ラフ×ラフのデビュー2周年ライブは満員の会場でリベンジ果たす!メンバー自作の衣装やオリジナル楽曲で新機軸を提示

ラフ×ラフ 2nd Anniversary LIVE AKO〜あかるくカワイく面白く!〜

 8人組アイドルグループの「ラフ×ラフ」が3月9日、東京・品川インターシティホールにて2周年ライブ『ラフ×ラフ 2nd Anniversary LIVE AKO〜あかるくカワイく面白く!〜』を開催した。

 オープニングは、各メンバーがライブでの公約を発表するVTRからスタート。「念願のコント」や「挑戦したものを披露する」など、いかにもラフ×ラフらしい公約に観客の期待はいやがうえにも高まった。

 ライブは3rdデジタルシングル曲の『laughing!』でスタート。笑うことで自ずと幸せになれるという、人間ならではの業を込めた曲に、会場はさっそく多好感に包まれる。

ラフ×ラフ2周年ライブ

 シフォン感のあるメンバーカラーに沿った衣装は、広がりのあるチュール素材が見える袖と、3段でボリュームのあるティアードスカートが印象的。2周年ライブというおめでたい場に、さらなる彩りを加えている。

「3年目もラフ×ラフのことを好きでいてくれますか?」との問いには、ファンも「イェーイ!」の大歓声。これまで重ねてきた2年間の頑張りが結実した形だ。

メンバーカラー別の衣装が映える

 2曲目にはデビュー曲の『100億点』をドロップ。「もっと声出せー!」というメンバーの煽りに、ファンは激しいコールで反応。会場はさらなる熱気に包まれた。

 3曲目の『ドラマみたいに言わなきゃ』では、「私だけ見ててハート」や「炙りカルビ炙りカルビ」というセリフで会場を沸かす。面白さを持ち味のひとつとするラフ×ラフらしさが全開だ。

◆各メンバーが満席の会場に感謝の気持ちを披露

 ここで最初のMC。夏目涼風が「2年間の集大成。最後まで過去イチの声出せる準備できてますか? 盛り上がっていきましょう!」とファンを煽れば、佐々木楓菜は「満員の観客の皆さん、お待たせしました。最高の一日にしましょう!」と、チケット完売の客席に万感の想いを込める。

 続いて日比野芽奈は「明るく・可愛く・面白い私たちが、皆さんのことを楽しく笑顔に幸せにします」と、ツアータイトルの“AKO”を絡めながらアピール。高梨結は「2周年をみんなと迎えられてとっても嬉しいです。最高に盛り上がっていきましょう」とストレートな想いを吐露だ。

 吉村萌南は「2周年を迎えられること、当たり前じゃないと思うので、この喜びを噛み締めて楽しんでいきたいと思います」との感謝を口に。ちなみにライブの翌日には大学卒業が決まったことを報告していた。リーダーの齋藤有紗は「昨日はR-1をリアタイできたので元気いっぱいです。みなさんも元気いっぱいにいきましょう」と、お笑い番長らしさで笑いを誘う。

 藤崎未来は「3年目の始まりをみなさんと一緒に過ごせて幸せです。今日は素敵な1日にしましょう」と緊張しつつも笑顔でコメント。そして永松波留は「2周年記念と共に3年目のスタート、最高に楽しんでいきましょう!」と、早くも未来を見すえていた。

完売の客席はペンライトで埋め尽くされていた

 そんなメンバーたちは満員の客席を見ながら、口々に「嬉しい」との声をあげる。この品川インターシティホールは2023年8月11日に2ndワンマンライブを開催した思い出の場所。その後、2024年3月9日には東京・GARDEN 新木場FACTORYにて1周年ライブを開催するも、いずれも完売とはならず、悔しさを味わってきた。

 それゆえ今回のライブでは「完売」「リベンジ」をテーマに、メンバーそれぞれが満員に向けて様々な努力を重ねてきた。それが実を結び、チケット完売が発表されたのはライブ前日のこと。Xのポストで喜びを爆発させていたメンバーたちは、満員になった会場を自分の目で確認しながら感動と達成感を覚えていたに違いない。

 そんな記念すべき2周年ライブを彩るのが、メンバーが身に付けている新衣装だ。後ろだけが長い“フィッシュテールスカート”になっており、その長い部分を取り外しできる仕様にはファンから一斉に「可愛い~」との声があがる。メンバー自身からも「みんなアイドルだ♪」と喜びの声が続出。新たなアクセサリーも見どころとのことで、ステージは華やかさに包まれていた。

