NiziUの台頭に音楽業界が戦々恐々としているワケ!

 9人組ガールズグループの「NiziU」が、デビューから安定した人気を示している。

 4月19日付のオリコン週間シングルランキングでは、2ndシングルの「Take a picture/Poppin’ Shakin’」が推定売上枚数31万7324枚で1位の座をゲット。1stシングルの「Step and a step」が約31.2万枚だったことから、微増ながら数字を伸ばした形だ。

「一部報道では2枚目で数字を伸ばせなかったことから、プロデューサーを務めるJ.Yパーク氏の手腕を疑問視する声もありますが、お門違いも甚だしいところでしょう。デビューしたばかりの新人グループにもかかわらず、2枚目で数字を落とさなかったことはむしろ快挙と呼ぶべき。たとえば超鳴り物入りでデビューしたジャニーズのSnow Manはデビューシングルの『D.D./Imitation Rain』がいきなり132.8万枚のミリオンセラーを記録したものの、2枚目は91.8万枚、3枚目では80.2万枚と数字を落としています。これは同時デビューのSixTONESでも同様で、数字を維持し続けることの大変さは明らかです」(音楽ライター)

 今年に入ってからNiziUを上回る初動枚数を記録したのは櫻坂46、SixTONES、乃木坂46、Snow Manの4組のみ。それに対してSexy ZoneやKAT-TUN、Kis-My-Ft2や関ジャニ∞といったジャニーズグループや、SKE48といった面々はNiziUの枚数を下回っているのである。

 それだけNiziUが広い支持を受けているわけだが、この数字が音楽業界に、厳しい現実を突きつける形になっているというのだ。

「NiziUの台頭は『オリコン1位』の獲りあいがさらに狭き門になったことを意味しています。年に約50回ある週間ランキングにて、これまでは48グループと坂道グループ、そしてジャニーズの各グループがお互いのリリース日をにらみつつ、1位を上手く分け合ってきました。ここにNiziUが飛び込んできたことで、各レコード会社にはさらに綱渡りな日程調整が求められるようになったのです」(前出・音楽ライター)

30万枚超を売り上げた1stシングルの「Step and a step」。この時の2位はKing Gnuだった。

 しかし音楽業界が大きくデジタルにシフトしたいま、オリコン1位がそれほどの意味を持つのかという疑問もある。たとえば紅白歌合戦に2年連続で出演し、いまや国民的アーティストとなったOfficial髭男dismの場合、オリコン最高位は最新作「Universe」の3位に過ぎない。同じく大人気のあいみょんですらオリコン1位の作品は皆無というのが現実だ。

「デジタル配信で存在感を示すアーティストとは異なり、アイドルグループにとってはいまでも『デビューから〇作連続の1位』という記録は重要な冠です。ファンもその記録にプライドを持っており、1位が危うい時は結束して買い支えるという行動をとることもあるほど。しかしNiziUの売上は多くのジャニーズグループや48グループを上回っており、リリース日程の調整に失敗した場合には連続1位の記録が途絶えてしまう恐れが否定できず、音楽業界を戦々恐々とさせる理由となっているのです」(前出・音楽ライター)

 NiziUが同じペースを維持するなら、3枚目は4カ月後の8月ごろが予想される。今から音楽業界では「NiziUの3枚目はいつだ!?」との臨戦態勢に入っているのかもしれない。