その言葉、あまりにも真に迫りすぎていて、視聴者も身構えてしまったのではないだろうか。
6月15日放送のNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」第48回では、沖縄から比嘉家の三女・歌子(上白石萌歌)が母親の優子(仲間由紀恵)と共に上京。東京の大学病院で検査を受けることとなった。
幼いころから身体が弱く、すぐ熱を出しては学校や会社を休んでいた歌子。2年前には高校を卒業して運送会社に勤めるも、病欠が多いことから歌子自身が居づらくなってしまい、退職したばかりだったのである。
「二人が泊ったのは、銀座のイタリア料理店で働いているヒロインで次女・暢子(黒島結菜)の下宿。4畳半に板の間という狭い部屋ですが、なんとか布団3つを並べて寝ることができそうです。横浜・鶴見のリトル・オキナワにあることから、東京が初めての歌子や優子でもリラックスして滞在できそうですが、歌子はなんとも落ち着かない様子を見せていました」(テレビ誌ライター)
暢子が風呂から戻り、入れ違いで優子が出て行ったところで、歌子は暢子に「検査、どうしても受けないといけない?」と言い出すことに。沖縄に帰りたいという彼女は、検査の結果、手術や入院となったらまたお金がかかると言う。
だが歌子の真意はお金の問題ではなかった。「暢ネーネーがうらやましい」という彼女は、暢子が東京で周りのみんなに可愛がられ、自分が選んだ料理人という道で生き生きしていることを羨んでいたのである。
さらに長女の良子(川口春奈)にも言及。短大を卒業して小学校教員となり、結婚して子供も生まれた良子や暢子は夢を叶えたと語りつつ、「ウチだけ同じところをグルグル回ってる。子供の時から1ミリも成長してない」と嘆いたのだった。
「そんなことないよと否定する暢子でしたが、歌子は構わず『仕事も恋愛も結婚も、何にもできないまま死んでいくと思う』と慟哭。そういう運命だと悲しむ彼女の姿に、多くの視聴者は《死亡フラグが立った!?》と心配したことでしょう。実際、本作は名作小説の『若草物語』にインスパイアされていますが、その若草物語では病弱な三女のベスが猩紅熱を患い生死の境をさまよいます。回復後もすっかり気弱になってしまったベスのことを知ると、歌子も同じような運命をたどるのではと心配せざるをえません」(前出・テレビ誌ライター)
本作のヒロインはあくまで料理人の暢子であり、歌子が脇役に過ぎないのもまた事実。一家の大黒柱だった父親の賢三(大森南朋)ですら物語序盤の第6回で心臓発作により急逝しており、この辺で歌子が旅立ったとしても決して不思議はなさそうだ。
果たして歌子の運命やいかに。歌手になりたいという夢を果たせぬまま、男性と交際することもないまま清い体で死んでいってしまうのだろうか。そんな視聴者の心配を払しょくする唯一の希望が、ヒロインを演じる黒島の口から語られていたというのである。
「4月30日放送の『土曜スタジオパーク』(NHK)に出演した黒島は、『ちょうど昨日、4人とお母ちゃんで久々に比嘉家が揃うシーンというかリハーサルがあった』との裏情報を明かしていました。作中では暢子が上京して以降、きょうだい4人が全員揃った場面はないので、その“比嘉家勢ぞろい”のシーンはこれから放送されることになります。すなわち歌子はその時点までは確実に生きていることになるのです」(前出・テレビ誌ライター)
ビッグなドリームのためなら日本中どこにでも行く長男の賢秀(竜星涼)はともかく、幼子を育てる長女の良子はよっぽどの理由がない限り、沖縄を出ることはないだろう。そして東京で働く暢子もそう簡単には沖縄に帰省しないはずだ。
そうなると比嘉家が勢ぞろいするのは相当なビッグイベントとなるはず。もしかしたら歌子か暢子の結婚式なのか、そんな期待も視聴者のあいだでは盛り上がっているようだ。