【ミステリと言う勿れ】だから門脇麦だったのか!ライカ役の神演技に視聴者震撼

 この演技を見せつけられた日には、文句をつける視聴者も激減したに違いないだろう。

 3月7日に放送された月9ドラマ「ミステリと言う勿れ」(フジテレビ系)の第9話では、新米刑事の風呂光聖子(伊藤沙莉)が、謎の女性・ライカ(門脇麦)が地面に倒れる瞬間を目撃する場面が描かれた。

 主人公の大学生・久能整(菅田将暉)に淡い恋心を抱いている風呂光。その久能がライカとしばしば会っており、さらにはプレゼント交換していたことも知った風呂光は、ライカのことがどうにも気になって仕方のない様子だ。

 第9話の終盤では、久能と一緒に参加した“ミステリー会”について先輩刑事から「もしかして、一晩共に過ごして、恋に落ちちゃった?」とからかわれた風呂光。これに「何言ってるんですか? 冗談やめてください!」とかぶりを振る彼女は傷害事件被害者の診断書をもらうため、ライカが入院している病院に赴いたのだった。

「風呂光は、ライカと久能が落ちあっていた午後3時が近いことに気づき、中庭に出てみることに。そこにはいつも通りライカが立っていたのですが、突然その場に倒れ込んだのです。思わず『ライカさん大丈夫ですか!?』と駆け寄るも、久能以外にライカという名前を知る者はいないはずで、ライカは怪しげな視線で『あなたは?』と訊ねていました」(テレビ誌ライター)

 その言葉に一瞬「しまった」という表情を見せつつ、助けを呼ぶかと声を掛ける風呂光。大したことじゃないと断るライカだったが、再び倒れてしまったのだった。

 すると駆け付けた看護師は「大丈夫ですか、千夜子さん?」と呼びかけることに。風呂光が“ライカ”と認識していた女性は、ライカ自身が久能に対して妹だと説明していた千夜子だったことが明かされたのである。

 ここで意識を取り戻した千夜子(ライカ)。周りを見渡すと、「ここどこぉ? ねぇここどこなの? 私なんでここにいるの?」と、ライカの時とは違う声色でしゃべりだしたのであった。

「ライカと千夜子が同一人物ではないかと疑っていた視聴者は《ついに千夜子が現われた!》と驚いたことでしょう。そしてもう一つ驚くべきは、門脇が見せたライカと千夜子の演技分けです。あらためて見比べると千夜子になった時点からアイメイクやリップが薄くはなっていたものの、なによりも表情の変化が大きく、ほとんど同じ容貌にも関わらずまったくの別人格であることがひと目で分かる演技となっていました」(前出・テレビ誌ライター)

整の理解者でもあるライカ。その存在感は儚げだ。トップ画像ともにドラマ「ミステリと言う勿れ」公式ツイッター(@not_mystery_)より。

 このライカ(千夜子)。原作ではストレートのロングヘアを持つ、細身で長身の女性として描かれている。それゆえ身長160センチの門脇が演じることには原作ファンを中心に<イメージと違い過ぎる!>とのクレームが続出していたものだ。

 第5話でライカが初登場した際にも<こんなのライカじゃない!>といった批判が噴出。ところが回を追うことに、ライカの漂わせるミステリアスな雰囲気が原作そのままだと評判になり、いつしか<門脇麦で合ってるんじゃね?>との声もあがるようになっていたのである。

「そして今回見せた、ライカから千夜子への瞬間チェンジは神演技と呼べるほどに見事なものでした。あの演技分けをできる女優は、かなり数が限られてくるはず。ライカ役を見た目だけで選んでいたら、今回の演技が酷い出来になっていたのは確実であり、制作陣のキャスト選びが大正解だったことを如実に示す結果となりました」(前出・テレビ誌ライター)

 本作では主人公役の菅田将暉をはじめ、伊藤沙莉や筒井道隆、鈴木浩介など演技力に定評のある演者が目白押し。第9話ではゲスト出演の佐々木蔵之介が演技力でも原作との一致ぶりでも、絶妙の配役と評されていた。そのなかで門脇の演じるライカ(千夜子)も、最高のハマリ役として記憶されることになりそうだ。