【ちむどんどん】暢子の「略奪愛から撤退」に愛が納得する謎展開に視聴者びっくり!

 その言葉、自分の身になって考えてみたら…。どうにも納得のいかない視聴者も少なくなかったようだ。

 7月5日放送のNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」第62回では、ヒロインの比嘉暢子(黒島結菜)が、青柳和彦(宮沢氷魚)のことを好きだったと打ち明ける場面がハイライトとなっていた。

 東洋新聞記者の和彦は、同僚の大野愛(飯豊まりえ)と交際中。愛の両親は娘の結婚に前のめりとなっており、娘の意向を聞くこともなく勝手に結婚式場を予約していた。しかし和彦は未だに愛にプロポーズしていないうえ、結婚話に関しても「愛の意思を尊重する」と相手に丸投げ。そんな和彦の態度に愛は、不信感を高めていたのだった。

「なにより愛が気にしているのは、和彦は本当のところ自分ではなく、暢子に惹かれているのではないかということ。煮え切らない和彦の態度に居ても立っても居られなくなった愛は、暢子が働くイタリア料理店『アッラ・フォンターナ』を訪ねました。すると暢子が翌日の仕込みで残っており、二人きりで話すことができたのです」(テレビ誌ライター)

 いきなり訪ねてきた愛を「実はうちも愛さんに話したいことがあった」と招き入れた暢子。探りを入れるためなのか先に暢子の話を聞いた愛だったが、そこで「うち…和彦くんのことが好き」と、衝撃の告白を聞くことになったのである。

 笑顔で「好きって分かってしまったわけ」と言い放つ暢子。和彦と長年交際している愛を目の前にして、この発言はもはや略奪愛を宣戦布告したも同然ではないか。だがここで暢子は「でもさ、諦める」と、なぜか振り切った表情で告げたのであった。

 和彦への恋心に気づいた暢子は、仕事も手につかないくらいイライラしていたと説明。ところがこの日は何も考えられないくらいにレストランの仕事が忙しく、身体を動かしているうちに「でーじスッキリした」そうで、愛に対して「好きだけど、きれいさっぱり諦める」と宣言したのである。

 続けて暢子は「愛さんにウソはつきたくないから全部言ってしまいたくて」との言い訳を口にし、最後は「困らせるようなこと言って、ゴメンね」と締めくくっていた。いかにも自分勝手な言い草ではあるが、暢子らしく自己解決していたと見ることもできるだろう。

恋敵の暢子から勝手に撤退宣言された愛。彼女こそが最大の被害者なのは確実だろう。©NHK

「そんな暢子に対し、愛はなんと『すごいねえ、暢子ちゃんは』と納得することに。自分の彼氏を略奪しようとしていた相手の説明を、そのまま受け入れていたのです。この展開には視聴者もさすがに驚くばかり。たしかに愛としては、和彦との結婚を諦めたほうが気持ち的にもスッキリするところですが、暢子に対する恨みつらみが一切ないことは普通ありえません。これはいくらなんでも気持ちの切り替えが素早すぎると、視聴者も呆れていたことでしょう」(前出・テレビ誌ライター)

 視聴者に好かれないキャラばかりが登場する本作において、愛は数少ない「視聴者から応援されるキャラ」だったはず。今回繰り広げられた暢子とのやり取りを巡っても、愛の心変わりを疑問に思う視聴者はいても、彼女のことを嫌いになることはないはずだ。

 そんな愛は今回の終盤、あらためて仕事に打ち込む決意を見せていた。新聞社内で和彦に「この間はゴメン」と話しかけ、「取材行ってきます!」とさっそうと出かけていく姿には、吹っ切れた様子が感じられたものだ。

「愛との交際という呪縛から逃れた和彦はおそらく、暢子への愛情を剥きだしにしていくのでしょう。そうなると愛は、暢子の引き立て役に過ぎなかったことになります。それが朝ドラの流儀だと言ってしまえばそれまでですが、ここまであからさまな『ヒロイン中心主義』を描かれてしまうと、むしろ視聴者の気持ちが暢子から離れてしまうのではと心配でなりません」(前出・テレビ誌ライター)

 願わくば和彦への思いを断ち切った愛には、新聞記者として人生の幸せをつかんでほしいものだ。