BLUEGOATSのダイナマイト・マリンが「曲の想い」をマンガで表すー4週連続特別企画 第4弾『ハローベイビー』

BLUEGOATSのダイナマイト・マリン

 4人組アイドルグループの「BLUEGOATS」(ブルーゴーツ)は“青春パンクアイドル”の名の下に、横浜アリーナを満員にするとの目標を掲げている。

「今を生きるということが一生青春」「あなたと私でBLUEGOATS」をコンセプトに、ファンと一体となった熱いライブパフォーマンスで魅せる彼女たちは、メンバー自身が楽曲の作詞を手がけることで、独特の世界観をつくりあげている。

 メンバーのダイナマイト・マリンはこれまで、アイドルに懸ける自らの覚悟や思いなどをマンガにしてX(旧Twitter)に投稿。そのマリンが今回、作詞を通じて楽曲に込めた思いをマンガに昇華させた。

 本サイトでは4週にわたり、彼女が発表してきたマンガを連載形式で公開。最終回となる今回は、未発表曲の『ハローベイビー』を題材にしている。「アイドルはみんなが思っている以上に、ファン一人一人のことを思っている」という気持ちが詰まった楽曲だ。

インタビューに応じるダイナマイト・マリン

 アイドルのライブ告知に対して「その日は行けなくて残念」といったリプを入れるファンは珍しくない。いわゆる“行けない報告”だ。それに対して、行けない報告はいらないと釘をさすアイドルもいたりする。

「そういうアイドルって本当は、目の前にいてほしいからそう言ってるのかも。私は“行けない報告”を見ると、今日のライブすごく良かったから、その場にいてほしかったなって思ったりします」

 ダイナマイト・マリンは彼女自身がかつて、アイドルのライブに通っていた立場。だからファン側の想いもよく分かるという。

「ファンの人から見たら、アイドルとファンの関係は『1対大勢』に見えると思うけど、私たちはそんなふうに思っていないよということを、この『ハローベイビー』では伝えたかったんです」

ファンと一体になった熱いライブで魅せるBLUEGOATS

 BLUEGOATSのライブに大勢のファンが足を運ぶなか、いま通っているファンの顔は大体、思い浮かべられるという。マリンはその一人一人のことを意識している。

「前回も言いましたが、特典会ではファンの方が悩みを打ち明けてくれたり、どんな想いでライブを観に来てくれるのかを打ち明けてくれたりします。そんな想いを知っているからこそ、ファン一人一人に対して思い入れがあるんです」

 ファンからは、BLUEGOATSの楽曲を好きな理由を教えてもらうことが多い。仕事や学校で辛い思いをしたときに刺さった。こんな背景があるからこの歌詞が心に沁みた。そういった話を聞くのだという。

「ライブ中も『あの人、この曲が好きだって言ってたな』などと思い出しながら、いつもよりちょっと多めに目を合わせてみよう、届いたらいいなという気持ちで歌っています。その人がいない日だったら、今日のライブにはいてほしかったなとか、このセトリ好きだろうなとか、そんなことを思うことはめっちゃありますね」

自らの想いを熱く語ってくれた

 マリンは自分がファンだったとき、ハロプロなど大きな規模のグループに通っていた。それゆえメンバーに自分を認知してもらうという期待は抱いていなかった。

 BLUEGOATSではグループとして大きくなりたいという気持ちは強く持っているものの、その分、ファン一人一人の顔がはっきりと見えなくなるかもしれないことへのもどかしさも感じている。

「“この人”のために歌っているのに、グループの規模が大きくなればなるほど、それがどんどん薄まっていくんじゃないのかなって思ったり。それはなんか難しいなって、最近はそれにモヤモヤしていて…」

 そんなアイドル側の想いとは裏腹に、なかには「わたし一人の応援なんか…」「自分なんて別にいなくても何も変わらない」と考えるファンもいることだろう。

 だがマリンは「全然そんなことはない」と強調する。

「ファンの人が、ライブに行けなかったことをすごく悔しがっている姿を見ることが多いんですよ。すごく親身になってくれているからこそ、一つ一つのライブにはいろんな人の『行きたかった』っていう思いが詰まっていると思います」

 そういったファン一人一人の想いやパワーが結集することで、BLUEGOATSが目指す横浜アリーナ公演といった大きなライブに繋がっていくはずだ。

デビュー以来の盟友、ほんま・かいな

 一方では、いつか横浜アリーナ公演が実現したときにも、突発的な理由でライブに行けないという例はどうしても出てくることだろう。

「もし来れなかったとしても、私たちがここに立つことができたのは『あなたがずっとここで応援してくれたからだよ』っていう強い気持ちを持ってステージに立ちたいと思っています」

 それほどまでに、ファンのことを思いながら活動しているBLUEGOATS。ステージからはファンのことがどれくらい見えているのだろうか?

