【ちむどんどん】またもやイタリア料理を冒とく?泡の立たないスパークリングワインが登場!

 この場面には、多くのワイン好きが憤慨したに違いないだろう。

 7月12日放送のNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」第67回では、イタリア料理店の「アッラ・フォンターナ」に勤めるヒロインの比嘉暢子(黒島結菜)が、オーナーの大城房子(原田美枝子)とワインで乾杯する様子が描かれた。この場面に呆れる視聴者がいたという。

 本作ではイタリア料理店を重要な舞台としながらも、作中に登場する料理が現実のイタリア料理とは異なっているとの批判があとを絶たない。その批判が今回、二人が飲んでいたワインに向けられたというのだ。

「仕事を終えた暢子とオーナーは、店の2階にあるオーナー室で乾杯することに。二人がワイングラスをカチンと合わせた場面には、ラベルに『Franciacorta』(フランチャコルタ)と明記された瓶が映っていました。ところが二人が飲んでいたのがごく普通のロゼワインだったことから、ワイン好きのあいだから不満の声が続出したのです」(女性誌ライター)

 というのもこの「Franciacorta」とは架空のブランドではなく、イタリア・ロンバルディア州東部のフランチャコルタ地方で生産される地域限定のブランドだからだ。しかも「Franciacorta」という名称はイタリアの原産地名称保護を受けており、生産地の領域と生産方式、そしてワイン名を特定するものとなっている。

「フランチャコルタは、フランスにおけるシャンパンと同様に、スパークリングワインの名称でもあります。つまり『Franciacorta』というラベルが付いた瓶に入っているのは必ず、スパークリングワインなのです。ところが暢子とオーナーが飲んでいたのはごく普通の赤ワイン。気泡らしきものはまったく見当たらず、これではとても《フランチャコルタを飲んでいる場面》ということはできません」(前出・女性誌ライター)

 しかも作中で映っていた瓶は、通常のワインを入れるボルドー型。それに対してフランチャコルタでは、シャンパンなど他のスパークリングワインと同様に、なで肩のスパークリングボトルが使われている。どうやらこの場面では本物のフランチャコルタを用意することなく、適当なワインの瓶に「Franciacorta」と書かれたラベルを貼り付けただけなのだろう。

イタリア・フランチャコルタ地方のブドウ畑。この地域で特定の製法などを守って生産されたスパークリングワインだけが「Franciacorta」を名乗ることができる。

「これがシャンパン(Champagne)だったら、さすがに泡の立たない酒を用意することはなかったはず。この場面ではおそらく、イタリア料理店っぽさを演出するためにフランチャコルタというラベルを貼った瓶を用意したものの、制作側が《フランチャコルタ=スパークリングワイン》という基本中の基本を押さえていなかったのでしょう。せっかくイタリア料理の監修者がいるのに、この場面では確認を怠っていたのでしょうか。なんともお粗末な話です」(前出・女性誌ライター)

 イタリアで原産地名称保護を受けているブランドを間違えるなど、イタリア料理店が舞台のドラマではあってはならない出来事。ここまでくるとさすがに、制作陣も「僕たちおじさん3人は料理の知識が全くないんです」などと開き直っている場合ではないはずだ。

 そしてなにより迷惑をこうむっているのは、明らかな考証ミスが前提の演技を余儀なくされている黒島結菜や原田美枝子らの演者たちではないだろうか。