「ドラゴン桜」が成立させた、色恋ネタ抜きでの青春群像劇!

問題:ドラマ「ドラゴン桜」で唯一、男子生徒と女子生徒がハグを交わしたのは誰と誰だったか?

 6月27日放送の最終回で視聴率20.4%をマークし、有終の美を飾ったドラマ「ドラゴン桜」(TBS系)。4月期ドラマで最高の視聴率を叩き出した話題作を巡り、視聴者の間からはその内容に感心する声があがっているという。

「本作では男女7人が在籍する『東大専科』を物語の中心に据えながら、まったくと言っていいほど生徒同士の恋愛要素が描かれなかったのです。高校を舞台とする学園ものドラマで、男女の恋愛模様が皆無な作品は珍しく、それが幅広い年齢層からの支持を呼び込んだ要因の一つだったのではないでしょうか。本作では平手友梨奈、南沙良、志田彩良の美少女トリオが人気を博していましたが、一切の恋愛要素を見せなかったことで、彼女たちを支持する男性視聴者も安心して物語に没頭できたことでしょう」(テレビ誌ライター)

一切の色恋話を見せなかった東大専科の生徒たち。トップ画像ともにドラマ「ドラゴン桜」公式インスタグラム(@dragonzakuratbs)より。

 多くのドラマにとって男女の恋愛は重要な要素の一つ。今期の連ドラを見渡すと、「着飾る恋には理由があって」「恋はDeepに」「レンアイ漫画家」ではタイトル自体に“恋”が含まれており、「大豆田とわ子と三人の元夫」と「リコカツ」では結婚や離婚が重要なテーマとなっていた。そしてお笑いトリオを主人公に据えた「コントが始まる」でも、瞬太(神木隆之介)とつむぎ(古川琴音)が熱いキスを交わしていたのである。

 一方で法廷ドラマの「イチケイのカラス」や、ミステリー&サスペンスドラマの「ネメシス」には恋愛要素がなかったが、両ドラマでは出演者の平均年齢が高く、青春群像劇にはほど遠い内容。「ネメシス」には広瀬すずと橋本環奈という二大美人女優が出演していたものの、彼女たちの恋愛相手になりそうな若手俳優が出演していなかった点も見逃せない。

「それに対して『ドラゴン桜』の東大専科にはキンプリ髙橋海斗はもちろんのこと、実はけっこうなイケメン俳優の鈴鹿央史や細田佳央太も在籍。加藤清史郎もかつては“こども店長”として人気を博した子役でしたし、ヤンキーコンビを務めた西山潤や西垣匠も他のドラマではイケメン役を演じています。そんな若い男女を集めながら一切の恋愛要素を排したことにより、受験に立ち向かっていく姿に焦点を当てることに成功していたのは見事な演出と言えそうです」(テレビ誌ライター)

 ちなみに16年前のシーズン1では、矢島勇介(山下智久)と香坂よしの(新垣結衣)が恋人同士という設定。ほかにも矢島と幼馴染の水野直美(長澤まさみ)が、矢島の胸に顔を当てて泣くというシーンがあった。視聴者の間では矢島と水野が恋愛関係に発展するとの期待も盛り上がっていたが、その後はとくに二人が接近する場面もなかったのである。

「そして今回のシーズン2では、物語の序盤で瀬戸(髙橋)と岩崎(平手)が仲良さそうにしている場面はあったものの、それは恋愛ではなく不出来な生徒同士のジャレ合いといった雰囲気でした。このように徹底して色恋の要素を排したことで、『ドラゴン桜』では受験生物語という青春群像劇を楽しむことができたわけです」(テレビ誌ライター)

答え:最終回にて東大合格を報告した健太(細田佳央太)に、同じく合格した麻里(志田彩良)が抱きつき、ハグしながらお互いに喜びを噛みしめるシーンがあった。一部の視聴者からは<健太いいなあ><俺も麻里ちゃんとハグしたい>との声もあがっていたが、このハグが恋愛要素の表現でなかったことは明らかだ。