【舞いあがれ!】航空学校編が「ちむどんどん」っぽくなった映像面の理由とは!

 第8週の物語に「宮崎らしさ」を感じた視聴者など、ほとんどいなかったのではないだろうか。

 NHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」では11月25日放送の第40回で航空学校の座学課程が修了。いよいよ次週から北海道・帯広でのフライト課程に臨むことになった。ヒロインの岩倉舞(福原遥)が初めて、エンジン付きの飛行機で空を飛ぶ姿に期待も高まるなか、やっと第8週(第36~40回)が終わったと胸をなでおろす視聴者も少なくないという。

 その理由は第8週から始まった航空学校編で、まるで別の物語が始まったかのようにドラマの雰囲気が激変したことにある。この週からは脚本がそれまでの桑原亮子氏から嶋田うれ葉氏に交代。それに伴って作風がいきなりドタバタ恋愛活劇のように変わってしまったと、視聴者を嘆かせているのだ。

 その変わりようには、前作の「ちむどんどん」を思い起こすとの声も続出。史上最悪の朝ドラと酷評された「ちむどんどん」ではヒロイン暢子の自分勝手な性格や、コメディ要素の強いドタバタした描写が批判を浴びていたのは、視聴者もよく覚えていることだろう。

 第8週の「舞いあがれ!」では、思慮深い性格で表情も柔和だった舞がいきなり、感情をむき出しにして変顔を連発。しかも浪花大学の航空工学科に現役で入学した才女だった舞が、航空学校ではいきなり落ちこぼれになっているのもおかしな話だ。そんな舞に、暢子みたいになってしまったとの声が出るのも無理はないだろう。

 それに加えて映像面でも「ちむどんどん」っぽさを感じさせるようになってしまっていたという。それは屋外でのロケをほとんど行わず、すべてをスタジオのセットで済ませている絵作りの問題だというのである。

「前週までの『舞いあがれ!』では五島の美しい風景や、人力飛行機の飛翔シーン、自転車でロードワークする舞の姿など、ロケ映像をたくさん盛り込むことで、物語が立体的な広がりを見せていました。ところが航空学校編ではほぼすべての話が学校と寮のなかだけで進行。宮崎が舞台のはずなのに、宮崎らしさがまったく感じられなかったのです」(テレビ誌ライター)

この場面も残念ながら宮崎で撮影されたものではなかった。トップ画像ともに©NHK

 その状況は「ちむどんどん」で描かれた銀座や横浜・鶴見、そして杉並の街並みとまったく一緒だろう。銀座のシーンでは茨城県にある「ワープステーション江戸」という広大な屋外スタジオでのロケも行われていたが、鶴見と杉並に至ってはすべてがセット内で撮影。当の横浜市民や杉並区民からは、ちっとも地元感が感じられないと嘆きの声があがっていたものだ。

 それでも航空学校編では舞が入学した第36回と、座学課程を修了した第40回では、航空学校の正門付近を学生たち行き来している場面もあった。そこで撮影した同期生との記念写真を舞は大事にしていたが、少しはロケも行っていたのだろうか。

「そこに映っていた航空学校は、モデルとなった航空大学校の宮崎本校ではなく、大阪府内の専門学校だったのです。前週には舞や幼馴染の久留美、貴司、そして両親の浩太やめぐみも五島列島でのロケに参加していたのに、週が明けたら宮崎ロケを実施しなかったのは実に残念。次週からの帯広フライト課程では北海道での長期ロケが行われたらしいので、そちらに制作費をつぎ込んだのでしょうか」(前出・テレビ誌ライター)

 決してスタジオでの撮影が悪いわけではないが、五島編での美しい映像や、人力飛行機のスワン号が琵琶湖の上空を飛んだシーンなど、ロケ映像は視聴者の心に響いていたもの。それがスタジオ撮影オンリーになってしまったことで、「ちむどんどん」のような閉塞感を抱かせる結果になってしまったのかもしれない。