【舞いあがれ!】不良品ねじを見つけた舞は「柏木=不良品彼氏」も見分けられるのか!?

 その選球眼で、彼氏選びも磨いていただきたいものだ。

 12月28日放送のNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」第63回では、ヒロインの岩倉舞(福原遥)が実家の工場を手伝うようになって1カ月が経っていた。そこで舞が見せた成長ぶりに視聴者が目を細めているようだ。

 舞の実家はねじなどの部品を作る株式会社IWAKURA。2008年に発生したリーマンショックの直撃を受けて業績は悪化し、前回には検品作業を担当するパートさん3人をリストラするに至っていた。

 航空学校を卒業するも、航空会社への入社が1年延期となっていた舞は、実家の窮乏を見かねて手伝うことに。経験のない検品・梱包作業を担うようになっていた。しかも家族ゆえに無給でだ。

「退職するパートさんから『検品作業は最後の砦』という言葉を授けられた舞は、その忠告を胸に作業に臨むことに。新米ながらこの1カ月はトラブルを起こすことなく、検品作業を務めあげていたようです。3月に入ったこの日は約1万個のねじから、少しだけ傷の入った不良品を発見。現場に報告に行く際には嬉しそうな表情でそのねじを見つめていました」(テレビ誌ライター)

 検品担当の課長からは「手際ようなったわ」と褒められていた舞。リーマンショックの影響で生産数が減ったとはいえ、それまでパート3人で手分けしていた作業を彼女一人でこなしている姿には、集中力の高さや真面目さが表れていたことだろう。

 本来はパイロット志望ながら、実家を助けたいという思いで文句ひとつ言わずに働く舞。事務員の山田(大浦千佳)からは「『私、頑張ったぁ』アピールかと思いました」と嫌味を言われる場面もあったが、それはむしろ社長令嬢という身分に甘えることのない芯の強さを示す演出だったのかもしれない。

 そんな舞のことを親戚の子供かのように見守っている視聴者からは、今後の展開についてこんな期待が寄せられているというのだ。

「航空学校での厳しい訓練に続き、工場での作業を通して働くことの厳しさも体感している舞。社会人としてのスキルを身につけていくなかで『不良品を見分ける選球眼』も鍛えられていることでしょう。その眼力で、遠距離恋愛中である航空学校の同期・柏木(目黒蓮)のことも、ダメ彼氏だと見極めてほしいところです」(前出・テレビ誌ライター)

事務員から嫌みを言われた舞。トップ画像ともに©NHK

 その柏木は航空学校を12月に卒業した後、航空会社に入社する4月までのあいだは米サンフランシスコに語学留学中。舞が工場でねじを選別している最中に、レジャー気分の海外生活をエンジョイしているところだ。

 父親が国際線パイロット、母親が元CAという航空エリート一家に育った柏木は、学生時代から乗馬を嗜むなど相当にハイソな生活を送ってきた様子。航空学校に入学した当初は舞のことを明らかに見下していたのだった。

 作中では示されていないものの、柏木が大手の航空会社に内定したのは確実。4月からは念願の国際線パイロットを目指して、社内での養成訓練を受ける心づもりだろう。しかしリーマンショックがそんな柏木の心を折ることは確実だという。

「現実世界では日本航空がパイロット候補生として採用した社員の訓練を中止し、他の職種に配置転換。作中でも同様に、柏木が地上職に回されることは確実でしょう。しかしプライドの高い柏木が地上職に馴染めないことは火を見るよりも明らか。他人を見下す性格などの本性が表れるようになり、その姿を見た舞が『彼氏として不良品』であることを見抜くという展開が期待されます」(前出・テレビ誌ライター)

 多くの視聴者は、舞が柏木と交際していることに納得していないはず。これで舞が柏木を見切ることになれば、リーマンショックも少しは役にたったことになりそうだ。