いつの間にやら、こんなに演技が上手くなっていたとは! NHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」で女優の岡田結実が演じる女中・雪衣に、視聴者が驚きの声を挙げているようだ。
岡田が演じる雪衣は、ヒロインの安子(上白石萌音)が身を寄せている亡父の実家・雉真家に仕える女中。仕事ができる上に美人だが、雉真家の次男・勇(村上虹郎)に想いを寄せており、安子が義弟の勇と仲良くしていることに嫉妬している様子だった。
そんな雪衣を巡り、12月23日放送の39回では話が大きく進展することに。前日の38回では雪衣が突然吐き気を催す場面があったが、それはつわりであり、雪衣はなんと勇の子供を身ごもっていた。そして39回では時が10年以上進んでおり、雪衣は雉真家の嫁に収まっていたのである。
「雉真家では勇の父親である千吉が亡くなり、葬儀が催されることに。その朝、家族全員が喪服を着てバタバタするなか、雪衣は当時放送されていた連続テレビ小説『娘と私』に見入っていたのです。勇が『なに呑気にテレビや見よんやら』とたしなめるも、彼女は『今日は最終回なんです』とどこ吹く風。そのわずかなやり取りに、夫婦の冷めた関係性がまざまざと示されていました」(テレビ誌ライター)
その場面に視聴者からは<この雪衣って嫌い!><最悪の嫁だ>といった声が続出。もともとヒロイン安子への態度が酷いと批判されていたこともあり、すっかり悪者扱いされていた。そんな声こそが、雪衣を演じる岡田にとっては最高の誉め言葉だというのである。
「バラエティ番組を中心に活躍していた岡田は、父親がお笑い芸人の岡田圭右ということもあり、女優転進に際してはネガティブな評価を受けることに。すでに主演ドラマが複数あるものの“親の七光り”との批判も少なくありませんでした。それが今回の『カムカムエヴリバディ』では、しっとりとした演技で雪衣を好演。岡田の演じる雪衣が憎たらしいほどにしたたかだったからこそ、視聴者は雪衣を嫌わずにはいられなかったわけです」(前出・テレビ誌ライター)
もともと勇を巡っては、兄の妻だった安子を娶るように父親の千吉から言い渡されていたが、当の安子は返答を渋ることに。そのなかで雪衣とデキてしまったわけで、いわば略奪婚の形となっていた。
「21歳にして略奪デキ婚を演じ、作中では30代になった姿も披露した岡田。その喪服姿には、したたかな嫁という雰囲気が存分に漂っていました。今回の雪衣役で女優としてのステータスが大幅に上昇したのは確実。この『カムカムエヴリバディ』は今後、岡田の女優人生にとってのターニングポイントとして記憶されることになりそうです」(前出・テレビ誌ライター)
第39回で「安子編」が終わったことにより、岡田の出番もおそらく終わったはず。早く次の出演作を観たいというドラマファンも少なくなさそうだ。