【舞いあがれ!】近畿大学が短歌で応援?金網を通じて大学とドラマの連携が実現!

 東大阪愛がしっかりと、五七五七七に込められていたようだ。

 2月28日放送のNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」第103回には金網で作ったハンモックが登場。ヒロインの梅津舞(福原遥)が主導する、東大阪の町工場による連携がひとつの製品として実現したものだ。その金網ハンモックを、近畿大学が短歌で応援しているという。

 近畿大学の公式ツイッターでは「舞いあがれ!」の放送終了後、次の短歌を掲載した。

金網の
新たな道を 照らす君
東大阪 スクラムの街

 この短歌は、作中にて歌人の梅津貴司(赤楚衛二)が詠んだ「君が行く 新たな道を照らすよう 千億の星に頼んでおいた」の本歌取りであることは明らか。また「スクラムの街」という箇所は、作中で開催されたオープンファクトリー「東大阪町工場フェスタ」のチラシに書いてある「町工場がスクラムを組む!」というキャッチフレーズをもじったものに違いないだろう。

「今回は河内大学の関係者が金網ハンモックを視察に来る場面が。その河内大学は東大阪市にあり、校舎のリノベーションに地元の産業を取り入れたいとのことでした。その条件にぴったりと当てはまるのが、まさに東大阪市に本部を置く近畿大学なのです」(週刊誌記者)

 関西のみならず全国的にも有数の規模を誇る近畿大学では、2016~2017年に新設した校舎3棟にて菱形金網を採用。2号館では巨大なエアコン室外機を金網パネルで三重に覆い、4号館では校舎の周りに金網を二重に張ったパネルを設置している。

 そして1号館では高さ50m、幅15mという広大な壁面をやはり三重の金網で覆っており、下部をあえて固定しないことで風に揺らぐように工夫。これらの金網は東大阪市内に工場を持つ金網メーカーが納入したものだ。

大学の校舎を飾るこの文字も金網で作られたものだ。近畿大学公式ツイッター(@kinkidaigakuPR)より。

「河内大学の関係者は金網工場を営む小堺(三谷昌登)に『12階建て、高さ50mの壁を飾る金網、作れますか?』と訊ねていました。これが近畿大学1号館のことを指しているのは明らか。つまり第103回で描かれた内容は決して荒唐無稽な夢物語ではなく、実際に東大阪市で実現した産学連携を下敷きにしていたのです」(前出・週刊誌記者)

 なお近畿大学の公式ツイッターでは前日の2月27日、「まさかひし形金網が登場するとは思わず、今日は当方も興奮気味です」とツイートしていた。どうやら制作側は当の近畿大学にも内緒で、金網を校舎に使用した実例をエピソードとして採用していたようだ。

 同じツイートでは「もちろんNHKさんからは何もお聞きしておらず、今後の展開が気になりすぎて、1秒でも早く明日になってほしい…」とも明かしており、大学側が今回の内容について知らなかった様子が伝わってくる。

 その状況において、作中に登場した短歌を本歌取りして「舞いあがれ!」を応援してみせた近畿大学。これぞ産学連携ならぬ、ドラマ学連携と言えるのかもしれない。

※トップ画像は©NHK