨年7月21日にメンバーを選出し、8月1日に『それじゃあ またね』のMV公開でデビュー。いきなり16日連続で新曲MVを公開し続け、8月16日には活動拠点の福岡でお披露目ライブ「ポジティブに、自由に、GBB。」を開催した。10月には1stツアー「GBB -SIXTEEN’S MIND TOUR-」で東名阪福を周り、追加公演を12月29日に福岡・DRUM SON、12月30日に東京・目黒鹿鳴館で開催、いずれも全公演ソールドアウトとなっている。公式X @GBB_info。

左からりんか、蝶、まりか、あやか。

◆お土産をそれぞれ選んで、ファンの人に投げるっていうのをやったんですよ

――10月には初のツアーで東名阪福を周り、年末には福岡での追加公演も成功しました。まずは福岡公演の感想からお願いします。

 追加公演ということでキャパがツアーの時よりも大きくなり、いつもライブに来てくださる人はもちろん、初めて来たという人も多くて、ステージから見ても「あ、この人初めてだな」みたいな顔が多かったです。その人たちも一緒にワイワイ騒げて、新しい一歩を踏み出せました。

あやか 学園祭ツアーやいろんなフェスを終えての追加公演だったので、初めて来てくれる方が多かったんです。だからMCも初めての方に分かるよう、みんなで「これを言おう」みたいなのを事前に話しあっていました。特典会では「初めてなんですけど、また来たくなった」「楽しかったです」って言ってもらえて、すごいモチベーションが上がりました!

まりか 初の試みとして曲中に演出を入れました。『ココロノナカ』では銃を使ってみたり、『湾岸高速2号線から』では本物のハンドルを使ったり。新規の方たちの反応が良かったし、今まで来てくださっている人たちも飽きないで楽しめるライブができたんじゃないかなって思います。

――ライブ中の演出ではいかにもGBBらしい試みもあったとか。

りんか 私たちは出身地が佐賀や大分、福岡、久留米という感じで違うから、それぞれの土地のお土産を選んで、ファンの人に投げるっていうのをやったんですよ。佐賀出身のまりかが「さが錦」(※佐賀の伝統銘菓)で、四角いカステラみたいなお菓子。蝶ちゃんは大分の「ざびえる」(※和洋折衷の焼き菓子)。

 大分だけど「ざびえる」なんです。

りんか 私とあやかが福岡なんですけど、あやかは福岡名物の「博多通りもん」で、私が袋ラーメンの「うまかっちゃん」を投げるっていうのをやって、最後は空き箱まで投げるっていう(笑)。受け取れー! ほしい人ー!って感じで、ファンの方も私たちもお互い楽しかったです。

まりか 「博多美人4姉妹です!」で登場して、その流れで各地のお土産を渡すっていう。

りんか それが10月からのツアーで恒例になっていて、今回もやりました。

あやか。公式X @GBB_AYAKA

――皆さん福岡の人かと思ってたんですけど、大分と佐賀がいらっしゃるんですね。

りんか 出身地に関してはライブやYouTubeでちょいちょい言ってます。

――いまのところ生年月日も公開していません。

りんか 松隈さんの意向ですかね。

松隈ケンタ 戦略です!(キッパリ)。ただ誕生日は近づいてきたら、突然言ったりしてます。11月にはまりかの生誕祭をやりました(※誕生日は11月25日)。

――ほかのメンバーさんの生誕祭は今後のお楽しみということですね。

りんか 1年かけて、徐々にですね。

松隈 言ってもいいんだけどね(笑)

蝶。公式X @GBB_CHO。手にするハンドルは『湾岸高速2号線から』での小道具だ。

◆こんなチャンスは二度とないと思って、オーディションを受けたんです

――2024年は5月~6月にオーディション、7月にメンバー決定、8月にデビューという怒涛の1年でした。そもそもどういうきっかけでGirls be badに入りたいと思ったんでしょうか。

まりか 私は松隈さんが音楽プロデュースを担当された舞台に出演していました(※『城南フロッグボーイズ』、2023年12月5日~10日)。それをきっかけに松隈さんのバンド「Buzz72+」のライブを拝見させていただいて、なんだろう、全身に痺れるような…「かっこいい!」って思って。それで自分もギターを弾きたいと思って、松隈さんにギター習いたいですって言ったら音楽教室を紹介してくださったんです。そこで習っていたらある日、教室のドアを開けた瞬間に「明日空いてる? オーディションあるけど受けない?」みたいに言われて。それで「空いてます」って行ってみたら、このグループだったみたいな。

――まりかさんがMVでギターを弾いている裏にはそんなエピソードがあったんですね。

まりか そうなんです(ニッコリ)

 私は知り合いがバンドをやっていて、松隈さんが経営しているライブハウスの「BAD KNee」に出演していたんですよ。その繋がりで松隈さんにお会いした時に「アイドルオーディションに興味ない?」と声をかけていただいて、「じゃあやるか!」 ってオーディションを受けに行きました。

