1月9日にスタートしたドラマ『プライベートバンカー』(テレビ朝日系)。主人公の凄腕プライベートバンカー・庵野甲一(唐沢寿明)は、富裕層を相手に資産管理や資産形成の助言を行う《マネーのプロフェッショナル》だ。
本作はその庵野が相続争いや愛人問題、裏金疑惑など、資産家一族に渦巻く“金”にまつわる数々の問題を、卓越した金融スキルと予測不能の多彩な手段で鮮やかに打破していく《痛快マネーサスペンス》。
キャストには唐沢のほか、庵野の助手となるだんご屋の社長として鈴木保奈美、外食業界大手の常務として土屋アンナ、さらにMEGUMIらの豪華キャストが名を連ねている。
そんな話題作にて、鈴木が演じる飯田久美子の娘・芹奈役でドラマ初出演を果たしたのが、1月31日に19歳の誕生日を迎える新進女優の秋好美桜だ。昨年3月に大型オーディションでグランプリを射止めたばかりの秋好は、果たしてどんな演技を見せてくれるのか。業界注目の彼女に今回、ドラマ出演の感想などを訊いた。
【秋好美桜 プロフィール】
あきよし・みお。2006年1月31日生まれ、18歳。宮崎県出身。身長153cm。
大型オーディション『bijoux AUDITION 2024』にてグランプリを受賞。芸能デビュー後は『Rakuten Girls Award 2024 A/W』出演や、NYLON JAPANの日替わり企画『365 ANNIVERSARY』での起用、ABC-MART×adidas『GRADAS』広告出演など活動の幅を拡げている。ドラマ『プライベートバンカー』ではドラマ初出演にして、地上波連続ドラマデビューを果たした。
◆母親役の鈴木保奈美さんにたくさん支えていただきました
――初のドラマ出演はどんなタイミングで知りましたか。
秋好美桜 マネージャーさんと打ち合わせをしている時に、ドラマが決まったよっていうのを突然知らされて、「え!」 ってなりました。
――出演が決まった時の第一印象は。
秋好 出演者の方たちが大御所の方々ばかりなので、芸能界に入って半年しか経っていない自分がその中に入っていいのかという不安がすごく大きかったです。
――出演が決まったことは誰に報告しましたか。
秋好 事務所の寮で一緒に住んでいるルームメイトに一番に報告しました。お母さんは、bijouxオーディションでグランプリを受賞したときには「嘘をつくな」と言われていたんですが、今回のドラマ出演については「そうなの、頑張ってね」という感じでした。お父さんは『東京ラブストーリー』を観ていた世代なので、「鈴木保奈美さんと共演するの!?」とすごくびっくりしていましたね。
――秋吉さんの演じる芹奈は、飯田久美子(鈴木保奈美)が社長を務めるだんご屋の娘。秋好さんから見て芹奈はどんな子でしょうか。
秋好 芹奈ちゃんは自分の家がおだんご屋さんで、学校に通いながら、おだんご屋さんで母親と一緒に働いています。鈴木保奈美さんの演じる母親がおっちょこちょいなのに対して、芹奈ちゃんはすごくしっかり者。勉強も得意な子で、周りからはクールに見られています。でも日常生活では女子高生らしい、あぐらをかいたりもするような子です。
――芹奈と自分で重なる部分や、逆にここは違うという部分をあげてください。
秋好 私も周りからクールに見られることが多いので、そこはすごく似ているかな。私も高校時代にアルバイトしていた経験があり、そこも共通点かなと思います。でも芹奈ちゃんは賢くて勉強が得意なんですけど、私はそんなことなくて(笑)。私のお母さんも結構おっちょこちょいで、自分もそっち寄りなので、芹奈が母親を支えている点ではちょっと違うかなと思います。
――芹奈を演じるうえで苦労した点は何でしょうか。
秋好 役の上では自分が母親を支えてあげないといけないんですけど、撮影の時には私自身が緊張してしまう部分がありました。そんな時、母親役の鈴木保奈美さんにたくさん支えていただきました。
――初のドラマ出演で苦労した点は。
秋好 映画に出演させていただいたこともありますが、ドラマのほうが撮影のスピードやテンポが早くて驚きました。それでも撮影を重ねていくごとに慣れていって、なんとかついていけるようになれたかなと思います。あと、声の小ささをずっと指摘されていました。ベテランの方々は腹式呼吸を使っていて、一緒にいるとすぐ分かるほどに声が響いていて、自分はもっともっと勉強しなきゃと思う部分でした。
