【舞いあがれ!】ISO9001は取得済み?舞のJIS Q 9100取得宣言に「話がガチになってきた」と驚きの声!

 その単語が耳慣れない視聴者も少なくないなか、なかには「そこまで踏み込んできたか!」と驚く声もあがっていたようだ。

 1月23日放送のNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」第77回では、ヒロインの岩倉舞(福原遥)が航空機産業への参入を社長のめぐみ(永作博美)に進言。物語が大きく動き出す気配を感じさせるとともに、内容のガチさに驚く視聴者もいたという。

 舞の実家である部品工場の株式会社IWAKURAは、父・浩太(高橋克典)の急逝という危機を乗り越え、順調に成長。2013年8月を迎え、舞は父親の念願でもあった航空機の部品製造に乗り出したいとの思いを胸に秘め、中小企業に向けた「航空機産業参入支援セミナー」のチラシを手に、社長で母親のめぐみを説得していた。

「めぐみは『ウチにはまだ無理やて』と及び腰。品質保証について問いただすと、舞は『JIS Q 9100を取得します』と真っ直ぐな目で答えました。作中ではそれが何を意味するのかが説明されず、ちんぷんかんぷんの視聴者も多かったはず。一方で《朝ドラでその単語が出てくるとは》《これはガチな話だ》と驚く人もいたのです」(飛行機に詳しいトラベルライター)

母親で社長のめぐみに航空機産業への参入を直訴する舞。トップ画像ともに©NHK

 この「JIS Q 9100」とは品質マネジメントシステムのJIS規格で、航空宇宙産業に特有な要求事項が追加されたもの。米国のAS9100規格やヨーロッパのEN9100規格と相互認証されており、欧米の航空機メーカーに部品を納品するためには同規格の取得が必須となる。

 そのベースとなっているのは、様々な工場や事業所が取得している「ISO9001」で、こちらは見聞きしたことがある人も多いはず。見方を変えればISO9001すら取得していない工場が、いきなりJIS Q 9100を取得するのはほとんど無理というものだ。

「実は舞がIWAKURAに入社した2009年の時点で、事務所には『やさしいISO9001の取り方』と題した本が置かれていました。当時のIWAKURAではすでに自動車部品に進出しており、高レベルの品質マネジメントが求められていたもの。自動車業界にはISO9001を拡張した『IATF16949』という認証規格があり、いずれにせよISO9001レベルの対応は必須。IWAKURAにその下地があるからこそ、舞もJIS Q 9100の取得は可能だと踏んでいたのでしょう」(前出・トラベルライター)

 思えば舞がパイロットを目指していた航空学校編では、様々な専門用語が飛び交っていたもの。舞が操縦する「JA01TC」という機体を、航空無線では「ジュリエットアルファ・ゼロワン・タンゴチャーリー」と呼ぶことは、本作で初めて知ったという視聴者も多かったはずだ。

 そういった一般には耳慣れない専門用語も、物語にとって必然の要素であれば、視聴者にも馴染むというもの。同様にIWAKURAが目指す「JIS Q 9100」も、視聴者にとっては達成すべき目標としておなじみの単語になっていくのかもしれない。