【ちむどんどん】ハワイから金吾、ブラジルから正男も来る展開に「パリから愛ちゃんは?」の声が続出!

 これも「怒涛の伏線回収」ということなのだろうか。

 9月29日放送のNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」第124回では、ヒロインの青柳暢子(黒島結菜)が故郷の沖縄に料理店の「やんばるちむどんどん」をオープン。昔懐かしい顔ぶれが集まってくる様子に視聴者が沸くなか、ある人物の不在を残念がる向きも少なくなかったという。

 昭和47年に上京して料理人となった暢子は、昭和59年7月に夫と息子を伴って里帰り移住。翌年には実家の比嘉家を改装して沖縄料理店をオープンすることを思い立ち、昭和60年11月にはついに開業へと漕ぎつけていた。その店に懐かしの顔ぶれが集まってきたのである。

「最初の客は、地元の共同売店で働くまもるちゃん(松原正隆)でした。ついにその正体が明かされると期待が高まるなか、暢子自慢の沖縄そばを食べたまもるちゃんは『あぁ、まーさんやあ』とボソリ。これまでひと言も発しなかった彼がしゃべったというだけでも、少しは進展があったと受け止めるべきなのでしょう。次に店を訪れたのは暢子の旧友であり、東京で沖縄出身者と結婚した真栄平早苗(旧姓前田、演:高田夏帆)でした」(テレビ誌ライター)

 暢子の上京後には3回しか出番のなかった早苗。それでも自分の披露宴に呼ぶほどの親友なのだから、開業のお祝いに来てくれたのは嬉しかったことだろう。その早苗は3人の子供に恵まれており、見た目もいかにもお母さんといった感じ。高校生の時からほとんどビジュアル面に変化のない暢子とは大違いだ。

親友の早苗と同級生の正男が「やんばるちむどんどん」のオープンに駆けつけてくれた。©NHK

 そんな早苗が連れてきたのは二人の同級生で、高校を卒業後にブラジルに渡っていた新城正男(秋元龍太朗)。今では現地に妻も子供もいるという正男はたまたまこのタイミングで沖縄に用事があったという。

 高校時代には暢子にぞっこんだった正男。これで「やんばるちむどんどん」には夫の和彦(宮沢氷魚)、暢子にプロポーズするも玉砕していた砂川智(前田公輝)、そして正男という暢子ラブの男たち3人が集結だ。そんな暢子の女王様ぶりには視聴者も驚いていたことだろう。

 そして次に訪れたのは、派手なアロハシャツに身を包んだ喜納金吾(渡辺大知)。かつて比嘉家の次女・良子(川口春奈)と結納まで交わすも、破談にされた経験を持つ製糖工場の跡取り息子である。そんないわくつきの相手を「金吾さん!」と笑顔で出迎えるのだから、良子も妹の暢子に負けず劣らずの自分勝手キャラに違いない。

「金吾はハワイに移住し、パイナップル農園で成功したという設定です。しかしハワイのパイナップル生産は戦後、ドールなどの大企業による寡占化が進み、金吾が移住したであろう1970年代後半にはすでに新参者の日本人が分け入る隙間などありませんでした。とは言えあらゆる考証を軽視するのが『ちむどんどん』流ですから、ここは“夢の国ハワイ”からやってきた程度に受け止めるのが吉なのでしょう」(前出・テレビ誌ライター)

ハワイで事業に成功していた喜納金吾。正男と同様になぜかこのタイミングで沖縄に用事があったようだ。©NHK

 このように暢子の料理店オープンに合わせて、過去の登場人物が次々と集結してきた今回、<どうせならあの女性も来ればよかったのに>といった声もあがっていたというのである。

「その女性とは、暢子に婚約者の和彦を略奪婚された大野愛(飯豊まりえ)のことです。視聴者からは《愛ちゃんは来ないの?》《まだパリに住んでいるのかな》といった声も漏れ伝わっていました」(前出・テレビ誌ライター)

 和彦の気持ちが自分から離れていることを悟った愛は自ら身を引き、東洋グラフ誌の編集部員としてパリ支局赴任の道を選ぶことに。多くの登場キャラが視聴者から批判されるなか、愛には<彼女だけは幸せになってほしい>と数多くの味方が付いていたものだ。せっかくならそんな愛が幸せに暮らしている姿をぜひ、見せてほしかったところだろう。

かつてこの4人で海に行ったことも。愛ちゃんが今どこで何をしているのか、気になる視聴者も多いことだろう。©NHK

 もっとも東京育ちでパリにも暮らしていた愛が、沖縄やんばる地方を訪れる理由はゼロに等しいというもの。物語のためにはいくらでも時空を捻じ曲げるのが本作の流儀とは言え、さすがに愛が沖縄に来る理由まではひねり出すことができなかったのかもしれない。