3月13日に最終回を迎えるドラマ「真犯人フラグ」(日本テレビ系)が話題だ。先の読めない展開を“考察”することで視聴者の興味をかきたて、放送のたびにツイッターなどのSNSを大いに賑わせている。
そんな「真犯人フラグ」は出演キャストたちにとっても美味しい作品になっているという。誰が「ヒロイン」なのかいまいち不明瞭な立て付けながら、二宮瑞穂役の芳根京子にせよ、菱田朋子役の桜井ユキにしても、その演技力がさらに注目されることに。そして本作の出演で評価を爆上がりさせたのが、生駒里奈と香里奈の2人だというのである。
「2018年に乃木坂46を卒業した生駒は舞台での活躍が多く、ドラマは同年の『星屑リベンジャーズ』(名古屋テレビ・ABEMA)にレギュラー出演した以外は、単発での出演に留まっていました。それが『真犯人フラグ』では準レギュラー的な本木陽香の役を担うようになり、狂気を秘めたストーカー気質の女性という難しい役どころを熱演。警察に逮捕された第16話では阿久津刑事との熱い格闘シーンが話題になったものです。留置場に入ってからも秋田弁で『ばしこぎがぁ!』(嘘つきがぁ!)と叫びながら鉄格子に頭を打ち付けるなど、元アイドルのイメージを完全に払しょくする怪演で視聴者を魅了しています」(業界関係者)
そして香里奈も、主人公の息子を誘拐した容疑で逮捕される“バタコ”こと木幡由美の役を熱演。溺愛していた息子を交通事故で失くしてしまい、それを機に家族はバラバラに。亡くなった息子は冷凍保存し、しまいには夫と義母を相次いで殺害するというモンスターぶりを発揮していた。
その香里奈も一流モデルとして活躍した過去があるほか、2014年には私生活のはしたない写真が週刊誌に掲載され、それまでの正統派イメージが崩れることに。そこからモデルとしても女優としても不遇な時期を過ごしてきたが、今回の悪役ぶりでしっかりと脱皮することに成功したようだ。
「そんな生駒と香里奈に共通しているのが、今後の活躍も期待できそうな点です。女優ならヒロインを目指したいところですが、どんな作品でも基本的にヒロインは1人だけ。狭い門なことに加えて次々と若手女優が台頭していることもあり、その枠を狙い続けるのは非効率だとも言えます。その一方で二人は今回の“怪演”が評価されたことにより、制作側としても《次はこんな役をやらせてみたい》と様々な役柄をオファーしやすくなったはず。かつての栄光よ再びとばかりに正統派を目指すよりも、怪演を機に悪役も辞さない名バイプレーヤーとしての存在感を示すことで、息の長い女優になることができるのではないでしょうか」(前出・業界関係者)
視聴者が考察し続けている「真犯人」の可能性はおそらくなさそうな生駒と香里奈だが、女優としての今後の活躍に、先行き順調のフラグが立ったことは確実なようだ。
(浦山信一)