【舞いあがれ!】誰も気にしてないけど、航空学校編の初回でまさかの考証ミスが連発!?

 これで反省会タグが荒れるようなことはなさそうだ。

 11月21日放送のNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」第36回では、第8週の「いざ!航空学校へ」がスタート。ヒロインの岩倉舞(福原遥)が夢のパイロットに向けて奮闘努力する航空学校編が始まった。その初回にて、意外な間違いが散見されたという。

 2005年7月31日に行われた航空学校の入試を受けた舞。自宅から軽装で出かける姿に「航空学校は宮崎にあるのでは?」と疑問に思った視聴者もいたかもしれない。だが航空学校(航空大学校がモチーフ)では第一次試験を宮崎のほか、札幌、岩沼(宮城県)、東京、大阪、福岡でも実施。だから舞は大阪で入試に挑んでいたのである。

 また合格後には「それから1年ほど待機していた舞ちゃんは航空学校入学のため、いよいよ明日、宮崎へ出発します」とのナレーションが入ることに。画面には「12月」とのテロップが入っており、なぜそんなに待たされるのかといぶかった視聴者もいたことだろう。

 こちらについても航空学校では、合格者の入学時期を6月、9月、12月および翌年3月と4回に分けており、入学者の希望などを考慮して振り分けることになっている。実機を使ってのフライト課程があるため、一度に大勢の学生が同じ課程で学ぶことができないからだ。そのため舞が2006年12月の入学になったのも、現実に即した内容となっていたのである。

 このようにしっかりと考証が行われたストーリーになっていた今回、実は些細なところでちょっとしたミスが見られたという。

「一つは受験勉強している舞の机に置かれていた飛行機の模型です。尾翼に『8』と描かれていたことから、ボーイングのB747-8であることは確実。しかし作中の2005年4月にはまだ、B747-8は名称自体が発表されておらず、その模型は存在していませんでした」(飛行機に詳しいトラベルライター)

 当時は超大型機の構想でボーイングとエアバスが争っており、2000年にはエアバスが「A380」の開発を発表。対するボーイングは出遅れる形になりつつも、2004年には既存のB747を改良した「B747アドバンスト」を発表し、翌2005年11月に「B747-8」として正式に開発することが発表されていた。そのため舞が持っている模型は、時代を数カ月ほど先取りしていたのである。

航空学校に向けて受験勉強中の舞。置かれている本が少しずつ変わるなど、時間の経過をしっかりと反映しているところはさすがだ。トップ画像ともに©NHK

 そしてもう一つの“ミス”は、舞が入学する航空学校にあった。第36回の中盤では「最後は宮崎本校での面接試験です」とのナレーションと共に、宮崎空港に置かれている航空学校の格納庫が映ることに。そこにミスがあったというのだ。

「格納庫の扉には『Civil Aviation College』と英語表記の校名が書かれていました。これは本家・航空大学校の英語表記。作中の航空学校は第31回に出てきた入試パンフレットにもあったように『Civil Aviation Academy』と変えています。どうやら格納庫の映像にCG処理を加える際に、航空大学校は航空学校に直したものの、英語表記の書き換えを見落としていたのでしょう」(前出・トラベルライター)

 もっとも、これら2つの間違いは物語の内容になんら影響を及ぼすものではなく、ミスとの指摘は「重箱の隅をつつく」ことにほかならないだろう。それゆえ「舞いあがれ!」で考証ミスを見つけることは、ある意味で「レアキャラ探し」のようなお遊びなのかもしれない。