このスリートップ起用に視聴者はすっかり魅入られていたようだ。
11月23日に行われたサッカーW杯1次リーグの「日本vsドイツ」は、日本の劇的な逆転勝利が世界中を驚かせることに。全試合生中継を行っているABEMAでは、1日の視聴者数が初めて1000万人を超えるという快挙も伝えられている。
そのABEMAでは「日本vsドイツ」の中継にて現地解説に本田圭佑、スタジオには中山雅史という豪華布陣で対応。それに加えて他のスタジオ出演者も絶妙な人選になっていたという。
「スタジオ出演者は中山のほか、ABEMA・テレビ朝日-FIFA ワールドカップ応援サポーターに就任した千鳥ノブが男性陣として登場。一方で女性陣は気象キャスターの貴島明日香を司会進行役に起用し、さらには日向坂46の影山優香とモデル・タレントの髙橋ひかるが出演。この布陣がベストメンバーだと視聴者から好評だったのです」(スポーツ誌ライター)
女性陣3人のうち、影山は言わずと知れた「アイドル界随一のサッカー通」であり、いまやサッカー専門番組にもばんばん出演している人気者。ABEMAの中継では全64試合のうち20試合以上に出演を予定しており、さらには「64試合全部見ます!」と宣言しているほどだ。
また髙橋は2017年に「第96回全国高校サッカー選手権大会」の応援マネージャーに就任しており、サッカー界ではけっこう知られた存在。今回はノブと同様に応援サポーターを務めており、応援にも熱が入っていたことだろう。
一方の貴島は決してサッカーに詳しいわけではないと自分でも認めているものの、今回はABEMA公式アナウンサーとしての晴れ舞台となった。気象キャスターからアナウンサーへとジョブチェンジしつつ、その司会者ぶりはとてもアナウンサー初心者とは思えなかったほど。そんな3人のケミストリーが番組を盛り立てていたというのである。
「貴島は気象キャスターの時から、ズバ抜けたルックスを備えつつも落ち着いたしゃべり口が魅力のひとつでした。今回も興奮する他の出演者をうまく盛り立てつつ、しっかりと進行しようと努めていた姿に好感が持てましたね。影山はサッカーの知識は自他ともに認める高いレベルにありますが、それをひけらかそうとはせず、適切なタイミングで豆知識を披露。サッカー界のレジェンドである中山や芸能界の大先輩であるノブを立てながら、自らもトークを回す“裏回し”の能力も発揮するなど、貴島との共同司会さながらの役回りをこなしていたのです」(テレビ誌ライター)
そしてもう一人見逃せないのが髙橋だ。発言を求められた際には「私じゃ何も言えない」とあえて引く場面もありつつ、自ら影山や中山に質問してみせることも。いわゆる「素朴な疑問」を何度となく繰り出していた。
同い年の影山を立てつつも、サッカー知識の少なさを卑下することもなく、自分と同じくらいの知識量の視聴者を代弁するような形で、素人なりの立ち位置をしっかりとキープ。そんな姿には、ほとんどの視聴者が好感を抱いていたことだろう。
「サッカーに限らずこの手の中継番組では、そのジャンルに詳しい人ばかりを集めても視聴者フレンドリーにはなりませんし、逆に素人ばかりを集めたら今度はマニアからそっぽを向かれてしまいます。今回の貴島×影山×髙橋という3人は絶妙な組み合わせで、ライトなファンもマニアも満足度が高かった様子。スポーツ中継におけるひとつの成功事例となった感すらあります」(前出・テレビ誌ライター)
どうやら貴島×影山×髙橋の起用は、森保一サッカー日本代表監督さながらの名采配だったようだ。