【カムカムエヴリバディ】ひなたがこの世にいなかったかも?算太の登場で振り返る数奇な運命とは

 30年の時を経て、ついに算太が現れた! その姿に視聴者はさぞ驚いていたようだ。

 2月22日放送のNHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」第79話では、ヒロインの大月ひなた(川栄李奈)が高校を卒業し、条映太秦映画村に就職。業務部に配属され、アルバイト時代にお世話になった榊原の部下となっていた。そこで運命の出会いがやってきたのである。

 映画村では新たなテレビコマーシャルを制作することになり、榊原の発案で人気時代劇俳優の“モモケン”こと桃山剣之介を起用。映画村の中で行われた屋外ロケには、幼少時からモモケンの大ファンだったひなたも業務部の一員として参加し、CM撮影は快調に進んでいた。

 そこに割って入ってきたのは謎めいた初老の男性。「いけんいけん! こげえなもん、いっこもおもろねえわ」とダメ出しだ。モモケンを“ダンゴちゃん”と呼び、その親友だと語ったその男性こそ、ひなたの祖母・安子(上白石萌音)の兄で、約30年前に和菓子店の開業資金を持ち逃げして失踪した算太(濱田岳)だったのである。

「昨年12月21日放送の第37話で失踪して以来、実に42話ぶりの登場となった算太。オープニングのクレジットでは《謎の振付師》となっており、どうやら失踪後は振付師として生計を立ててきた様子です。その算太はひなたから見ると祖母の兄であり、いわゆる大叔父。ただ祖母にも会ったことのないひなたですし、母親のるい(深津絵里)はどうやら過去を語りたがらない様子なので、算太という大叔父がいること自体を知らないのかもしれません」(テレビ誌ライター)

モモケンを親友と呼ぶ算太。その関係はいずれ解き明かされそうだ。ドラマ「カムカムエヴリバディ」公式ツイッター(@asadora_bk_nhk)より。

 当の算太も、妹の安子にるいという娘がいることは知っていても、そのるいが結婚して大月るいになったことは知らないはず。それゆえ大月ひなたに出会っても、妹の孫だとは気づかないことだろう。またひなたも母親の旧姓が雉真であることは知っているかもしれないが、算太は安子が嫁に行った雉真家の人間ではなく、フルネームは橘算太。そのため算太の名前を知ったところで自分との繋がりに気づくことは有り得なさそうだ。

 果たしてこの先、血の繋がった二人がお互いの境遇を知ることになるのか。だがここで算太とひなたが出会ったことには、単なる血縁を越えた数奇な運命が横たわっているというのである。

「そもそも算太が失踪していなければ、ひなたがこの世に生まれることはなかったのです。算太は安子と共に、父親が営んでいた家業の『御菓子司 たちばな』を再建する予定でした。それが成功していれば安子はロバートと結婚して渡米することもなく、るいは和菓子店の一人娘として大事に育てられたことでしょう。そうなるとトランぺッターで天涯孤独の錠一郎と知り合うこともなかったのは確実。裏を返せばひなたが生まれたのは、安子がるいを置いてアメリカに渡ったからであり、その原因を作ったのは算太その人だったのです」(テレビ誌ライター)

 妹を捨てて失踪したからこそ、その妹がこの世に遺した孫に出会うことができた算太。この第79話でついに、安子・るい・ひなたと紡いできた親子三代の人生が、一つの形に結実し始めたのかもしれない。

※トップ画像はドラマ「カムカムエヴリバディ」公式インスタグラム(@asadora_bk_nhk)より。