上島竜兵さんの訃報に、世の妻や娘たちから「男性も更年期障害に気を付けて」の声

 俳優で芸人の上島竜兵さんが5月11日未明、亡くなったことが分かった。午前0時ごろに家族から119番通報があり、自宅から病院に搬送されたものの、午前1時ごろに死亡が確認されたという。

 一部のメディアでは発見時の状況も伝えており、自死とみられている。朝の情報番組やネットニュースで上島さんの訃報が伝えられると、最近もドラマなどで活躍していた上島さんの早すぎる死を悼む声が続出。多くの人から愛されていた上島さんの人となりが偲ばれている。

 上島さんは昭和36年(1961年)生まれの61歳。サラリーマンなら退職直後の年齢だが、上島さんは放送中のドラマ「やんごとなき一族」(フジテレビ系)に出演しているほか、この3月までは連続ドラマ「真犯人フラグ」(日本テレビ系)に謎の男・強羅誠役で毎回のように出演するなど、俳優業は順調だった。

 だが仕事に恵まれている場合でも、50~60代など中高齢の男性には気を付けてほしいとの声が、世の妻や娘たちからあがっているという。

「最近になってようやく、男性にも更年期障害があることへの理解が少しずつ広まってきました。女性の場合は顕著に表れがちな更年期障害ですが、男性も加齢に伴ってホルモンバランスが崩れ、それが体調や心に影響を及ぼすのです。ただ男性の場合、そもそも男性更年期障害について知らない人も多く、知らず知らずのうちに心身に不調をきたしてしまうケースも少なくありません」(医療系ライター)

ドラマ「やんごとなき一族」ではヒロイン土屋太鳳の実家である食堂の常連として、上島さんらダチョウ倶楽部が出演していた。「やんごとなき一族」」公式ツイッター(@yangoto_fuji)より。

 男性更年期障害は、加齢に伴う男性ホルモン(テストステロン)の低下が原因となって引き起こされる様々な症状のこと。40代後半ごろから発症し始め、50~60代の患者が最も多いという。

 女性では多くの人が更年期障害を自覚するのに対し、男性の場合は症状を意識する人で全体の2割程度に留まっており、治療を受ける人はわずか0.2%程度に過ぎないと言われている。多くの男性は症状が出ても「年のせい」だと考えてしまい、更年期障害に考えを巡らせる人が少ないのが実情となっているようだ。

「上島さんがそうだとは断言できないものの、年齢的には更年期障害を抱えても不思議のない時期。人によっては男性ホルモンがガクンと落ち込み、急激に症状が現れることもあります。60歳前後で鬱になったり自死するケースについては退職による環境の変化が主な原因だと思われがちですが、更年期障害が引き金になっている可能性も疑うべきでしょう」(前出・医療系ライター)

 男性では心の不調を病気とは考えず、「病は気から」として心構えの問題だと捉えてしまうケースも少なくない。だが更年期障害は病院で治療できるれっきとした病気だ。

 医療機関や製薬会社では、ウェブサイトにて男性更年期障害のセルフチェックを提供しているところもある。不調を感じたらそういったサイトの利用や病院に行くことを躊躇しないでほしいと、世の妻や娘たちは切に願っていることだろう。