ラフ×ラフの3rdワンマンライブは、メンバーのアイデアが詰まったクリスマス仕様に!

ラフ×ラフ 3rdワンマンライブ

 9人組アイドルグループの「ラフ×ラフ」が12月24日、東京・有明TFTホールにて3rdワンマンライブを開催。8月の2ndワンマンライブでも好評だったコント企画をはじめ、メンバー考案の企画や演出を随所に織り込んだステージとなった。

 この日は昼公演としてファンクラブ限定イベントの「クリぼっちとは言わせない!クリスマスパーティ♪」を開催。続く夜公演の「クリぼっち大リベンジ祭り」が3rdワンマンライブとなった。本稿では夜公演の様子をレポートする。

◆機材トラブルにも臨機応変に対応した成長ぶり

 この日はクリスマスイブということもあり、サンタコスチュームに身を包んだメンバーによるメッセージ動画からスタート。この日限りの特別なメッセージに、これから始まるステージへの期待感が高まる。

開演前に円陣を組むメンバーたち

 メッセージ動画を終え、1曲目は3月にリリースしたデビューシングルの「100億点」をドロップ。とてもデビュー曲とは思えない高度なフォーメーションが特徴で、約9カ月の成長ぶりを感じさせるパフォーマンスで会場を一気に盛り上げていく。

クリスマスらしい映像と共にライブはスタートした

1曲目の「100億点」から会場はヒートアップ!

 続いてはグループとメンバー全員の自己紹介ソングである「9 revenge」。この日は活動休止中の林未梨が不参加となり、8人でのステージとなるなかで披露された「9 revenge」には“9人でラフ×ラフ”という強い意志が感じられた。

 この後のMCでも各メンバーが自己紹介をするなか、林の「1ミリ、2ミリ、3ミリ~!」という自己紹介フレーズをメンバーとファンが一緒に再現。メンバー間の絆やファンの想いが伝わってくる場面だった。

 そのMCでは自己紹介や意気込みを語りつつ、「100億点」と「9 revenge」の振り返りも。「9 revenge」ではヘッドセットマイクを使うことで両手が自由になり、日比野芽奈はメンバーがペンライトを2本使いしていたことに言及。「ラフ×ラフがイルミネーションになれていたら良いよね」と、クリスマスイブらしいコメントで会場を沸かせていた。

「9 revenge」ではペンライトの2本使いで幻想的な雰囲気を演出

 ちなみに一回目のMCでは、明らかにトークを伸ばそうとしている雰囲気が見て取れた。その理由は3日後の12月27日深夜に放送されたラジオ番組「佐久間宣行のオールナイトニッポン0(ZERO)」で種明かしされることに。実は舞台裏で機材トラブルが発生していたことを、ラフ×ラフ総合プロデューサーの佐久間氏が報告したのである。

 そのトラブルは客席最後方でラフ×ラフのパフォーマンスを見守っていた佐久間氏の活躍で見事にリカバー。詳しい内容はradiko等で番組を聴いていただくとして、佐久間氏は急な演出変更にも臨機応変に対応していたメンバーの現場力を称賛していた。これも2回のワンマンライブや夏フェス出演などを経て、ラフ×ラフが成長してきた証だろう。

佐久間氏のANNを聴いた人なら「この場面か!」と分かることだろう(※スクリーンがブルーに)。

◆サインボール投げなどメンバー考案の企画も目白押し

 続く3曲目には「サバ☆サマ!~Christmas ver.~」を披露。ここでさっそくメンバーがステージを飛び出して客席に繰り出し、サインボールをファンにプレゼントして回るという会場全体を巻き込んだパフォーマンスとなっていた。

 実はこの演出、メンバーの永松波留が考案したもの。ラフ×ラフの公式Youtubeチャンネル内で、メンバーのやりたいことプレゼン大会が行われ、それが実現する形となった。ボール投げ自体はよくある企画だが、客席に入る演出と組み合わせることで会場の随所にボールを届かせたのはナイスアイデア。女性客には手渡しするなど、メンバーの気遣いが表れていた。

「サバ☆サマ!」では客席に降りてボール投げする場面も。

 その勢いのまま、大喜利曲「考える時間をください~Christmas ver.~」へ突入。ラフ×ラフにとって初の音楽番組出演となった12月18日深夜放送の「プレミアMelodiX!」(テレビ東京系)でも披露した人気の楽曲に、会場のボルテージはMAXに到達だ。

 お題の1問目は「クリスマス何してるの?クリぼっちを隠すのに最適なウソを教えてください」というもの。トップバッターに指名された藤崎未来は「いやー、私外国住みだからさ、クリスマスとかないんだよね!」と回答。フィリピン生まれの藤崎ならではと言いたいところだが、そのフィリピンは国民の90%以上がクリスチャンという国。クリスマスがないはずないだろ!とファンは心のなかで突っ込んでいたに違いない。

