舞台は大阪から京都へ! 1月26日に放送されたNHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」第60話では、ヒロインのるい(深津絵里)がついに大月錠一郎(オダギリジョー)と結婚し、京都で新たな生活を始めることとなった。そんな新展開において一部の視聴者から今後の行く末を心配する声があがっていたという。
不慣れな京都で家も仕事もこれから探すという錠一郎とるい。天神様のお祭りで回転焼きの屋台に子供たちが群がっているのを見たるいは、幼いころに母親の安子(上白石萌音)と一緒におはぎを売っていたことを思い出し、錠一郎に回転焼きの店を持つことを提案。手ごろな店舗兼住居を見つけ、るいは幼いころの記憶を思い出しながら、あんこ作りに挑戦することとなった。
小豆を大鍋で煮ながら「小豆の声を聴け 時計に頼るな 目を離すな」とつぶやくるい。それは安子の実家である御菓子司「たちばな」の創業者で、安子の祖父にあたる杵太郎が唱えていたおまじないだった。それを安子が受け継ぎ、おはぎ作りの時に口ずさんでいたことで、自然とるいも覚えていたのである。
「完成した回転焼きを試食した錠一郎は『ふーん。これがるいとるいのお母さんの味か』とつぶやきました。その言葉に複雑な表情を見せたるいは、次第に母・安子のことを思い出すようになっていったのです。自分を捨ててアメリカに渡った母にネガティブな感情を抱いていたるいですが、回転焼き作りを機に、自分の中にも安子から受け継いだものがあることに気づいたのでしょう」(テレビ誌ライター)
ここから始まる二人の新生活に期待も高まるなか、視聴者が気にしているのは錠一郎のことだという。トランペットを吹けない奇病を患った錠一郎は、京都ではるいのサポートに徹しているように見える。そこに不安があるというのだ。
「この第60話では錠一郎のヒゲがだんだんと濃くなっていることが分かります。人前で演奏しなくなったことで、身だしなみに気を遣わなくなったからかもしれません。しかも回転焼き作りはるいが一人でこなしているため、彼には宣伝のチラシを作るくらいしか仕事がない。そうなってくると暇を持てあます錠一郎が、算太のように店を投げだしてしまうのではと危惧する声もあるようです」(前出・テレビ誌ライター)
算太とは安子の兄で、安子と共に御菓子司「たちばな」の再興に奔走していた人物。しかし元々は和菓子作りに興味がなく、ダンサーになりたいとの希望を家族から反対されていた。そして最後にはたちばなの再興資金を持ち逃げし、行方知れずとなっていたのである。
「物語では今後、るいとの間に次期ヒロインである娘のひなたが生まれることもあり、錠一郎が今すぐに出奔するということはないはず。とは言え母親の安子が夫の実家に頼らず一人でるいを育てようとしていた経緯を振り返れば、今度はるいが一人でひなたを育てる展開になる可能性も十分にありそうです。ともあれ今後は芯の強いるいよりも、心に弱さを抱える錠一郎の先行きが懸念されることでしょう」(前出・テレビ誌ライター)
果たして錠一郎は“算太化”してしまうのか。るいに幸せになってほしい視聴者にとってはどうにも気がかりなところだ。