なにわバードマンロスを悲しんでいる人たちに、少しだけ光明が見えたのではないだろうか。
11月14日放送のNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」第31回では、ヒロインの岩倉舞(福原遥)が両親に、パイロットになりたい夢を打ち明ける姿が描かれた。そこで描かれたとある場面に、視聴者が希望を見出していたという。
前週まで浪花大学の人力飛行機サークル「なにわバードマン」を中心に物語が展開していた本作。11月9日放送の第28回では舞がパイロットを務めたスワン号が琵琶湖の上を飛び、クライマックスを迎えていた。
その記録飛行を最後に先輩の3回生たちは引退。11月12日には部長の鶴田を演じた足立英が福原とのツーショ画像を添えて「岩倉!これからも夢に向かって舞いあがれ!疲れたらバードマン皆でタコパを催します」とツイート。その前日には西浦役の永沼伊久也が「私達の一年間にお付き合いありがとうございました」とつぶやくなど、なにわバードマンの部員たちが作品から退場したことを実感させていたのである。
「鶴田や西浦ら、なにわバードマンの部員たちは全員がキャラ立ちしており、視聴者の心をつかんでいました。それゆえ第6週とともに『なにわバードマン編』が終了し、部員たちが物語から去ったことに、多くの視聴者が大きな喪失感を抱いています。ところが今回、一部の部員が今度も物語に絡んでくる可能性が浮上したというのです」(テレビ誌ライター)
その根拠は前述した足立のツイートだ。そこでは「空さんも宮崎から呼ぶ。ありがとう!」と、“永遠の3回生”こと空山樹(新名基浩)の名前をわざわざ挙げていた。たしかに空山は大学を卒業したら故郷に戻ると宣言していたが、それを言ったら福岡出身の刈谷(高杉真宙)など大阪以外の出身者にも同じ可能性があるはずだ。
そしてもうひとつの根拠は、舞の母親・めぐみ(永作博美)が航空学校のパンフレットを開いていた場面。舞は航空学校に合格したら大学を中退するつもりで、航空学校のパンフレットを両親に見せていた。めぐみは「大学はちゃんと卒業してほしい」と言っていたものの、舞の夢に断固反対というわけでもなく、舞が持参したパンフレットをめくっていた。
「この航空学校は実在の航空大学校をモチーフにしたもので、パンフレットには《航空学校の本拠地は宮崎に置かれています》との記述も読み取れました。今後、パイロットを目指す舞は座学課程の4カ月とフライト課程の6カ月を宮崎で過ごすことになります。その宮崎にはまさに、なにわバードマンの先輩だった空山がいるのです」(前述・テレビ誌ライター)
作中では2015年3月まで時が進んでおり、4月から舞は2回生に、そして空山は4回生(実際は8回生)に進級。舞が航空学校に入学するであろう来年4月には、大学を卒業した空山が故郷の宮崎に戻っていることになる。
つまり舞は空山と時を同じくして、宮崎に向かうわけだ。果たして舞は宮崎で空山に再会するのか。ちなみに航空学校(航空大学校)の学生は寮生活ながら、外出は自由だという。どうやら「なにわバードマン編」はまだ、完全な終わりを迎えたわけではないのかもしれない。