あやか 私は高校で軽音楽部に所属していて、地元で開催された軽音楽部の大会で松隈さんが審査員を務められていたんです。そのご縁でオーディションに声をかけていただきました。最初は迷っていたんですけど、こんな奇跡というかチャンスは二度とないと思って、「もうやるしかない!」と思ってオーディションを受けました。

りんか  私の通っていた大学にUNIDOL(※女子大生によるアイドルコピーダンス)のグループがあって、そこで活動していました。大学の教授が元テレビ局のプロデューサーで、その繋がりで松隈さんが学校にスカウトにいらっしゃって「オーディションに来ない?」って誘われたんです。最初はロック系のアイドルって聞いたので私にできるのかな?ってちょっと悩んでました。でも、BiSHのこととかいろいろ調べて、こんなチャンスはもうないかもしれないって思って、オーディションに参加しました。

追加公演では目黒鹿鳴館にファンの熱気が充満していた。

◆福岡に住んでいるのでやっぱりPayPayドームを目指したい!

――皆さんの口から「アイドル」という言葉が出てきましたが、そもそもGirls be badはアイドルなんでしょうか?

あやか アイドルさんたちが出るフェスよりかは、バンドさんが出るフェスに出てみたいな、といった話はしています。アイドルっていうか、ガールズグループです。

――では「TOKYO IDOL FESTIVAL」に出られますってなったら?

全員 もちろん出たいです!

あやか TIFにも出たいし、カウントダウンとかロッキンとかバンド系のフェスにも出るぞ、みたいな感じです(笑)

――グループとしての目標を教えてください。

りんか 私たちは福岡に住んでいるので、やっぱりPayPayドームを目指したい!

 それこそバンドの盛り上げや煽りも取り入れたい。お客さんが私たちを観るだけじゃなくて一緒に参加する、一緒にライブを作り上げていくみたいなグループになりたいです。

――楽曲面ではメタル調やロック調に加えて、アイドルっぽい爽やかな曲だったり、いわゆるエモい曲だったりとバリエーションに幅があります。それぞれのダンスや表現では何を意識されていますか。

りんか ダンスの振付は、松隈さんがサウンドプロデュースされている「POPPiNG EMO」のナーナ・ポップさんが、全16曲を振り付けしてくださいました。

 松隈さんやスタッフさんからは、こうやりなさいといった指示はとくにされてないです。それこそ普段のダンス練習も自分たちでやっているので。

――皆さんで話し合ってイメージを統一させていくんでしょうか。

りんか とくに話し合ったりもなくて、全体の空気感で合わせています。

あやか 表情とかも、それぞれ曲に合わせて表現している感じ。

まりか 『歓びの歌』だったら楽しい顔で、『それじゃあ またね』とかだったら笑顔少なくとか、自然に合わせていっています。

まりか。公式X @GBB_MARIKA

◆衣装もみんなバラバラだし、リズムの取り方も歌声もみんなバラバラ

――改めてGirls be badの強みを教えてください。

あやか スクランブルズ(松隈氏が率いるサウンドクリエイターチーム)さんが手がけているサウンドです。それぞれの楽器が生きた一曲一曲になっているのが強みだと思います。

まりか やっぱもう松隈ケンタさんです。ついていけばなんでも叶うって思っています。本当に尊敬してます。

 私たちの強みは個性。衣装もみんなバラバラだし、メンバー同士、仲は良いけど息が合わないっていうか、リズムの取り方もヒザで取ったり足で取ったりと本当にバラバラ。歌声もみんなバラバラだもんね。

まりか そこがかっこいい!

 バラバラだからこそ、個性がもうみんな強いから、そこがいいと思います。

りんか Girls be badっていう名前。「悪い」って名前に入っているだけあって、もう何をやってもいい感じ。わあー!って叫んだり、変なところから登場してきてみたり。さっきも言いましたけどお土産をファンに向かって投げたりとか、なんでもできちゃうところが強みだなと思います。

りんか。公式X @GBB_RINKA

――個性的と言えば衣装もそうですね。ご自身の衣装やアクセサリーのポイントを教えてください。

りんか 私の青いベストは、ちょっとキラキラしているところがポイント。ライブで写真を撮ってもらった時にもギラってして、すっごいお気に入りです。

あやか 私は見てわかる通り、オレンジと黒の縞々という派手さ。電車の踏切って黄色と黒じゃないですか。同じ感じで目立つための色になっているのが大好きです。

 私はやっぱこの革ジャン。後ろにめっちゃ穴が空いてるんですよ。衣装さんがガンガンってパンチで穴を開けてくださって。季節感違くてたまにめっちゃ暑くなるんですけど、これを着ているとやっぱ強くなって、かっこよくてお気に入りです。

