2022年の下半期に人気を博した記事を振り返る本企画。放送中のNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」では、航空学校に通うヒロインの岩倉舞が同期生の柏木と付き合うことに。だが視聴者からは恋バナ展開への猛批判が乱気流のように渦巻いていた…。
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これで安心して続きを楽しめると安心した視聴者も多かったことだろう。
12月19日放送のNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」第56回では、ヒロインの岩倉舞(福原遥)が航空学校の同期生と共に、居酒屋で卒業前の打ち上げを行うシーンが描かれた。そこで舞と恋人の柏木(目黒蓮)が交わした会話に、視聴者が拍手喝さいを送っていたようだ。
前週までは帯広のフライト課程で学んでいた舞。その次に進む宮崎でのフライト課程は省略され、仙台でのフライト課程も訓練シーンはすべてカット。仙台キャンパスで行われる航空会社の就職面接のみが描かれ、航空学校での学生生活は後半がすべて省略されるという驚きの展開となっていた。
就職活動に苦戦していた舞だが、ついに「ハカタエアライン」から内定をもらえることに。舞の祖母・祥子(高畑淳子)が暮らす長崎・五島にも定期便を持つ航空会社で、祥子らが喜ぶ場面も描かれた。舞が小学生時代に滞在した五島が物語の舞台に復帰することを示す演出に、視聴者も沸き立っていたようだ。
「来る人がいれば去る人もあり。前々回の第54回で舞に告白し、恋人関係になった柏木はいよいよ、物語から退場することになりそうです。そもそも同期全員が就職活動を行うなか、具体的な内定先が明かされたのは舞一人だけ。柏木や寮で同室の矢野倫子(山崎紘菜)もパイロットに内定したのに、その就職先は明かされませんでした」(テレビ誌ライター)
ANAやJALといった実存する航空会社の社名は出せないものの、ハカタエアラインと同様に、いくらでも架空の社名はでっちあげられるはず。それすらもせず、誰の就職先も明かされなかったことから、舞の同期生たちが「倉庫入り」するのは確定だろう。
しかも恋人の柏木に関しては、倉庫入りと共に恋まで終わってしまうフラグが立ったという。それは柏木が舞に打ち明けた今後の予定を知れば、明らかだというのだ。
居酒屋で打ち上げをするなか、柏木は舞をカウンターに連れていき、二人だけでひそひそ話。そこで柏木は、12月の卒業から4月に入社する前のあいだ、米サンフランシスコに語学留学に行くと打ち明けていた。
舞が「しばらく会われへんの、寂しいな」とつぶやくと、柏木はやたらと上から目線で「パイロットは寂しいなんて言ってられない仕事だろ?」と諭すことに。だがパイロットという職業うんぬん以前の時点で、もはや二人の交際が続くとはとても思えないというのである。
「舞と柏木は航空学校の同期として、毎日のように顔を突き合わせている仲。それなのに柏木は、語学留学に行くことを自分一人で勝手に決め、卒業前日のこの日まで舞に隠していたのです。そんな重大事を毎日一緒にいる恋人に、一言も相談なく決めてしまう男のことなど、誰が信用できるでしょうか。この調子なら日々の交際の中でも柏木が、なんでもかんでも自分勝手に決めていたであろうことは容易に想像できます」(前出・テレビ誌ライター)
語学留学の間、柏木が作中に登場しないことは確実。帰国後も福岡をベースにするであろう舞とは、めったに会うこともできないはずだ。その状況で23歳のうら若き舞が遠距離恋愛を続けるほうが不自然であり、柏木との交際は自然消滅するのが決定的ではないだろうか。
作中では同じく同期の吉田(醍醐虎汰朗)に、倫子が「あんた気持ち伝えなくていいの?」とけしかける場面も。好感度が高い吉田のほうが、視聴者にとっては「倉庫入りしなくてもいい」と思われているのは確実だろう。いずれにせよ柏木の倉庫入りは、多くの視聴者が期待する通りの結果となりそうだ。