【カムカムエヴリバディ】るいに遺した預金通帳…算太は「持ち逃げ」していなかった!

 最期に託したクリスマスプレゼントで、長年の疑念が晴れたのかもしれない。

 3月16日放送のNHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」第95話では、大月るい(深津絵里)の叔父にあたる橘算太(濱田岳)が、るいたちに看取られる様子が描かれた。

 るいが小学校にあがる昭和26年に「御菓子司 たちばな」の開業資金を持ち逃げし、行方知れずとなっていた算太。るいの母親で算太の妹である安子(上白石萌音)は大阪まで算太を探しに出かけたが、まだ幼かったるいはなぜ算太がいなくなったのか、そしてなぜ母親が算太を追って大阪に行ったのか、理解できていなかったのであった。

 そこから40年以上の歳月が流れ、大月家に現れた算太。すでに末期の病気に侵されており、そのまま亡くなってしまったが、最後にるいへのクリスマスプレゼントを遺していた。それが一つの疑問を解消させることになったのである。

「算太が遺したのは2通の預金通帳でした。一つは算太が姪孫のひなた(川栄李奈)に会った昭和59年に開設したもの。そしてもう一つは算太が戦争から復員した昭和24年に作ったもので、るいによると『その年からちょっとずつ貯めて、昭和26年にはだいぶ貯まっている』とのことでした。こちらの通帳こそ、算太が“持ち逃げ”したという和菓子店の開業資金だったに違いありません」(テレビ誌ライター)

 ここで重要なのは、るいが「だいぶ貯まっている」と表現したこと。この日まで視聴者は、算太が大事なお金を持ち逃げしたと思っていた。それならばこの通帳からは預金が引き出されており、るいは「だいぶ貯まっていた」と過去形で表現していたはずだ。

 ところがるいはあくまで「貯まっている」という現在形で説明しており、お金が引き出されたとは一言も口にしていなかった。すなわち開業資金は“持ち逃げ”されたのではなかったということになる。

「算太を看取ったるいは家族と共に、32年ぶりに父方の実家である岡山の雉真家に里帰りしました。ここでるいは、叔父の雉真勇(目黒祐樹)とその妻・雪衣(多岐川裕美)に再会。そして雪衣から、算太に求婚されるも断っていたことが明かされたのです。雪衣は、算太が失踪したのはそれが原因だと説明。つまり算太が失踪したのは事実であったものの、決して開業資金を持ち逃げしたのではないことが判明したのでした」(テレビ誌ライター)

病床にて、るいに真実を明かすこととなった算太。ドラマ「カムカムエヴリバディ」公式ツイッター(@asadora_bk_nhk)より。

 残された側から見れば、算太は妹の安子から託された開業資金を持ち逃げしていたことになる。しかし算太はそのお金に手を付けてはいなかった。あくまで通帳と共に失踪しただけだったのである。

「るいはいま、その事実を知ることになりました。一方でるいの母親・安子は、進駐軍将校のロバートと共にるいを置いてアメリカに渡りましたが、今でもおそらく兄の算太に裏切られたとの疑念を抱いているはず。果たして母親に棄てられたと思っているるいが、安子に算太の真実を伝える機会があるのか。今後の展開から目が離せません」(前出・テレビ誌ライター)

 死ぬ間際に算太が遺した「すべてわしが悪いんじゃ。安子あ、なんも悪うねえ」という言葉は、すべてを解決する糸口になるのかもしれない。