どうやら我々は、10年後の「人気若手女優」がまだ幼かったころの姿をリアルタイムで体験しているのかもしれない。
6月26日にスタートした日曜劇場「オールドルーキー」(TBS系)。綾野剛が主役の元Jリーガー・新町亮太郎を演じ、その妻で元女子アナの果奈子役を榮倉奈々が務めるなか、二人の長女を演じる子役に熱い視線が注がれているという。
新町家には私立小学校に通う小5の泉実、そして私立幼稚園で年長組の次女・明紗という二人の娘がいる。明紗を演じる泉谷星奈は5歳になったばかりで、まだ年中さんながらも放送中のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」では源義経(菅田将暉)の娘役で出演している人気子役のようだ。
そして長女の泉実を演じるのが、実年齢は小6の稲垣来泉。朝ドラファンならこの名前にピンとくるはずで、それもそのはず、稲垣は放送中のNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」にて、ヒロイン比嘉暢子の小学生時代を演じていたのである。
「小学生の暢子は男子よりも脚が速く、食べることが大好きな明るい少女でした。そして特筆すべきは小学生とは思えない魔性の女ぶり。父親と共に東京から3カ月だけ沖縄の片田舎に移住してきた青柳和彦(田中奏生)とすぐ仲良くなり、二人きりの時に『手、繋ご?』といって中3の和彦をドギマギさせていたのです。そんな暢子を、稲垣は子役離れした達者な演技力で好演。視聴者には大人になってからの暢子(黒島結菜)より、子供のころのほうが好きだったという人も少なくありません」(テレビ誌ライター)
田舎の快活な少女だった姿から一転して、「オールドルーキー」での稲垣は私立小学校の制服に身を包み、両親ともに有名人という家庭の“お嬢様”を着実に演じている。両作品の撮影時期はせいぜい数カ月しか離れていないのに、パッと見は2歳くらい大人びたようにさえ見えるほどだ。
髪型も前髪をゴムでくくりあげた暢子からは打って変わり、「オールドルーキー」での泉実はオン眉のパッツン前髪で、キレイに外ハネしたサイドも印象的。表情も都会の落ち着いた女子小学生といった感じに洗練されており、とても暢子と同じ子役が演じているとは思えないのである。
そういった外見の違いとは裏腹に、暢子と泉実で共通しているのが演技の上手さ。「オールドルーキー」では父親の亮太郎から現役引退したことを告げられ、涙が頬を伝っていく姿が視聴者の感情を揺さぶっていた。
「稲垣による泣きの演技は『ちむどんどん』の第6回にて、父親の賢三(大森南朋)が心臓発作で急逝する場面でも見受けられました。この時も多くの視聴者が涙を誘われていたもの。小6にして早くも泣きの演技で観る者を魅了する実力を身につけているのは驚きですね」(前出・テレビ誌ライター)
田舎っ子と都会っ子を自在に演じ分けしつつ、芯となる演技の部分で視聴者の心をしっかりと捉えてみせた稲垣。まだ小6の彼女が10年経って21~22歳になった暁には、「人気の若手女優」として芸能界で大活躍していることは確実ではないだろうか。
※トップ画像は©NHK