【ちむどんどん】良子が一番かわいそう!賢秀のてびちエピソードに疑問と怒りの声が続出!!

 こんな幼少期を送っていたら、兄に対して厳しい態度を取るのも当然だろう。

 6月9日放送のNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」第44回では、比嘉家の長男・賢秀(竜星涼)が子供のころに、おかずの取り合いを巡って母親の優子(仲間由紀恵)に傷を負わせていたことが明らかになった。

 今回、商売仲間の我那覇(田久保宗稔)に15万円もの大金をだまし取られ、賢秀はすっかり落ち込んでいた。その金はまたもや母親に頼み込んで貸してもらったものであり、悔しさはなおさらだ。

 自責の念から「もう家族やめる、縁を切ってもらう、俺は疫病神、家族の邪魔さあ」と口走った賢秀。するとヒロインで妹の暢子(黒島結菜)は下宿先の食堂で余った足てびちを用意しながら、「思い出すね、昔も同じようなこと言ってた」と、きょうだいが子供だったころを思い出していたのだった。

幼少時の思い出を語らった賢秀と暢子だったが、そこに良子を思いやる言葉はなかった。トップ画像ともに©NHK

 それは賢秀がまだ中学生だったころ、ある日の食卓でご馳走の足てびちが出た時のことだ。「一人2個」という決まりなのに賢秀(子役:浅川大治)が3個目に手を出そうとし、妹で長女の良子(子役:土屋希乃)は「2個って約束でしょ!?」と注意。まだ1個だとウソをつく賢秀を「インチキ!」となじっていた。

 すると賢秀は「女のくせに!」と逆切れ。先に賢秀が手を出して取っ組み合いのケンカになり、止めようとする優子を賢秀が払いのけたところ、倒れて頭を打った優子は頭を怪我してしまったのだ。

 母親の出血を見て我に返り、庭に飛び出した賢秀。落ち込んでいるところに暢子が来て「一緒に謝ってあげる」と促すと、賢秀は「もう家族やめる、縁を切ってもらう、俺は疫病神、家族の邪魔さあ」と、10年後とまったく同じ言葉を口にしていたのであった。

「庭に出てきた父親の賢三(大森南朋)は、賢秀の振る舞いを叱るわけでもなく食事を再開。しかも『父ちゃんのあげるから、いいから食べれ』と、賢秀に3個目の足てびちを分けてあげたのでした。それを食べた賢秀は『母ちゃん…ゴメン』とポツリ。すると優子は笑顔で『もういいよ』と許していたのです」(テレビ誌ライター)

 ここで賢三は「邪魔者とかはいない。ケンカしても仲直りできるのが家族」と賢秀を諭すことに。続けて「この先、何があってもみんなお前の家族、分かったか」と賢秀の肩を叩き、励ましていた。

 そんな回想シーンが明けると、暢子が差し出した足てびちに賢秀は神妙な顔つきに。「またいつかみんなで食べたいな」とつぶやくと、暢子は「お父ちゃんが言った通り、どんなことがあってもニーニーはうちたちの家族」と語ったのだった。

 この場面で制作側はおそらく、変わらぬ家族愛の尊さを描きたかったのだろう。だが視聴者からは、賢三と優子の夫婦が長男の賢秀を甘やかせすぎたことが、その後の騙され人生に繋がっているとの指摘が続出だ。

 それに加えて、ここで描かれているのが「家族愛」だなんてとんでもないと、怒りのこもった批判まで飛び出しているというのである。

「一番かわいそうなのは明らかに良子でしょう。兄の不正を咎めたのに『女のクセに』とののしられ、ケンカまでふっかけられたにも関わらず、両親は賢秀の肩を持つだけ。誰も良子の心をケアしていないことには驚くほかありません。なぜ両親は『良子が正しい』とか『良子に謝りなさい』などと言わないのか。この調子では父・賢三の言葉から良子が家族愛の尊さを学ぶはずもなく、『長男だけが優遇されている』『私は女だから言い分を無視された』といった想いが残るのは確実。ダメ兄を持つ女性視聴者であれば、これらの場面に怒りしか湧いてこないことでしょう」(女性誌ライター)

 前回、賢秀が優子に15万円を無心する電話を取り上げて、「この家にはニーニーに貸すお金は1銭もないよ!」と声を荒げていた良子。しかし優子は良子に黙って、賢秀にお金を渡していたのだった。またもや母親から自分の想いを無視された形だ。

 幼少時も、大人になってからも「ルールを守る」という正しい行動を家族から無視され続けている良子。比嘉4きょうだいで最も貧乏くじを引いているのが、生真面目な彼女であることは間違いないだろう。