「驚きの女神」の登場に、視聴者のほうも相当驚いていたようだ。
3月24日放送のNHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」第101話では、ヒロインの大月ひなた(川栄李奈)が勤務する条映太秦映画村に、アメリカからハリウッド映画の視察団が訪れる場面がクライマックスとなっていた。
映画村の社長が「ようこそおいでくださいました。ウェルカム!」と出迎えるなか、ひなたは英語を話せるスタッフとして視察団の案内役を務めることに。「Nice to meet you!」と笑顔であいさつすると、白髪の女性が「Nice to meet you, Ms. Otsuki.」と返事していた。この場面に、一部の視聴者が釘付けになったというのだ。
「本作では英語のシーンも多いことから、字幕をオンにしている視聴者は少なくありません。すると白髪女性が話した場面の字幕に『アニー』という役名が表示されたのです。しかしオープニングのクレジット表記にその名前はなく、ここで初めて現れた名前に《アニーって誰!?》との声が続出することになりました」(テレビ誌ライター)
謎の女性、アニー。視聴者のあいだでは彼女こそがひなたの祖母・雉真安子(上白石萌音)ではないかとの推測が広まっているようだ。安子は48年前、進駐軍将校のロバートと一緒にアメリカに渡ってから消息不明となっているが、義弟の勇から「あんこ」と呼ばれていたこともあり、<あんこ→アン→アニー>という類推は容易。それゆえ安子がアメリカではアニーを名乗っている可能性は十分に高いのである。
「しかも今回の第101話では『驚きの女神が来ていたことにひなたはまだ気づいていませんでした』とのナレーションが入っていました。視察団の中に《驚きの女神》がいることは確実ですし、序盤ではひなたの母親・るい(深津絵里)がアメリカ旅行で安子の手がかりを探していたことも描かれており、話の流れからここで安子が登場することは必然にも思われます」(前出・テレビ誌ライター)
仮に「アニー=安子」だった場合、クレジット表記に入れてしまうとその時点でネタバレになりかねないことから、あえてオープニングには名前を記載していなかったとも考えられる。
その一方で、このタイミングで安子本人が映画村に現れるのは、いささかご都合主義すぎるとの批判も否めないところ。そう考える視聴者からは、別の観点も提示されているようだ。
「それは視察団の通訳・パトリシアが《驚きの女神》ではないかということ。彼女が安子とロバートの娘だという可能性です。パトリシアを演じる米倉リエナは祖母がロシア人のクォーターで、ニューヨーク大学を卒業していることもあって日米ハーフの役を演じるにはピッタリ。安子の娘であればるいの妹ということにもなりますし、すでに亡くなっているかもしれない安子に代わって、彼女の生涯を妹家族に伝える語り部の役を務めてくれるのかもしません」(前出・テレビ誌ライター)
ほかには、アニーが安子の親友だという関係性もありえるかもしれない。ともあれ放送が残り11回となっている「カムカムエヴリバディ」では、すでに怒涛の伏線回収が始まっており、安子の安否もいずれ分かるはず。果たして「驚きの女神」の謎は次回に明かされるのか、それとも翌週まで待たされるのか。視聴者も気が気でならないことだろう。