【ちむどんどん】暢子の作った「やんばるナポリタン」は沖縄の定番料理だった!?

 それ、食べたことあるかも! そう思った視聴者もいたことだろう。

 5月6日放送のNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」第20回では、ヒロインの比嘉暢子(黒島結菜)がオリジナル料理の「やんばるナポリタン」を発案。山原高校の料理部が出店している北部産業まつりにおいて、やんばるそばの代わりに提供する様子が描かれた。

 北部産業まつりのヤング大会では、高校対抗で料理対決が行われることに。料理部の助っ人に入った暢子は、シークワーサーを練り込んだオリジナルの麺を考案し、山原高校のやんばるそばは好評を博していた。

 ところが前回の放送で、ドジっ子部員の宮城珠子(井上向日葵)がスープの入った寸胴を倒してしまい、やんばるそばが作れなくなるという大アクシデントが発生。その対応策として暢子が思いついたのが、自らの「おいしいものノート」に書き留めていたナポリタンだったのである。

「フライパンを調達した暢子は、やんばるそば用の麺を炒め、ケチャップでナポリタン風に味付け。完成した『やんばるナポリタン』を彼女自らが声を張り上げて『やんばるの野菜がたっぷりのちょっとおしゃれなスパゲティ』とアピールしてみせたのです。その甲斐あって、即席のやんばるナポリタンは大人気に。高校対抗戦でも見事、さんぴん茶の蒸しケーキを出品したライバルの南山原高校を38票対33票で上回り、逆転優勝を果たしました」(テレビ誌ライター)

料理の腕を活かしてオリジナル料理の「やんばるナポリタン」を発案した暢子。©NHK

 そのやんばるナポリタンに視聴者からは<食べてみたい!><美味しそう>といった声が続出。朝から思わぬところで飯テロ状態になっていたようだ。

 ところが、暢子が一休さんばりに頭を回転させて思いついたはずのやんばるナポリタンが、実は沖縄では広く食べられている定番料理だというのである。

「沖縄で“焼きそば”というと、沖縄そばの麺を炒めた料理が一般的。その味付けは他の地方でもおなじみのソース味と塩味に加えて、沖縄ならではのケチャップ味が定番の一つとなっているのです。作中では山原高校料理部のテーブルにケチャップらしき赤い液体の入ったチューブが置かれており、暢子が作ったのは沖縄の定番料理であるケチャップ味の焼きそばだった可能性があります」(沖縄マニアのライター)

味付けにケチャップを用いた沖縄焼きそば。沖縄では様々な食堂で食べることができる。

 ただ、やんばるナポリタンを食べた客が「新しい味だね」との感想を口にする場面もあった。これはいったいどうしたことだろうか?

「もしかしたら作中の昭和46年(1971年)にはまだ、沖縄にケチャップ味の焼きそばがなかった可能性もあります。沖縄の定番料理として広く知られるタコライスも、実は1984年に金武町で誕生したというわりと新しい料理ですからね。ほかには『ちむどんどん』の制作陣が沖縄焼きそばについて知らなかった可能性も考えられますが、本作の料理担当を務める『OKAZ DESIGN』はベテランの料理家集団ですから、さすがにそれはなさそうです」(前出・ライター)

 ともあれ「やんばるナポリタン」が気になった視聴者はぜひ、沖縄でケチャップ味の焼きそばに挑戦してみてはいかがだろうか。