今や代表曲となった「考える時間をください」でフロアが沸いた。

 2つ目は「サンタクロースがYoutubeチャンネルを開設しました。最初の動画の内容は?」というお題。ここで高梨結が回答者に指名されると会場がどよめく。高梨は1問目でも回答者になっており、予想外のお代わり指名だ。それでも彼女は「サンタクロースの長時間労働について、ワークライフバランスを考える」と現役大学生らしいインテリ感あふれる回答を繰り出し、客席からは笑いと感心の声があがっていた。

 ラストは「クリぼっちなラフり隊(ラフ×ラフのファンの愛称)へのプレゼント メロメロにしちゃう一言で盛り上げてください」という、アイドルセンスを問うお題に。これを受けてグループの可愛い担当を自称する日比野は「クリぼっちじゃないじゃん。会いに来てくれたからクリぼっちじゃない!偉いね。おいで。ぎゅーしてあげる!」と、目いっぱいの可愛い回答で観客を沸かせてみせた。

「考える時間をください」のエンディングでは日比野の寝そべる姿が印象的だ。

 MCを挟んでVTRがスクリーンに流れ始める。その内容は日比野が毎日綴っている反省ポエムについて。日比野はプロデューサー佐久間氏からの指示で毎日、反省ポエムをノートに綴っていた。その反省内容のディープさがメンバーやファンに大きな衝撃を与え、ネガティブという新たな個性でも注目を集めている。

 そんな紹介VTRを終え、5曲目に披露されたのが「ちょっと闇落ち~日比野反省バージョン~」。大喜利の時とは違うダークな雰囲気で魅力たっぷりに歌い上げた。

MCでは順番に衣替え。これは「100億点」衣装か。

「ちょっと闇落ち」では大人っぽい表情も魅力的だった。

 6曲目の「君がNo.1」は、おバカキャラの夏目涼風がセンターを務める曲。曲の途中で問題が出され、メンバーがガチで回答するという仕組みが特徴だ。この日も「Christmas」の読みや「Turkey」の意味を問う問題が出題され、夏目が今の気持ちを英語で伝える問題では、懸命に思いを伝えようとする姿に会場中が注目していた。

夏目のセンター曲「君がNo.1」で場がぱっと明るくなった。

◆コントパートは脚本勝負に、メンバー発案の自撮り演出も

 ここまでいかにもラフ×ラフらしい楽曲を続けて披露してきたなか、次のコーナーはお待ちかねの「コント」だ。8月の2ndワンマンでは「敗者復活地獄オーディション」を披露したが、今回も同じくリーダーの齋藤有紗が脚本を担当。スクリーンには「ギャル宮城」というタイトルが映し出された。

 客席からは「ギャルみやぎ?」と首を傾げる声も。実はこれ、浦島太郎をベースにしたコントで、竜宮城ならぬギャル宮城が舞台だという。このタイトルセンスからして、さすがは「面白い、面白い、み~んな面白い!」をキャッチフレーズにするラフ×ラフの面目躍如といったところではないか。

 配役は浦島太郎に日比野、亀役に吉村萌南。他のメンバーはギャル宮城にてアイドルデビューを控えたギャルに扮し、ツッコミどころ満載の会話を展開していく。

これが噂の「ギャル宮城」。亀をイジめる藤崎も実はギャルだった。

 コント前には齋藤が“公式鬼ぃちゃん”こと放送作家の上田氏と打ち合わせする様子をVTRで紹介。上田氏は「前回は大喜利やモノマネの要素があってその場でのミラクルやアクシデントが笑いになったけど、今回は脚本勝負」と、齋藤にプレッシャーをかける。

 緊張感も高まるなか、脚本兼演者の齋藤は随所で笑いを取るコントを見事に披露。コント後には「ラフり隊の皆さまに楽しんでもらえたら良かったなって思います。楽しんでもらえましたかー?」と会場に問いかけ、ファンは大きな拍手で応えていた。

ギャル宮城のギャルたち。一人だけスケ番が…?

