2022年の下半期に人気を博した記事を振り返る本企画。7月はNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」でヒロインの比嘉暢子がイタリア料理店のシェフとして修業しながら、恋にも忙しい時期だった。のちに暢子の夫となる青柳和彦は同僚の新聞記者・大野愛と交際していたが、愛が発したセリフに注目が集まっていたようだ。
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その言葉には裏の意味があるのだろうか。視聴者も思わず首をひねったことだろう。
6月30日放送のNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」第59回では、終盤に青柳和彦（宮沢氷魚）と大野愛（飯豊まりえ）がハグを交わすシーンが描かれた。そこで愛が口にしたセリフに、疑問を抱く人も少なくなかったという。
東洋新聞社の同僚かつ恋人同士として愛を育んできた和彦と愛。しかし愛の両親から結婚を急かされたことで、和彦の心には将来に対する不安と疑問が渦巻いていた。その原因は、ヒロインの比嘉暢子（黒島結菜）に心惹かれていることにあるようだ。
その暢子は前回、幼馴染の砂川智（前田公輝）が過労で倒れたところに出くわし、今回は冒頭から智を看病することに。智は自分の会社「スナガワフード」を立ち上げたばかりで、この日も大量の配達や追加注文を抱えていた。その残務作業は沖縄県人会の仲間や友人の和彦らが代わりにこなしてくれたのである。
「最後の配達を終えてスナガワフードに戻ってきた和彦。智は眠っており、その横で看病している暢子に和彦は、愛との結婚に悩んでいる理由を打ち明けようとしていました。『僕の迷いと言うか、悩みと言うか、もやもやした感情の正体は多分…』と話している最中に、和彦は愛と待ち合わせしていたことを思い出し、慌てて出て行ったのです」（テレビ誌ライター）
智が寝ている横で恋バナを始める和彦。その無神経さも暢子に想いを寄せている表れか。トップ画像ともに©NHK
愛はこの日、沖縄料理店「あまゆ」で和彦と会う約束だった。場面が変わり、路地を二人で歩いている愛と和彦。ここで愛は「本当に今夜、智くんの手伝いで遅くなったの？」と問いかけ、「私と約束してること、忘れてなかった？」と確認していた。和彦は「忘れてないよ。忘れるわけないじゃないか」と返すものの、愛は「ウソが下手だね」と、表情は柔和ながらも和彦のことを責めていたようだ。
果たして愛は、和彦が暢子に心を惹き寄せられていることに気づいているのか。女と男の心の機微が描かれた場面だったが、愛のセリフを巡って視聴者からこんな疑問があがっていたというのだ。
「愛が『あまゆ』で和彦を待っていたのなら、智の後始末に奔走していることは絶対に知っているはず。なぜなら『あまゆ』の店主も一緒になって配達を手伝っており、愛が一人で店にいたら、和彦が配達で遅くなっていると説明するに決まっているからです。それなのになぜ、愛は『智くんの手伝いで遅くなったの？』と和彦に問いかけたのでしょうか」（前出・テレビ誌ライター）
その理由だが、一つ目は和彦が遅くなった原因を知っていながら、あえて訊ねた可能性が考えられる。愛としては最近、和彦の心が自分に向いていないことに気づいており、和彦の愛を確かめるためにもあえてウソをついたということだろうか。
そしてもう一つは、脚本のミスだ。愛は和彦が遅くなることを知っていて当然なのだが、それをうっかり見落としてしまった制作陣が、愛が「あまゆ」で待ちぼうけを食らっていた設定にしてしまった恐れも否定できないのである。
「おそらく愛は、事情を知った上でわざと和彦をなじったのではないでしょうか。わざわざ『あまゆ』の近くでハグを求めてキスをねだったのも、暢子が近くを通ることを予期しての当てつけに見えますからね。ただ本作では視聴者から脚本への批判が噴出し続けていますので、今回に関しても『脚本のミス』との疑念が生じるのは無理もありません」（前出・テレビ誌ライター）
果たして愛と和彦、そして暢子を巡る愛の駆け引きはどう決着するのか。視聴者が納得できる展開になってほしいものだ。