――母親役の鈴木保奈美さんと初めて会ったときの印象は。
秋好 すごく綺麗な方で、本当に優しい人オーラみたいなのが溢れています。4日間ほどご一緒させていただきましたが、周りへの気遣いがすごくて、朝イチでお会いした時にはすぐご挨拶してくださったんです。撮影現場には階段とエレベーターがあるんですけど、自分の足で行けるところには階段を使ったりと、ちょっとした意識みたいのが目に見えて分かったので、自分もこういう女性になりたいなって思いました。
――大先輩であり、役の通り母親っぽくもある感じですね。
秋好 撮影初日に私がすごく緊張しちゃって、何回もミスしたことがあったんです。その時に保奈美さんが私の肩をさすりながら「大丈夫、大丈夫」って言ってくださいました。撮影待ちの間も「難しいよね」って寄り添ってくださり、おかげでリラックスできた場面も多かったです。
――演技面でも学べることは多かったのでは。
秋好 おっちょこちょいな母親役ということもあり、目線を泳がせたりする仕草とか一つ一つの行動の細かいところまで全部に演技が行き届いていて、学ぶことがたくさんありました。
◆皆さんとご一緒させていただいたことが大切な思い出です
――本作の主演である唐沢寿明さんとお話する機会はあったんでしょうか。
秋好 古いお家を借りての撮影の時に、ドアの鍵がくるくるって回しながらねじ込む形だったんです。すると唐沢さんが「こんなの見たことないよね?」と気さくに声をかけてくださいました。
――どなたか共演者の方と仲良くなったりしましたか。
秋好 おだんご屋さんで一緒に働いている重田千穂子さん(志穂役)と待ち時間で一緒になることが多く、朝イチの撮影では待ち時間に見た富士山がすごくきれいだったので、一緒に写真を撮ったりしていました。あと重田さんはすごく声が良くて、アドバイスをいただきたいですとお伺いしたんです。すると舞台を一回観に行ったほうがいいかもねとアドバイスもくださいました。舞台ってやはり、声を大きく張りますから。
――撮影現場での楽しかった思い出があれば伺いたいです。
秋好 唐沢さんが演じる庵野のオフィスで、唐沢さんと保奈美さんがすごい長セリフで掛け合いするシーンが思い出深いです。集中しているときの緊張と、終わったあとの緩和する一体感が素晴らしく、そんな皆さんとご一緒させていただいたことが大切な思い出ですね。
◆一つ一つの役に“自分”がある女優さんになりたい
――目標としている女優さんがいれば教えてください。
秋好 具体的に誰というのはまだないんですけど、幅広い役を演じている方だったり、人間性として軸がある女優さんや俳優さんが見ていて素敵だなと思います。自分もいろいろな役をやれて、だけど一つ一つの役に軸があるというか“自分”がある役者さん。そんな女優さんになりたいです。
――今後演じてみたい役があれば、ぜひ。
秋好 バスケットボールを長い間やっていて、体力には自信があるので、アクション映画に挑戦してみたい。映画『レオン』がすごく好きで、ナタリー・ポートマンさんが演じる12歳の女の子・マチルダを観て、自分もこういう役をやってみたいと思いました。あと、映画『ベイビーわるきゅーれ』(阪元裕吾監督)も殺し屋のお話で、アクションがすごいんです。これもアクションをやりたいって思うようになった作品の一つです。
――今後の目標について教えてください。
秋好 この業界に入ったきっかけは母親の推薦でしたが、様々なお仕事を経験させていただくにつれて、楽しさも難しさも感じるようになりました。まだまだ勉強中なので明確な目標は定まっていませんが、これかららどんどん実力を付けて、いろいろな仕事を経験するなかで、見つけられたらいいなと思っています。今はがむしゃらに頑張るだけです。
――最後に『プライベートバンカー』を観ている方に向けてのメッセージをお願いします。
秋好 まだ私のことを知らない人のほうが大半だと思いますが、このドラマをきっかけに、秋好美桜のことを少しでも知っていただけたら嬉しいです。頑張りますので、これからよろしくお願いします!
(取材:早川千鶴/取材協力:児玉瑞歩/撮影:仲西一成)