「けっこうハッキリ見えてます。会場にもよると思いますけど、前列のほうしか見えないなんてことはないですね。BLUEGOATSではファンと目を合わせて歌うことが多いので、余計にハッキリ見えるんだと思います」

2022年の3rdワンマンライブで加入したソンソナとももう3年の付き合いになる

 それもあってか、ファンからは「レスくれてありがとう!」と感謝されることも多いようだ。

「いや、レスじゃないんだけど。って思っちゃうんですよ(笑)。ファン一人一人のことを思いながら歌っているから、結果的にそれが『レス』みたいになっているだけで」

 このように、ファンとの関係性を大事にしているBLUEGOATS。だがマリンは、決して無理はしないでほしいとの考えを持っている。

「ひとつのライブに行けなかったことですごく悩んじゃう人もいたりするんです。その想いは嬉しいけど、みんなが苦しまずに来られる場所になったらいいなという想いもあります。ライブに来ることが“義務”になっちゃうのがイヤなんですよ」

「ファンの人がそれで苦しむんだったら、歌っている意味がないというか…。もちろんファンの方が私たちのことをすごく思ってくれているので難しいなって思いもありますが、距離が近いからこそ良くない部分もある時はあるなって思います」

 正論ではあるものの、ファンに支えられているアイドルの立場としては、なかなか口に出しづらい言葉でもある。だがマリンは、自分がアイドルという職業を選んだからこそ、ファンに対しても伝えるべきことはしっかり伝えたいと考えている。

「アイドルをやっていて失敗することもいろいろあるけど、それも含めて今の自分があるのかなと思ったりもして。アイドルとは違う選択肢を選べばよかったと思ったことはないですし、アイドルをやっている自分のことが一番好きだから、アイドルを続けているんです」

同じくオリジナルメンバーのチャンチーと

 高校生のころからマリンは、ハロプロをはじめとする様々なアイドルオーディションに応募しては、落ち続けてきた。卒業後には工場で働くようになり、辛い思いをしながらアイドルを心の支えとして暮らしてきた。

 もしハロプロに受かっていたら、ほかのオーディションに受かっていたら…。そんな風に考えたことはなかったのだろうか?

「アイドルになりたくてもなれなかったときはそう思っていましたけど、今はないですね。むしろ苦労して回り道したことが逆に良かったなって思ってます。そんな自分だからこそ言えることがあるし、もし自分が順風満帆な人生を送っていたら、ライブでこんな想いを口に出すこともなかっただろうし」

 そんなマリンがこう、言葉をつなぐ。

「むしろ、みんなが私を選ばなかったことを後悔するぐらいのアイドルになってやる。そんな気持ちでBLUEGOATSをやっています」

 そんなアイドルに向けて今後、マリンそしてBLUEGOATSはどんな方向を目指していくのだろうか。

「私たちのライブでは気持ちの部分が大きくて、熱い気持ちが好きって言ってくれる人が多いです。でもそれだけじゃなく、ちゃんと実力も付けたい。私が憧れていたアイドルって歌が上手いうえに強い気持ちを持っていて、ちゃんと実力があったなって思います」

「自分には歌が一番優先というか、ちゃんと人の心に響くような歌を歌えるようになりたい。自分の歌で誰かの心を動かせるようになればいいなという想いが強いです」

マンガと歌は自分にとって同じ、と語る

 その想いと並行して、漫画を描くことにも力を入れているマリン。彼女にとって漫画を描くことはどんな意味を持っているのだろうか。

「私は普段、思っていることを言葉にしないことが多いので、怒りとかいろんな感情を漫画にすることで救われるというか、形は似てないけどライブと一緒な部分もあります。ライブのMCだとけっこう、思ったことを言えることが多いので、漫画もそれと同じ感じ。普段は言えないことを発信できる大事な場所です」

 そんな口下手なマリンもBLUEGOATSで活動していくなか、少しずつ変わったことがある。それは以前よりもしゃべるようになったことだ。

 最も仲の良い友達は小学校から高校、そして工場で働いているときもずっと一緒。何年もかけて仲を深めていったという。

「本当に期間が大事というか、メンバーとも一緒に過ごしてきた時間が長いからこそ、よくしゃべれるようになったと思っています。アイドルってけっこうすぐ辞めちゃいがちじゃないですか。でもいまの3人(ほんま・かいな、ソンソナ、チャンチー)はずっと一緒にいてくれて、それがすごい大きいなって思います」

 だからといって、ファンの側にも“期間の長さ”を求めているわけではない。

「ファンの方に対して“古参”っていう言葉を使ったことがなくて、あまり好きじゃないというか。もちろんずっと応援してくださっている人の気持ちはすごく大事にしていますが、やはり“今が一番大事”という気持ちでやっているので、いまどれくらい好きでいてくれているかが大事です」

©ダイナマイト・マリン

©ダイナマイト・マリン

©ダイナマイト・マリン

©ダイナマイト・マリン

 6月8日には、ダイナマイト・マリンの描いたマンガが書籍化されることを記念するイベント「MANGA×LIVE」が東京・下北沢club251で開催(開場17:30/開演18:00)。未発表曲の『ハローベイビー』など、今回の連載で紹介した楽曲はすべて披露される。

「本を出すなんて想像してなかったです。出したいと思ったこともなかったけど、自分が書いたものを見てくれる人がいるってことがまず嬉しいし、『本になるなら絶対買うよ』と言ってくれるファンの人もいて、形になって残ることは本当に嬉しいことだと思います」

漫画発売記念イベント『MANGA×LIVE』

 最後にマリンは、BLUEGOATSに興味を持ってくれた人たちに、こう語る。

「ライブでは私たちとファンが一緒に歌うことが多いんです。それは音源を聴くだけだったり、動画を観ているだけではできないことなので、ライブに来てもらえたらわかるんじゃないかな。やはり一緒に歌えるところが私たちの魅力だと思うので、ぜひライブに来てください!」

(写真:すずき大すけ)

【ダイナマイト・マリン プロフィール】
3月14日生まれ、群馬県出身。
身長 146.7cm、O型、うお座。
2021年11月に結成されたアイドルグループ「BLUEGOATS」のオリジナルメンバー。
公式X @marin_aoyagi
公式インスタグラム @marin.aoyagi

BLUEGOATS公式サイト:https://bluegoats.jp/