【ちむどんどん】歌子は歌手を目指す?下地先生が贈った「歌うことをやめてはいけません」に高まる期待!

 その言葉、彼女の胸に深く染み入っていたようだ。

 5月12日放送のNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」第24回では、比嘉家の三女・歌子(上白石萌歌)が、音楽教師の下地響子(片桐はいり)から惜別のメッセージを贈られる場面があった。

 かねてより歌子の歌声に目を付けていた下地先生は、都会の那覇から片田舎のやんばる地方に赴任してきたのは、歌子に出会うためだったと信じていた。しかし下地先生は赴任わずか1年で、遠く離れた石垣島へと異動することになったのである。

 そんな下地先生は、いつものように音楽室で一人歌っている歌子を捕まえ、今回は逃げられることなく話し合うことに。そこでまず、歌子の欠点について並べたてたのであった。

 下地先生は「昔からよく熱出すんですって? 運動も苦手、勉強もそこそこ。おまけに恥ずかしがり屋で、人前でおどおどしてばかり」と列挙。そんな歌子に対してはいろんな人が<頑張れ>とか<気合いが足りない>とか<かわいそう>などと勝手なことを言ってくると忠告していた。

「ここで下地先生は歌子を見据えて『一切気にせず、感じるままに生きなさい』とアドバイス。自分も勝手なことを言うと前置きしつつ、『あなたはいつでもどこでもどうなっても歌うことを辞めてはいけません』と、とにかく歌い続けることを勧めたのです」(テレビ誌ライター)

下地先生の言葉に驚き、胸を打たれていた歌子。トップ画像ともに©NHK

 前々回の第22回にて比嘉家に乗り込んだ下地先生は、兄の賢秀(竜星涼)のせいで脚に複雑打撲を負ったと主張しつつ、歌子がその場で歌ったらすべてを水に流すと宣言。意を決して歌子は「翼をください」をのびやかに歌い上げ、その歌声に下地先生は目を閉じて聴き惚れていたものだ。

 この時、下地先生は「あなたの才能を花開かせるために、私は音楽教師になった」と宣言。しかし残念なことに、その夢がかなうことなく石垣島へと赴任することになっていた。

「下地先生は歌子に音楽の指導をしたかったのではなく、引っ込み思案の性格が素晴らしい才能を埋もれさせている歌子に自信を持ってもらい、堂々と歌い続けるように精神を涵養してもらいたかったのでしょう。その目的を達したという確信があるからこそ、『あなたは歌い続ける 聴く人がたった一人でも』との言葉を最後に贈ったのではないでしょうか」(前出・テレビ誌ライター)

 そんな教えを胸に歌子は今後、自身の才能をより花咲かせていくはず。比嘉家にのしかかっていた借金問題が、賢秀の送ってくれた60万円という大金で解決したいま、歌子は音楽で身を立てていくという未来も選べるようになったに違いない。

「長女・良子(川口春奈)のように教師の道を目指し、下地先生と同様に音楽教師になるのもよし。もしくは東京に出る次女・暢子を追って、東京で歌の実力を試すのもよし。作中ではあまり触れられていないものの、その美貌は一級品の歌子ですから、歌をメインに芸能人として勝負することもできるはずです」(前出・テレビ誌ライター)

 数カ月後に迫る沖縄返還の後には、本土の音楽関係者が沖縄の若手アーティストをスカウトしやすくなる環境も整うというもの。音楽の世界に可能性を見いだした歌子が、歌手として活躍する場面に、視聴者の期待も高まっていることだろう。