 7曲目は「恋って線香花火みたい~ニセ取材に本気で答えた恋の歌~」。11月7日にYouTubeで発表された新曲で、プロデューサーの佐久間氏が「本当の気持ちとか君らが思っている恋愛を歌詞にしたかった」との狙いのもと、ニセ取材でメンバーそれぞれの恋愛観を聞き出して歌詞に落とし込んだ代物だ。

 すでにデジタルリリースはされているものの、人前での披露は今回が初めて。YouTube内で佐久間Pが「コンセプトはファンがライブで囃し立てて盛り上がる曲」と話していた通り、会場でも大いに熱気が高まっていた。

コントの後は「恋って線香花火みたい」でしっとりと。

 続く8曲目には、8月の2ndワンマンで初披露した「ラズベリーサイダー」を投下。メンバーのキュートで元気な歌唱に合わせ、ファンも「フォー!」との掛け声で盛り上がっていた。

 9曲目の「ワタシイロ光る」では、メンバーが自撮り棒を持ってステージから撮影したり、なかには客席の通路に入っていくメンバーも。これは公式YouTube内で吉村が発案した「みんなで一緒にMVを撮る!」というアイデアを実現したものだ。

 公式お兄ちゃんの東京ホテイソンにも素晴らしいと褒められたアイデアを実行に移したステージでは、メンバーのみならずファンの撮影もオーケーとなり、会場全体がお祭りムードに。ファンが撮った動画も後日回収し、ミュージックビデオになるという。

「ラズベリーサイダー」は華やかさ満点だ。

「ワタシイロ光る」ではメンバーが自撮り棒を使って撮影。この映像がMVになる予定だ。

「ワタシイロ光る」ではファンも撮影オーケーに。客席に降りてきたメンバーを至近距離で撮影できた。

◆誰もが知る有名企業とコラボ! 満員の客席に感動する姿も

 こうしてあっという間に時が経ち、吉村は「いろいろな企画が叶い、それを今日ここにいる皆さんと一緒に叶えられたのが嬉しかった」と喜びのコメント。ここで「以上、ラフ×ラフでした」と挨拶し、本編は終了した。

 アンコールを求めるファンからの熱いコールが続くなか、スクリーンに映像が流れ始める。画面には“ラフ×ラフを強烈に応援してくれている企業”の文字。そして誰もが知る「meiji」の企業ロゴが。なんと大手食品会社の明治が、ラフ×ラフとコラボするというのだ。

チョコレートでおなじみのブランド「明治」とのコラボが発表された。

 メンバーがオフィシャルTシャツ姿で登場すると、すべての働く人に送る応援ソング「クライアント」を初披露。スクリーンには歌詞が映し出され、「リアルに欲しいのは水曜休み」という箇所にうなづくファンも多かったことだろう。

 歌唱後には藤崎による「せーの」の合図に合わせて、会場全員で「meijiさん、ありがと~!」と大合唱だ。

すべての働く人に送る応援ソング「クライアント」ではスクリーンの歌詞にうなづくファンの姿も。

 ここでメンバーが一人ずつ、ライブの感想をコメント。永松は「まずこの会場に入ってからびっくりしたのが、めっちゃ人いるって思って…」と、ギリギリまでチケット販売に精をだした結果が表れたことへの感謝を伝えた。

 齋藤は「今まで過ごしたクリスマスイブ史上一番、人生の中で素敵なクリスマスイブを過ごさせていただきました」との言葉に続けて、「このワンマンライブで最後に思ったことがあるので皆さんに伝えます」と宣言。リーダーの言葉に会場全体が耳を傾けるなか、「来年はM-1と被りませんように!」と絶叫し、しっかりと笑いも取っていた。

TFTホール1000の広い会場を埋め尽くしたラフり隊(ファン)と万感の記念撮影。

 その後、大切でこれからも歌い続けたい曲として「Re:myself」を歌唱。さらにグループ初のダブルアンコールにも突入し、メンバーがサンタのコスチューム(佐々木は雪だるま、齋藤と藤崎はトナカイ)で登場して「laughing!」を披露だ。最後はマイクを使わずに肉声で「今日は、本当の本当に、ありがとうございました~!」と挨拶し、ラフ×ラフとのクリスマスイブは幕を閉じた。

アンコール2曲目には「Re:myself」をしっとりと歌い上げた。

ダブルアンコールはコスプレで登場! 佐々木楓菜は雪だるまになった。

藤崎未来はトナカイに。吉村萌南サンタより態度がデカそう!?

【セットリスト】

M01:100億点
M02:9 revenge
  (MC)
M03:サバ☆サマ! ~Christmas ver.~
M04:考える時間をください ~Christmas ver.~
  (MC)
M05:ちょっと闇落ち ~日比野反省バージョン~
M06:君がNo.1
コント「ギャル宮城」
  (MC)
M07:恋って線香花火みたい~ニセ取材に本気で答えた恋の歌
M08:ラズベリーサイダー
M09:ワタシイロ光る

EN1:クライアント
  (MC)
EN2:Re:myself
EN3:laughing!

ラストはクリスマスイブらしい出で立ちで決めてみせた。

持てるものすべてを出し切り、ファンに感謝の挨拶。

(取材:児玉瑞歩、山下恵里佳)