その次回予告に、思わず“ちむどんどん”(胸がドキドキ)した視聴者も少なくなかったことだろう。
7月1日放送のNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」第60回では、第12週の「古酒交差点」が完結。本編終了後の次週予告では、第13週「黒砂糖のキッス」のハイライトが映し出された。
そこでも相変わらず肉料理を焦がしたり、客に出す皿を手にスッ転んでしまうなど、料理人としての成長が見えないヒロインの比嘉暢子(黒島結菜)。またもやドタバタ劇を見せられるのかと視聴者が辟易するなか、一瞬だけ聞こえてきた声に、期待を高める向きもあったという。
「それは本日休業の張り紙が貼られた沖縄料理店『あまゆ』の前で、大野愛(飯豊まりえ)らしき女性が立ちすくんでいるシーンでした。そこに被さるように聞こえてきた『あきらめんのか、自分の幸せを』という声は、東洋新聞社の学芸部に勤める田良島デスク(山中崇)に違いありません。その田良島は、ネジの外れたキャラばかりが登場する本作において、数少ない常識人の一人。部下の青柳和彦(宮沢氷魚)や愛、そしてボーヤ(雑用係)のバイトに来ていた暢子を叱咤激励し、温かく接している人の出来た上司です」(テレビ誌ライター)
その飄々とした風体と、会社の上層部にも堂々と反論する男気の良さで、高い視聴者人気を誇る田良島。その彼が次週も登場しそうなことが分かり、本作から離脱しつつある視聴者を引き留める役割を果たしているようだ。
そんな「ちむどんどん」ではもう一人、再登場が望まれているキャラがいるという。そのキャラは東京ではなく、暢子の故郷である沖縄にいるというのだ。
「視聴者からの期待を一身に集めているのは、製糖工場の御曹司である喜納金吾(渡辺大知)です。彼は暢子の姉で比嘉家長女の良子(川口春奈)にぞっこんで、人柄は温和。結婚したら家具付きの家と自家用車を用意し、世界一周の新婚旅行を約束していました。長身なうえに見た目も悪くなく、普通なら文句なしの相手なのですが、良子は大学時代から思いを寄せていた教師の石川博夫と結婚。略奪愛に遭った金吾はその後、一度も登場していないのです」(前出・テレビ誌ライター)
せっかく意中の人と結婚したにも関わらず、夫の実家が典型的な男尊女卑なため、別居婚を選んでいる良子。そのイライラが募っているためか、再就職した小学校では生徒に厳しく当たってしまい、不登校を引き起こしてしまっていた。
5歳になる娘の晴海は、実家にいる妹の歌子(上白石萌歌)に任せっぱなし。結婚生活も仕事も思うようにいかないのはやはり、博夫との結婚が失敗だったことを表しているのではないだろうか。これでは金吾の再登場に期待が高まるのも当然だろう。
「ただ朝ドラファンのあいだでは、金吾が『片桐さん』になってしまうとの危惧が高まっています。その片桐(風間俊介)は、前作の『カムカムエヴリバディ』にて二代目ヒロインの雉真るい(深津絵里)を初デートに誘った弁護士の卵。二人はいい感じになったものの、るいが気にしている額の傷を見た片桐が呆気にとられた表情を見せたことをきっかけに、交際には至りませんでした」(前出・テレビ誌ライター)
その後、るいがトランぺッターの大月錠一郎(オダギリジョー)と幸せな結婚を果たしたこともあり、モブキャラ的な扱いに終わっていた片桐。作品の終盤では過去キャラが次々と再登場するなか、最後までその姿を見せることはなかったのである。
その例にならうと「ちむどんどん」の金吾もやはり再登場の可能性は小さそうだ。それでも多くの視聴者は良子が博夫と離婚し、金吾と再婚すればみんなが幸せになれるはずと確信しているに違いないだろう。
博夫の実家で離婚の話が出た時には、視聴者からも<そうだそうだ!><離婚したほうがいいぞ>との声が多数あがっていたもの。制作側にはぜひ、そんな視聴者の声を真に受けてほしいところではないだろうか。