◆おなじみのコントは二幕に分けてパフォーマンス

 MC後はリーダーの齋藤が公約に掲げていた「コントコーナー」に突入。内容は「伝言ゲーム」で、翌日に卒業式を控えた学校のホームルームが舞台だ。

 この伝言ゲームで傑作だったのは3つ目。「卒業しても先生のこと忘れないでね」でスタートしたはずが、途中でなぜか“シチュー”が加わり、最終回答は「そんな色の馬はいません」に。「もういいよ!」で締めくくったところでコントは終了。M-1グランプリでベストアマチュア賞を受賞した実績を持つ齋藤らしさが発揮された一幕となった。

 ここからはペンライトでのパフォーマンスが華やかなな『9revenge』、一転してダークで大人びた曲調の『ちょっと闇落ち』、そしてフラメンコやEDMの要素を取り入れたアッパー曲の『超めっちゃ”キュン”でしょ』と畳みかけ、ラフ×ラフの幅広さを示すことに。

 続いてはコント第二幕となる「犬連れていきたい」のコーナーに突入。以前のライブでコント企画の尺が長すぎるとプロデューサーの佐久間宣行氏から指摘されたことを受け、齋藤がコントを2作に分けてきた形だ。

 内容は、メンバーそれぞれがライブのステージに犬を連れていきたいと主張。その方法をアピールし合うなか、「前列に預ける」というアイデアから客席いじりに発展するというもの。

 そこから、犬を連れてきても良いかの可否をファンに決めてもらうことになり、客席からは「はーい!」の声があがるも、ファンはメンバーを全肯定するとの理由で却下。最後は「猫もダメ」という結論で、コントコーナーはシュールに終了していた。

◆藤崎未来デザインのオリジナル衣装にメンバーも感動!

 コント明けは『君がNo.1』と『ラズベリーサイダー』を披露してから、スクリーンにて「藤崎未来 アイドル衣装制作プロジェクト」のダイジェスト動画を上映。グループの公式YouTubeチャンネルで展開されてきた企画で、藤崎がそのオリジナル衣装を着用して登場すると、他のメンバーから一斉に「可愛い!」の嬌声があがる。

自作のオリジナル衣装に満面の笑みを見せる藤崎未来

 その衣装のまま『かわいいスイッチ』を歌唱。本来は永松のセンター曲だが、この日は藤崎がセンターを務める特別バージョンで披露だ。藤崎お手製のオリジナル衣装では胸元にスパンコール生地の青いリボンが目立ち、雲を連想させるようなスカートにはクマ(名前は純粋=ピュア)のぬいぐるみも縫い付けられ、ファンシーさ満点だ。

 この場面に、衣装制作をサポートした衣装デザイナーのたーにー。氏はライブ後、「藤崎さんの衣装お披露目はドキドキでしたが完成までの沢山の過程を思い出して感動でした」とポスト。「久しぶりに衣装お披露目で泣いた。。」とも綴っており、藤崎の挑戦は大成功に終わったと言えるだろう。

藤崎をセンターに『かわいいスイッチ』をパフォーマンス

 終盤戦では『クライアント』に続いて、代表曲の『考える時間をください』をドロップ。曲中でメンバーが大喜利を行う。ラフ×ラフの魅力が全開の楽曲だ。

 ひとつ目のお題は「家族全員職業万引きGメン。何が起こる」で、夏目の回答は「家族みんな自分の分じゃないご飯を食べちゃう」というもの。どうやら“Gメン”の意味を取り違えたらしく、そういった迷回答もまたこの曲の魅力となっている。

 ほかにも「このチャットGPT 中身人間だろ なぜそう思った」とのお題に、齋藤が「大学生が運営しているので、就活っていう言葉入れると焦る」と答えれば、高梨は「大学生が運営してるので、1限って打つとサボれって書いてくる」と回答。前の回答に被せてくるあたり、お笑い面も鍛えられているラフ×ラフらしさが発揮されていた。

 次の『恋って線香花火みたい~ニセ取材に本気で答えた恋の歌~』ではメンバーがバルコニーから登場。そして『パッパッ』では客席内に用意されたお立ち台に登って、ファンに囲まれた状態でパフォーマンス。客席後方のファンも大満足の演出となっていた。

バルコニーに登場して会場を立体的に使っていた

 本編ラストのMCでは「前回埋められなかったこの会場を今回埋められることができて嬉しいです」と、正直な気持ちを吐露。『Re:myself』を歌いあげる背景にはグループ結成からの2年間をまとめた映像が映し出され、その姿に落涙するファンの姿も見られた。

◆佐々木楓菜のオリジナル曲を披露、正式リリースも決定!

