上白石萌音、3分半の長台詞で示した英語力の注目ポイント!

 上白石萌音の英語力はやはり本物だった! 12月9日放送のNHK連続ドラマ小説「カムカムエヴリバディ」で披露した流ちょうな英語に、多くの視聴者が驚きを隠せなかったようだ。

 上白石が演じるヒロインの安子は、出征した亡夫の稔に勧められ、NHKラヂオ講座「實用英語會話」で英語を勉強。夫が戦死した後も英語を学び続け、その英語力を活かして進駐軍のローズウッド将校の知己を得ていた。

 クリスマスの日におはぎの行商に出かけるも売れ行きが悪く、途方に暮れていた安子。するとローズウッド将校が通りかかり、進駐軍のオフィスに招かれることに。そこで安子は英語を学び始めたきっかけについて語り出したのである。

 安子はまず「For me, to study English was to think of him.」(私にとって英語を勉強することは夫を想うことでした)と説明。しかし「But, the war destroyed everything.」(戦争がすべてをめちゃくちゃにしてしまった)と語り、亡き夫に思いを馳せていた。

 稔が前線に出征する一カ月前に結婚した安子は、夫がいない間に女児を出産。国内で禁じられた英語の子守歌を歌いながら娘を育て、稔の願いがどんな国の歌でも自由に歌えるような世界だったことを、ローズウッド将校に明かしていたのである。

亡夫の稔について話すうち感情が高ぶった安子(上白石萌音)。英語と演技の両方が結実したシーンだ。「カムカムエヴリバディ」公式ツイッター(@asadora_bk_nhk)より。

 しかし稔は戦死。それまでの努力や知識が海に消えたことを嘆きつつ、それでも自分が英語の勉強を続けていることに疑問を抱き、安子は「あなたは私のような市民を助けるためにここにいるんでしょう?」(You are here to help citizens like me, aren’t you?)とローズウッド将校に問いかけたのである。

「これらの長台詞に視聴者はびっくり。流ちょうなことはもちろん、英語の台詞を話しながら感情をむき出しにし、涙まで流してみせた上白石の演技力に驚きを隠せなかったようです。もとより帰国子女でもあり、明治大学でも英語を学んでいた彼女の英語力が高いのは当然ですが、視聴者としても彼女の英語から学べる部分が大きいのではないでしょうか」(アメリカ在住経験を持つライター)

 ネイティブなアメリカ人は早口すぎるうえに子音の転換や脱落も多く、非ネイティブには聞き取りづらいもの。それに対して上白石の英語は流ちょうながら、日本人にも聞き取りやすいのが特長となっている。それでいて、英語圏の人にも確実に届く英語になっているというのだ。

「特筆すべきは発音の良さ。《war》や《girl》など日本人が単に『アー』と発音しがちな母音の発音が秀逸です。子音も《month》や《nothing》の『th』を着実に発音。よく“舌を噛むようにして発音”と教えられる『th』ですが、むしろ舌と歯の隙間から漏れ出る“摩擦音”であることを意識したほうがよく、上白石も舌を噛んでいないことが見て取れますね。ほかには《for》や《before》も、彼女は『フォァ』『ビフォァ』と発音。アメリカ英語では最後に発音記号の“r”が付き、それをキッチリと発声しているのは流石です」(前出・ライター)

 そんな英語上手の上白石が、歌手としても高い実績を持つことはご存知の通り。洋楽を歌真似していると<聴こえた通りに発音するクセ>を身に付けやすく、発音の向上が見込めるという。

「もし『カムカムエヴリバディ』を録画しているのならば、彼女の英語台詞を真似してみるのもいい手でしょう。しゃべるスピードがゆっくりめなので、真似するのはさほど難しくないはず。そうすればちょっとした間の取り方や、語末の伸ばし方などが実感できるはずです」(前出・ライター)

 今後の放送回でもぜひ、上白石の英語を聞いてみたいという視聴者は少なくないことだろう。