まりか 私は一人だけしているゴーグルですね。オーディションや候補生の時から違う形でしたけどゴーグルをしてて、「これでいいじゃん!」ってずっと着けています。

四人四様の衣装にメンバーの個性が滲み出る。

――衣装がここまで全員バラバラなのは珍しいですね。

あやか 靴だけは全員お揃いのドクターマーチンなんです。ここにもこだわりがあって、靴紐の結び方(※)が…なんて言うんだっけ? 靴屋さんの方が変えてくれました。

※紐の通し方は「シングル」、足首に巻いているのは「アンクルウーンド」と思われる

りんか 元々ドクターマーチンって(縫い目が)黄色じゃないですか。それを赤に変えてくださったんです。靴にはこだわりがあります。

靴紐の結び方にもこだわりが。ソウルを縫い付けるウェルトステッチに赤い糸を使っている点に注目したい。

――今回の追加公演がソールドアウトしたり、MV制作のクラファンも目標金額の3倍を超えるなど、ファンの支持には熱いものがあります。

りんか チケットが完売したのは締切の2分前で、それまで私たちもXですっごい呼びかけを頑張ってました。それをファンの方たちがリポストしてくれたり、「こんなグループあります」「松隈サウンドの新しいグループですよ」ってすっごい宣伝してくれて。それのおかげもあってのソールドアウトなので、すごい支えられているなって思いました。

 ファンの皆さんがチェキとか、 その日に撮った写真をいっぱいXにあげてくれるんです。「今日もよかったよ」みたいにいっぱい褒めてくれたりとかすると、私たちの自信にも繋がるし、本当に心が楽になる。落ち込んだ時とかに見て、スマホに向かって「ありがとね」って心の中でお礼しています。あとファンの方がライブ中のコールを考えてくれるんですよ。声援もめちゃくちゃ爆音で、歌っている時に聞こえてくるぐらい声を出してくれるので、本当に嬉しい気持ちになります。

アンコールでは黒のツアーTシャツを羽織って登場した。

 12月30日のライブ@目黒鹿鳴館では「ポッコリぶちぎりのー」のキャッチーなフレーズが印象的な『Born – que – Bong !!』から始まり、2曲目ではまりかのグロウルが会場を一気に沸かせた。

 MCでは、あやかの言葉が会場を終始和ませた。煽りのフレーズ「おまえさんたち!」が印象的で、GBBの世界観が強く感じられたのではないだろうか。

 歌唱面ではバックサウンドの強さに対して蝶のクールな声が綺麗に響き渡り、疾走感のある楽曲ではりんかの柔らかく芯のある声が全体を包み込んでいた。

 大歓声を受けてのアンコールでは、それぞれが地元名産のお土産を客席に投げ入れ、できるだけ奥まで届かせようと頑張って投げる姿が愛おしい。最後はお菓子にとどまらず、空き箱も投げ入れる大盤振る舞いだ。

 また緊急告知として、全国16カ所を周る『Girls be bad「SIXTEEN’S PLACE TOUR」~G(頑張らんと) B(勉強) B(不足だぞ) 対バンツアー~』の開催も発表。札幌から沖縄まで16カ所の開催地を読み上げると、ファンからは大歓声があがった。

 りんかは「近くのところに来てくださるとうれしいです!」と言いつつ、「余裕のある人は、全部一緒についてきてくれてもいいよ?」と笑顔で釣る場面も。メタルバンド風衣装に扮したダブルアンコールまで、会場は多幸感にあふれていた。GBBの更なる躍進は、これからも止まることはなさそうだ。

(取材:渋谷のぞみ、名波里紗)

全国ツアーの発表に歓声が送られた。

【Girls be bad「SIXTEEN’S PLACE TOUR」~G(頑張らんと) B(勉強) B(不足だぞ) 対バンツアー 概要】

2月8日 (土) 渋谷 GARRET udagawa
2月16日 (日) 福岡 久留米ウエポン
2月24日 (月) 宮崎 LAZARUS
3月1日 (土) 大阪 堺東 Goith
3月2日 (日) 広島 Hiroshima CAVE-BE
3月8日 (土) 金沢 REDSUN
3月9日 (日) 大阪 京橋 LiveHouse Arc
3月15日 (土) 京都 京都ROKA
3月16日 (日) 名古屋 DAYTRIVE
3月20日 (木) 横浜 横浜BAYSIS
3月21日 (金) 埼玉 西川口Hearts
3月22日 (土) 仙台 spaceZero
3月23日 (日) 東京 shibuya CYCLONE
3月30日 (日) 沖縄 沖縄Output
4月4日 (金) 札幌 SPiCE SAPPORO
4月12日 (土) 福岡 culture spot BAD KNee LAB.
※全公演対バンあり
※チケット販売等の詳細は後日発表