【舞いあがれ!】舞が工場のブログをスタートも「炎上案件」は確定か?

 2月15日放送のNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」第94回では、ヒロインの岩倉舞(福原遥)が株式会社IWAKURAのブログを始めると宣言。従業員たちの士気もあがるなか、その発想に危機感を覚えた視聴者も多かったようだ。

 舞はIWAKURAを取材した新聞記者の御園純(山口紗弥加)から、「伝えたいことがあるなら、あなたが発信してみたら?」と勧められることに。SNSやブログなど、いまはいろんな方法があると提案されていた。

 IWAKURAでは舞が大学生だった2004年に公式ホームページを開設。舞の幼馴染で当時はSEだった梅津貴司(赤楚衛二)がHTMLを書いて制作したものだ。町工場レベルでは早いほうだったが、2014年になってブログを作ると言い始めたということは、公式ホームページも開設当初からほとんど変化していないのだろう。

「視聴者には『いまさらブログなの?』と驚いた人もいたかもしれません。ただ町工場などの中小企業でもツイッターの利用が増えたのは2020年代に入ってからの話。2014年はアメブロがサービス開始から10周年を迎え、利用者数が4000万人を突破するなど、ネットメディアの主役はブログだったのです。ブログなら文字数や画像の数にも制限がありませんし、舞がまずはブログと考えたのは、当時の世相を考えれば当然だといえるでしょう」(IT系ライター)

 舞は、工場の職人がどんな思いでねじを作っているのか一人一人のインタビューをブログに載せると意気込んでいた。女性職人の土屋(二宮星)は「ねじの写真載せたら注文も増えるかも」と発言。営業課の藤沢(榎田貴斗)も「全世界に発信、最高やーん!」とハシャいでいた。

 たしかにブログで発信すれば、地元・大阪以外からの発注に繋がる可能性も期待できる。企業ブログは立ち上げよりも継続のほうが大変だが、まじめな性格の舞が担当すればその問題もクリアできるだろう。

 なんだかいいことづくめに思えるブログの開設。だが多くの視聴者はそんな舞に対して、やめておいたほうがいいと眉をひそめていたのである。

「IWAKURAのブログがスタートしたら、それこそ日本中から《岩倉悠人についてちゃんと説明しろ!》《実家として責任を取る気はないのか?》といったクレームが殺到し、炎上することは目に見えています。舞の兄で投資家だった悠人(横山裕)はつい先日、インサイダー取引事件で懲役3年の有罪判決を受けたばかり。テレビにも出ていた有名人ですから、実家が東大阪で町工場をやっていたことも広まっているでしょうし、同じ名前の会社がブログなど始めようものなら、格好の標的になるのは確実です」(前出・IT系ライター)

逮捕前の逃亡中には東大阪の実家へ舞い戻っていた悠人。トップ画像ともに©NHK

 何らかの不祥事が発生したら、関係者のSNSが掘り出されるのは当然のこと。IWAKURAの公式ホームページもすぐに標的になっていたはずだが、なにしろ旧態依然とした内容のため、炎上しようにも火の付けようがなかったことだろう。

 ところがブログ開設となれば、コメント欄が炎上するのは間違いなし。しかも悠人が有罪になった翌月にブログを開設するのは、外部から見れば「実家として反省なし」と宣言しているのも同然だ。それとも岩倉家では判決が出たいま、悠人の事件はすべて解決したとでも思っているのだろうか?

「ブログ開設をこれほど大々的に発表したからには、作中で今後、ブログへの反響も取り上げそうなもの。そこに炎上の“え”の字もないようであれば、いくらドラマであってもさすがに浮世離れし過ぎていると指摘せざるを得ないでしょう」(前出・IT系ライター)

 この「舞いあがれ!」を巡っても、評判の悪かった航空学校編では反省会タグの「#舞いあがれ反省会」が盛り上がっていたもの。IWAKURAが2023年の今でも存続しているのであれば、ツイッターで「#IWAKURA反省会」祭りがにぎわっているのかもしれない。