【ちむどんどん】暢子が沖縄そばを作る?修行先がイタリア料理店の必然性が分かった!

 だからイタリア料理店だったのか! そう納得した視聴者も少なくなかったようだ。

 5月18日放送のNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」第28回では、沖縄から料理人を目指して上京した18歳のヒロイン比嘉暢子(黒島結菜)が、銀座のイタリア料理店「アッラ・フォンターナ」にて採用試験を受ける場面が描かれた。

 オーナーの大城房子(原田美枝子)は沖縄出身のようだが、自分の店では出身地などは関係なく、あくまで実力勝負との考え。レストランで働いた経験のない暢子に対し、サラダを作るようにとの試験を課していた。

 初めてのサラダ作りに挑戦した暢子の結果は見事「合格」。大城オーナーによると、香りも味わいも爽やかなオリーブオイルを活かした味付けができているとの評価だ。

 沖縄で食べてきたものを訊かれた暢子は「おうちの畑で採れた野菜、海で貝を拾ったり、山で木の実や草を採って食べてきました」と答え、水は昔からの湧き水を飲んでいたと説明。そんな暢子を「味覚は悪くない」と評した房子は二つ目の試験として、得意料理を作るように命じたのであった。

「イタリア料理を作る試験と勘違いした暢子は、自分が唯一知っているイタリア料理の『ナポリタン』にチャレンジ。高三で挑んだ高校対抗の料理部対決で、山原高校を優勝に導いた自信作です。しかし結果は不合格。シェフの二ツ橋(髙嶋政伸)からは、ナポリタンはイタリア料理ではなく日本で創られた洋風料理だと教えられ、しかも麺も茹で過ぎだと指摘されていました」(テレビ誌ライター)

自信満々でナポリタンを作った暢子だったが、沖縄そばの麺とは違い、パスタを茹でる際には塩が必要なことを知らなかったようだ。©NHK

 大城オーナーからは「ご縁がなかったようね」と言われてしまった暢子。だが二ツ橋シェフは暢子に可能性を見いだしたようで、オーナーに再試験を進言。その甲斐あってか午後のまかない用に得意料理を作るようにとチャンスを与えられたのであった。

 沖縄の母親に電話するなど、自分の得意料理が何なのかを必死に考えた暢子。そんな彼女が思いついたのは、亡き父親の賢三から作り方を教わった沖縄そばだった。しかしイタリア料理店の厨房で、ゼロから沖縄そばを作ることなどできるのか。そこにこそ、暢子の修行先がこの店である必然性が隠されていたというのである。

「沖縄そばを作るには小麦粉、それも麺づくりに適した強力粉が必要です。また出汁にはカツオや豚が使われており、それらの材料がイタリア料理店には揃っています。小麦粉はパスタ用がありますし、魚料理の多いイタリア料理店ではカルパッチョやタリアータにカツオを使う機会も珍しくありません。しかも作中の5月中旬はちょうど初ガツオの時期ですから、アッラ・フォンターナでも旬の魚として仕入れていそう。さすがに紅ショウガはないでしょうが、暢子にとっては最適な環境だと言えるでしょう」(女性誌ライター)

 これがフランス料理店だと、小麦粉がスイーツづくりに適した薄力粉ばかりの可能性もある。一方でイタリア料理店なら自家製パスタを作るため、麺棒もあるはずだ。どうやら沖縄出身の暢子にとって、イタリア料理店は最適の修行先となるのかもしれない。