橋本愛が謎の家庭教師“トラコ”こと根津寅子役で主演を務めるドラマ「家庭教師のトラコ」(日本テレビ系)が7月20日にスタートした。
第1話の視聴率は7.5%となり、これは日本テレビの水曜ドラマとしてはここ5年以上で最低の数字。スタートダッシュに失敗した形となったが、作品自体の評判は決して悪くないようだ。
「見どころはなんといってもトラコの七変化でしょう。コスプレが趣味だという彼女はエレベーターガールに始まり、一般OL、メリーポピンズ、艶っぽいお姉さんから元気な姉御と次々に服装をチェンジ。衣装に合わせて口調も変わり、橋本ならではの演技力を見せつけました。第1話ではまだトラコの正体がまったく掴めませんが、そんなミステリアスな雰囲気もしっかりと表現できていたようです」(子育て中の女性誌ライター)
第1話では新聞記者の妻とおもちゃメーカーに勤める夫の一人娘、知恵のお受験を巡って夫婦が口ゲンカする場面がハイライトのひとつに。知恵を演じる子役の加藤柚凪は7歳の小1で、ほぼ等身大の役を表現力豊かに演じてみせた。
そんな知恵にトラコは1万円を渡し、幸せになるためどうすればいいのか考えるように指示。最初はおもちゃ屋で好きなだけ買い物、次にお金を増やすために馬券を買い(トラコが代理で購入)、最後は両親の笑顔を見るために自宅で流しそうめんを再現。そんな知恵の姿に新聞記者の母親は涙を流し、険悪になりかけた夫婦仲も元のさやに納まるというハッピーエンドとなっていた。
そんな第1話に視聴者からは<ぶっ飛んでて面白い!><橋本愛さすがだわあ>といった声が続出。視聴率以上の満足感を与えることができていたようだ。だが視聴者のなかには面白さを感じつつも、ドラマの内容に没入できかったとの声もあるという。
「知恵役の加藤柚凪があまりにも達者なので気づきづらいところですが、公園でトラコが知恵に詰め寄るシーンは、幼い子供を持つ親世代の視聴者には受け入れがたかったのです。トラコは『そうやって甘えてりゃ人が助けてくれると思いやがって!』と厳しい口調で知恵に迫り、『だったら泣いてないで、耳を澄ませよ、目を見開けよ』と叱咤激励していました。しかしこんな態度で未就学児に迫ったら、話の内容はまったく頭に入らず、恐怖感に支配されてパニックになることは目に見えています」(前出・子育て中の女性誌ライター)
本作が家庭教師をテーマにしていることから、今後も小学生など幼い子供が重要な役で登場することは確実。そのたびにトラコがこの調子で子供たちに迫るようなら、またもや子育て世代の視聴者が嫌悪感を覚えることは確実だろう。
もちろん、視聴者はドラマならではの演出であることを理解しているはず。とは言え、子供が警戒心を抱かないであろうビジュアルを備える橋本愛を主役に据えているからこそ、子ども相手の場面ではある程度のリアリティを求められてしまうのも無理はないのかもしれない。