今年で53回目を迎えた伝統あるミスコンの「ミス日本コンテスト2021」が3月22日に開催され、ファイナリスト13名のなかから関西学院大学4年生の松井朝海さんがグランプリに輝いた。
例年は1月に開催していた最終審査だが、今年はコロナ禍に伴う緊急事態宣言を受け、3月の開催に変更。今回の最終審査では着物やドレスでの審査に加えて、今年から新たにスポーツウェアによる審査も実施された。ファイナリストに対する質問の内容も、日本代表を決めるとあってまさに難題であった。
1題目の「扇を使ってステージに立っている今の気持ちを表現せよ」で松井さんは月を見る動作を披露した。ここで彼女は2012年度のミス日本グランプリで現在はトップモデルとして活躍する新井貴子の名前を挙げ、自身にとって月のような存在だと表現。その新井本人に対し、ファイナリストとして活動するなかで「共に同じステージに立つ」という夢を宣言していたエピソードも明かしていた。
2題目には「コロナ禍で失ったものと、得たもの」というタイムリーな質問が。ここで松井さんは、従来得るはずだった経験を失ったかわりに貴重な経験を得たと、この1年を振り返った。自身が取り組んでいた動画配信ではファンから多くの応援をもらい「私が将来VIPなファッションモデルになったとしても、自分の根底にあるものと思っています。本当にありがとうございました」と感謝の言葉を述べていた。
グランプリ受賞が発表されると、感極まって涙をこぼしていた松井さん。授賞式ではコロナ禍のなか大阪から審査に参加するといった苦境を乗り越えてきた経験を自信に、今後も精進していきたいとの意気込みを語った。
受賞後の会見で今後のありたい姿を問われると「私は挑戦的に何でもやるような、そんなミス日本の形になればいいなと思っています。色々なことにも挑戦してみたいですし、今まで私が留学など挑戦したことから、様々なことを学ばせていただいて、それが自分の身となっています。なので、これからもたくさん挑戦して経験を得て、もっともっとパワーアップした女性になりたいなと思っています」と今後の活動に胸を弾ませた。
今回の最終審査について現場を取材した女子大生ライターは「自身の“個”を確立し、それを発信すること。また、挑戦的に物事にとりくむ姿勢。パワフルな姿を見せてくださったファイナリストの方々の姿から、一女性として多くのことを学ばせていただきました」と振り返る。「彼女たちは緊急事態宣言によりファイナリストとしての期間延長もあったりと、例年以上に多くの苦悩があったと思われます。その状況でも鍛錬を重ね、多くの女性に勇気を与えてくださったことに感謝を伝えたいです。そして、ファイナリスト13人の今後の活動に注目していきたいと思います」と、彼女たちのさらなる活躍への期待を口にしていた。
【プロフィール】
松井朝海(まつい あさみ)
22歳、関西学院大学4年生、大阪府出身、164センチ。
ボートレース界のレジェンドである父親の松井繁選手から「継続は力なり」と学ぶ。大切にしているのは留学や海外インターンシップで得た諦めない心と日本への誇り。自身の脚を武器としており、個性を磨き上げたファッションモデルを目指す
取材:及川帆乃(上智大学)、撮影:仲西一成(Scketto)