 そして迎えたアンコール。スクリーンには公式YouTubeチャンネルで展開された「佐々木楓菜の作詞作曲プロジェクト」の模様が映し出される。佐々木がアカペラで作った『求キュン』(仮題)が、完成版の新曲『君ときゅんと♡』となって初披露だ。

 メンバーは私服風のワンピース衣装で登場。この衣装も佐々木がメンバーそれぞれに似合うものを考えてプロデュースしたという。初披露ながら客席からはコールも沸き起こり、佐々木は「すごい緊張したんですけど、(ファンの)みんながコールとか覚えてくれてたくさん大きい声で掛け声してくれて嬉しかったです」とニッコリだ。

 ちなみにこの『君ときゅんと♡』、音源の段階では高梨が低音パートを、佐々木が高音パート(主旋律)を歌ってハモるという構成。だが今回、高梨が「どうしても高音しか歌えない」ということで、急遽、佐々木が低音パートを担当。今回限りの構成になったという。

 佐々木のアカペラを実際の楽曲に仕上げた作曲家の遠藤ナオキ氏は、ライブ後に「メンバーみんな輝いてて解き放たれてて感動の一夜、ありがとうございました」とポスト。プロも感心する完成度の楽曲を作った佐々木の想いが報われた一夜だったことだろう。

アンコールで佐々木楓菜のオリジナル曲『君ときゅんと♡』を披露

 ここからのMCでは永松が「アイドルでいる限りファンの方がいてくれないと活動できない」としたうえで、会場に足を運んでくれたファンのおかげで完売満員になったと感謝。そんなファンに対して「元気を与えられたらなと思う一心で活動を続けております」との想いを口にした。

◆完売満席の次を見据え、3年目は「勝負の年」に

 そしてライブは最終盤に突入。『ワタシイロ光る』でファンへの想いを歌いあげたうえで、最後はアゲアゲチューンの『サバ☆サマ!』で会場はヒートアップ! ここでは撮影がOKとなり、メンバーも客席に用意されたお立ち台に代わる代わる立っては四方八方にレスを送っていた。

アンコールでは撮影OKとなり、お立ち台で歌うメンバーにスマホやカメラが向けられた

 すべての楽曲披露が終わり、最後はメンバー一人一人が挨拶。口々にファンへの感謝を伝えていた。「明るく可愛く面白く」と、ライブタイトルの“AKO”にちなんだコメントもあれば、3年目を迎えられたことを喜ぶ声も続出だ。

 これまでの雪辱を果たしたチケット完売に「素敵な景色を見れたことがとても嬉しい気持ちでいっぱい」と喜ぶ一方で、「これからが勝負の年」「満員にするって簡単じゃない」などと気を引き締める言葉も聞かれた。

 最後はマイクを通さずに肉声で、客席の後方まで届く大きな声で「ありがとうございました」と声を合わせ、頭を下げたメンバーたち。満員という大きな目標を達成したいま、当初から掲げている日本武道館という目標に向けてひた走るラフ×ラフの成長に、ファンも期待をより高めたに違いないだろう。

満員の観客に向けて肉声で「ありがとうございました!」と挨拶

【セットリスト】
Overture
M01. laughing!
M02. 100億点
M03. ドラマみたいに言わなきゃ
MC
コント「伝言ゲーム」
M04. 9revenge
M05. ちょっと闇落ち
Mv6. 超めっちゃ”キュン”でしょ
コント「犬連れてきたい」
MC
M07. 君がNo.1
M08. ラズベリーサイダー
M09. かわいいスイッチ
MC
M10. クライアント
M11. 考える時間をください
M12. 恋って線香花火みたい~ニセ取材に本気で答えた恋の歌~
M13. パッパッ
MC
M14. Re:myself
<アンコール
M15. 君ときゅんと♡
MC
M16. ワタシイロ光る
M17. サバ☆サマ!
MC

後方まで埋まった客席を背景に記念撮影

【『君ときゅんと♡』リリース決定!】
メンバーの佐々木楓菜が作詞・作曲を手掛けた『君ときゅんと♡』が、3月29日にリリース決定。リリースイベントも4月5日(土)に埼玉県内、4月19日(土)に東京都内で開催予定だ。ほかオンライン特典会も実施予定。詳細は後日発表される。

後列左から吉村萌南、高梨結、齋藤有紗、藤崎未来。前列左から日比野芽奈、夏目涼風、永松波留、佐々木楓菜

(取材:南菜々子/画像:公式提供)