【カムカムエヴリバディ】アニー・ヒラカワは岡山出身?それでも彼女が安子ではないワケ

 ここで「岡山」の地名が出てくるとは! 意表をつかれた視聴者も多かったようだ。

 3月28日放送のNHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」第103話では時代が2001年3月へと進み、条映太秦撮影所にてハリウッド映画「サムライベースボール」の出演者オーディションが開催されることとなった。

 同オーディションにはキャスティング・ディレクターとして、日系アメリカ人のアニー・ヒラカワ(森山良子)が参加。かつて視察団の一人として京都を訪れた際、ヒロインの大月ひなた(川栄李奈)と“2年後に戻ってくる”との約束を交わしていたが、その言葉通りに戻ってくる形となった。

 そのアニーが終盤、今回のオーディションに同行していた甥のジョージ(ハリー杉山)から、なんとも気になる言葉を投げ掛けられていたのである。

「ジョージはアニーに『ほんとに岡山に行かずに帰っていいの?』と質問。『前回も行かなかったんだろ』と続けており、どうやら2年前の来日時にも岡山まで足を延ばすかどうかで悩んでいたようです。しかし作中ではこれまでアニーと岡山の関係は描かれておらず、ここでいきなりその地名が出てきた形。これを受けて視聴者のあいだでは、《やっぱりアニーが安子なのでは!?》との声が噴出しているのです」(テレビ誌ライター)

アニーと甥のジョージ。二人が一緒に来日したことにも意味があるのか。トップ画像ともに©NHK

 安子とはひなたの祖母にあたる雉真安子(上白石萌音)のこと。岡山出身の安子は昭和26年に娘のるい(深津絵里)を日本に置いて、進駐軍将校のロバートと共に渡米していた。それ以来、日本の実家とは音信不通となっており、るいがアメリカに母親を探しに行った時にも手掛かりは見つからないままだった。

 一方でハリウッド視察団の一行としてアニーが来日した際には、その名前が<安子→あんこ→アン→アニー>と連想できることから、彼女こそが安子ではないかとの考察が続出。年齢的にも大正14年(1925年)生まれの安子と同世代に見えることもあり、今回「岡山」という地名が出てきたことで、<アニー=安子で決まり!>との声もあがっているようだが…。

「岡山と縁のあることが分かってもなお、アニーは安子ではないと思われます。彼女はおそらく、戦後にNHKラジオの『カムカム英会話』を担当していた平川唯一氏の係累でしょう。その平川氏は岡山県生まれで、16歳で渡米するまでに岡山で育ちました。アニーはおそらく平川氏の思い出に触れるため、岡山を訪れたいのではないでしょうか」(前出・テレビ誌ライター)

 それに加えて、甥のジョージを同行している点もまた、彼女が安子ではない間接的な証拠になるというのである。

「ジョージ役にハリー杉山を起用したのは、彼もまた日系人であることを示すためでしょう。一方の安子ですが、兄の算太は日本にいたためアメリカに彼女の兄弟姉妹はおらず、そもそも甥が生まれることはありません。それに夫・ロバートの甥であれば、日系人にはならないはず。そのためアニーに日本の血を引く甥がいるということは、彼女が安子とは別の人物であることを示していることになります」(前出・テレビ誌ライター)

 なお、ロバートの兄弟姉妹が日本人と結婚していれば、日系人の甥が生まれる可能性はある。果たしてアニーの正体は誰なのか。残り9回のなかで判明することが望まれるというものだ。