この報せにはアイドル界も沸き立っているようだ。
第65回グラミー賞の授賞式が米ロサンゼルスにて2月5日(現地時間)に行われ、作編曲家の宅見将典氏がMasa Takumi名義でリリースしたアルバム「Sakura」が最優秀グローバル・ミュージック・アルバム賞に輝いた。
日本人が同賞を受賞するのは初めてのこと。グラミー賞全体では昨年まで22人の日本人が受賞者に名を連ねるなか、自身の名義で発表したアルバムでの受賞は2001年に喜多郎が「Thinking Of You」でベスト・ニュー・エイジ・アルバム賞に輝いて以来、二人目という快挙となった。
宅見氏は2011年にAAAの「CALL」で、2019年にはDA PUMPの「P.A.R.T.Y. 〜ユニバース・フェスティバル〜」で日本レコード大賞の優秀作品賞を受賞した経歴を持つ。EXILEなど多数の人気アーティストに楽曲を提供するほか、アニメやゲームの楽曲も手掛けるなど、多くの人は知らず知らずのうちに宅見氏の曲を耳にしているはずだ。
その幅広いレパートリーには、日本が世界に誇るサブカルチャーを象徴する分野も含まれている。実は宅見氏、アイドルの楽曲も数多く手掛けているのである。
「ハロプロ系ではモーニング娘。や℃-ute、Berryz工房、スマイレージに楽曲を提供。ノースリーブスや渡辺麻友といった48グループ系も手掛けたほか、私立恵比寿中学やラストアイドルの楽曲も担当しています。その手始めとなったのが、朝日奈央などを輩出したことで知られる『アイドリング!!!』だったのです」(アイドル誌ライター)
2006年~2015年に活動したアイドリング!!!は、フジテレビが母体となって誕生したアイドルグループ。冠番組のMCにバカリズムを迎え、現在に至る「アイドルバラエティ番組」の走りとされるバラエティ性の高さで人気を博した。
2008年1月には2ndシングル「Snow celebration/モテ期のうた」をリリース。そのカップリング曲こそ、宅見氏が編曲を手掛けた「Like a Shooting Star」だったのである。
リリース当時のメンバーは1期生の9人。のちにリーダーを務め、現在はボイストレーナーとして数多くのアイドルを指導している遠藤舞も、宅見氏がグラミー賞を受賞した報せを大いに喜んでいる一人だ。
【遠藤舞 コメント】
宅見将典さん、グラミー賞の受賞おめでとうございます!
私は過去にアイドリング!!!で「Like a Shooting Star」という曲を歌っておりましたが、その楽曲の編曲を宅見さんにしていただきました。ファンの皆さんからも人気があり、グループとしてもソロでも私自身何度も大切に歌ってきた思い出深い曲です。
印象的なイントロや、流れ星のようなキラキラしたサウンドなど、宅見さんの細やかで秀逸なアレンジがとても素敵でした。
受賞アルバムの「Sakura」も、聴きながら目を閉じると和の風景が浮かび癒されます。日本の音楽シーンに明るい話題をありがとうございます。
改めて、グラミー賞受賞本当におめでとうございました!!
グラミー賞アーティストとなった宅見氏。アイドルファンからは、今後もアイドルの楽曲を手掛けてほしいとの声があがっていることだろう。